第57回関西支部定例会報告 その2
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■ 場 所:キャンパスプラザ京都 第三演習室
■ 参加者:14名
■ テーマ2:小さなアクションからはじめるファシリテーション
〜動中の工夫、静中の工夫に勝ること百千億倍(白陰禅師)〜
■ 担 当:河田、土居
■ サポート:鈴木
■ 目 的:事例研究を通し、「小さな」アクションの大切さについて考え、
感じてもらう
■ ゴール:参加者一人ひとりが置かれた状況から、実践のための日常的アク
ションを導き出す
■ 概 要:事例研究を通して、ファシリテーションがどのように活用できる
か、じっくり考える
■ 全体の流れ
13:00【オリエンテーション】
・自己紹介(参加者・担当円座で)
・ワーク説明
13:20【事例説明・質疑応答】
・体験者(担当:河田)から事例説明
・参加者、体験者の質疑応答
14:20【グループ討議】
・紹介事例について感じたことを話し合う
15:00【テーマ出し】
・深掘りしたいテーマを各自設定する
・共通の思いを持った人でグループを作る
15:20【グループ討議】
・共有できるテーマを設定する
・設定したテーマにしたがって事例分析
16:35【グループ発表】
・グループでの分析結果を発表
16:45【Fの気づき資料配布】
■ 内容
【オリエンテーション】
・円座で座り、簡単な自己紹介
・ワーク説明
① 事例研究のため、河田さんから、ご自身の体験されたファシリテーショ
ン実践事例を話していただきます
② 十分な時間をとっているので、話の途中でも質問等していただいて結構
です
⇒<ファシリテーターの反省Part1>
① プログラムの全体目的を伝えなかった
② 全体プログラムの説明をしていなかった
【事例説明・質疑応答】
・事例説明
① Good Job Point制度の概要説明
② 関係者の変化の説明
・質疑応答
① Good Jobの評価点はどうやって決めるのか
→評価点の客観性に関する質問で議論が活発化
② Good Jobの評価について、フィードバックはおこなったか
→次に、問題解決のやり方に関する質問でも議論が活発化
③ Good Jobとしてあげられた事例が知りたい
→それらは、本来業務ではないのではないか
→さらに、雑業務の「掟」化に関する質問で議論が白熱化し、
全体で40分を予定していたが、「背景の把握」、「事例に
関する事実の受け入れ」がなかなか進まず、時間を延長。
60分を費やす。
⇒<ファシリテーターの反省Part2>
① 事例について、「ここで、少なくとも伝えきっておくべきポイント」が
絞りこまれておらず、情報伝達が散漫になり、必須情報の伝達に時間が
かかった
② 加えて、プログラム目的が提示されていなかったため、何が必須情報で、
何が付帯情報なのか参加者が判断できず混乱
③ ファシリテーター自身についてもGood Job Pointの事例から、「何を最
終的に学ぶか」目的は明確にしていたものの、様々な視点、意義に目が
くらみ、介入による適切な誘導ができなかった
【グループ討議】
・4名1組にグループ分け
・紹介事例について、感じたことを話し合い
→完全に議論の方向性がバラバラに拡散
全体で20分を予定していたが、議論に熱がこもっており、止めるに止
められなくなり時間超過、40分を費やす
⇒<ファシリテーターの反省Part3>
① 議論への介入を躊躇し、目的からそれた議論が深まっていくのを看過した
② 目的が事前に伝えられていないため、参加者が完全に各自の興味の対象
に議論が集中、全体の収束が不可能な状態にまで拡散してしまった
【テーマ出し】
・「自ら抱えている課題を解決していくために、河田さんの事例を参考に
討議したいテーマ」を考えてもらう
→前段で完全に議論が拡散しており、既に議論が熱を帯びていたため、
この時点での方向修正は不可能な状態になっていた
・テーマをA4の紙に参加者それぞれ記入してもらう
・似たテーマを持つ人でグループを作ってもらう
→テーマが拡散しすぎているため、グループをつくるにはテーマを総括
的、概念的に広げざるを得ず、結果1グループ6人と人数的にも多く
なり収束困難な状況になってしまった
⇒<ファシリテーターの反省Part4、そして調整へ>
① 修正不能、収束困難な状況に今さら気づき、呆然自失!
