第119回:2014年2月1日 テーマ1 Standing in the fire 〜ヒートアップする会議で炎を優しく取り扱う6つの方法〜九州支部

2014年2月度定例会レポート

日時

2014年2月1日(土)13:00〜17:00

会場

北九州市立八幡西生涯学習総合センター 204会議室

テーマ名

「Standing in the fire 〜ヒートアップする会議で炎を優しく取り扱う6つの方法〜」

ファシリテーター

荒金 雅子(FAJ会員)

1名

参加者数(会員)

25名

一般・見学者数

5名

報告作成者

小長光 信(FAJ会員)

報告日

2014年5月12日

テーマ詳細

【概要】

対立、不信感、怒りや不安など感情的な緊張により混乱し、ヒートアップして収拾のつかなくなる状況にあっても、ファシリテーターが冷静沈着に事態を収拾し、参加者を本来の目的に向けて導いていくためには、ファシリテーションの技能や知識だけではなく、自身の内面的なあり方が重要になる。

今定例会では、ファシリテーターが経験する困難な状況とその原因を考察し、冷静沈着に役割を果たすためにファシリテーターが日頃から身につけておくべき6つの能力とその習得方法について説明と演習を行った。

【プログラム】

アイスブレイク宝探しゲーム
各テーブルに4〜5人づつ座る。
各々が紙に「自分がよくやるアイスブレイクの方法」を記入し、自由に歩いてペアを作り、互いに手法を教えあう。
4人から話を聴けたら席に戻り、印象に残った手法を同じテーブルの人たちとシェアする。
今回のワークについて説明
米国の組織開発コンサルタントのラリー・ドレスラー氏がデザインしたプログラム。
International Association of Facilitators (IAF) アジア大会の2012年シンセンと2013年東京にて“Standing in the fire”のワークショップが開催された。
荒金さんはドレスラー氏からこのワークショップを直接伝授された。
「どんな時に、自分らしさをなくす?」
会議や話し合いの場で、感情的になったり、自分らしさを失ったりするのはどんな時なのか、グループで話し合う。
「自分らしさをなくすとき、何が起きているのか?」
ペアを組んで、感情的になったり、自分らしさを失ったりする時に「肉体で感じること」「感情的経験」「内的会話(心の声)」を簡潔に表現しながら話し合う。
デーモンを探せ
12のデーモンを紹介。
「喜ばせたがり」「救済者」「臆病者」「かかし」「完全主義者/批評家」「奴隷」「破壊者」「被害者」「教祖」「傷ついたこども」「王子/王女」「計画者」
  • 自分の中に居るデーモンはどれなのか、グループで話し合う。
  • 各自、自分のデーモンを絵に描いてみる。
  • 全員の絵を壁に貼り、気になる絵は描いた人の説明を聴く。
炎を扱うための6つの能力
炎を扱うには、以下の6つの力を身に付けると良い。
「自分を知る」「今ここに生きる」「オープンマインドで受け入れる」「自分が何のために存在するのを知る」「意外性と戯れる」「共感を持って接する」
炎の番人になる
前述した6つの力の中で、自分がこれから話し合いたいものを一つ選ぶ。
同じ能力を選んだ者で集まり、4〜6人のグループを作る。
  • 各グループで、下記の3つの段階を踏みながら話し合った。
    「それがないと、どのように燃え上がる?」 → 「その結果、どうなる?」 → 「それを身につけるには、どんな能力が必要?」
  • 各グループの成果を、「それを身につけるには、どんな能力が必要?」が判るように模造紙に書き、全体で共有した。
自分らしさを保ち、炎の番人となるために
身につけておくと良い方法を紹介。
「ナインブレス」
「4ステップサイクル」
「自分とゆっくり対話する
最後にペアで聴きあう
「あなたは誰ですか?」
「あなたの人生の目的は何ですか?」
「あなたは世界の中でどんな貢献をしようとしてここにいるのですか?

 

【担当者振り返り】

自分の心に棲む「デーモン」を絵に描く際、自分の嫌な部分と向き合うことに苦しさを強く感じたり、わざと笑いを誘うものを描いて照れ隠しをしてしまったと振り返った人が少なからずいました。
多くの人にとって、自分の暗部を認め向き合うのは苦痛を伴うものだと思います。
しかし、そのデーモンを否定し、自分の中から追いだそうとするのではなく、「名前をつけて飼いならすこと」が大事だとのこと。
このワークを経て、長期戦で飼いならしていこうと腹をくくることができました。