プログラム調整のための有効な施策立案が遅れ、無策のままグループ化
② 空井さんの「そらあかんやろ!」の一言でようやく目が覚め、目的・
ゴールの再設定、プログラム修正、議論への積極介入を決意
【グループ討議】
・共有できるテーマを再設定してもらう
→共有できるテーマ設定ということで、1つのグループは総括的な
テーマにすることで収束をはかったが、もう1つのグループは、
それを潔しとせず、テーマをあえて絞らない道を選択
・設定したテーマに従って事例分析
→1つのグループは、総括的分析を体系的に実施、一方、テーマを
絞らなかったグループは、ひたすら議論を続け、各自の気づきを
追求
⇒<ファシリテーターの調整>
① まだこの時点では、落とし所が見極められておらず、流動的に対応す
るため、各グループの流れを観察
② テーマを絞らない道を選んだグループの議論が、同じ問題を繰り返し
議論していることに気づき、このグループに介入を集中する
③ 時間を細かく区切り、あえてタイマーのアラームを鳴らし、時間意識
を喚起
④ ゴールを「個人の気づき」に変更
⑤ 途中経過として、各グループの議論をもう一方のグループに伝えても
らい収束を意識してもらう
【グループ発表】
・グループでの分析結果を発表
→総括的分析を行ったグループは、空井さんのアドバイスもあり、見事
に構造化された分析結果を披露、ルール、ツール、ロール分析の強力
さに驚く一方、テーマを絞らず、個人の気づきを追求したグループも、
グループとしてまとめるまでには至らなかったものの、各個人がそれ
ぞれ気づきをまとめており、その内容は、それぞれかなり近いものに
まで到達、収束の兆しが見えていた。
また、視点が斬新で且つ事例の隠れた側面にアプローチされており、
参加者の満足感も深かったとのこと。
【ファシリテーターの気づき資料配布】
・ファシリテーターの気づき資料配布
■ 感想(河田)
まず、プログラムの最初で、参加された方々が事例をどのように感じ、どう
いう視点、切り口でワークに臨もうとするのか、その傾向をある程度掴んで
おこうと思ったのですが、本番前の準備段階でミスしていたことに当日きづ
き、冷静さを欠いた事が最後まで影響したという感じでした。
その後、プログラムが予定通り進行しないことへ焦りは感じていましたが、
参加されたメンバーの方々から色々な形、方向で、炎(エネルギー)が出て
いたことは嬉しく感じていました。
しかし、ワークが全部終わったあとで、もっと恥ずかしい自分に気がつきま
した。ワーク冒頭で、私自身の頭のネジが飛んでうろたえてしまったのです
が、それが、パートナーの土居さんに伝染していました。
その後、場のテンションを維持することに心を砕いてくれていたのに、つら
い時間を過ごさせていたことに気づかないままでした。ファシリテーション
以前の問題でした。年長者として恥ずかしい限りです。反省しています。
さすがに少し落ち込みました。けれど、ワークの後で色々な方から熱い、心
を揺さぶられるコメントをいただき、一方で深く落ち込みながら、他方で涙
が出るほど感動している。そんな不思議な数日間を過ごしました。
その数日間を経て、だれもが、どんな切り口からでも、ファシリテーション
というジャンルのアートに取り組む事が出来るという思いがよりいっそう強
くなりました。
■ 感想(土居)
私のファシリテーションのまずさが原因で、事例の良さを生かしきれなかっ
たという思いが強いです。
特に、ファシリテーターとして基本的なことができていなかったと痛感しま
した。
一方で勝手な話しですが、なかなか得がたい本当に良い経験になったとも感
じています。
ただ、多くの方々に迷惑がかかるので、次回は決して同じ失敗を繰り返さな
いようにしたいと考えています。
最後に、このようなダメファシリテーターにも係わらず、暖かいお言葉をか
けていただいた参加者の皆様、プログラム作成に強力サポートしてくださっ
た鈴木さん、当日崩れ落ちそうだった私に、強力サポートしてくださった空
井さん、そして、何より私をパートナーに選び、本当に多くのことを学ばせ
てくださった河田さんに深く感謝いたします。