第123回:2014年6月7日 テーマ1 人間関係ファシリテーション九州支部

2014年6月度定例会レポート

日時

2014年6月7日(土)13:00〜17:00

会場

深見ビル B会議室

テーマ名

「人間関係ファシリテーション」

ファシリテーター

舛廣 葉子(FAJ会員)

1名

参加者数(会員)

17名

一般・見学者数

2名

報告作成者

舛廣 葉子

報告日

2014年7月14日

テーマ詳細

【概要】

今回のテーマは、「もっと自分を知ろう」。
自分自身について自分が持っている考え方・見方(自己概念)どんなものなのか。
前半は個人で書き出したものを少人数でシェアし、後半はグループワークとふりかえりをとおして、自分自身について、メンバーについて、グループについて考察を深めた。
 

【プログラム】

13:15〜 “自己紹介”とミニレクチャー“「人間関係ファシリテーション」について”
  • 全員で1つの輪になって座った。ファシリテーターの自己紹介のあと、お試し参加の人たちからスタートして、 FAJ歴の短い人から順番に、自己紹介と今日のワークに参加する目的や期待していることを話した。
  • 資料を配布し、「人間関係ファシリテーション」とはどのようなものか、そこでの学び方(ラボラトリー方式による体験学習の循環過程)を説明し、「氷山モデル」を用いて下記の3つの言葉を紹介した。

  • 『コンテント』:明らかにされている課題や、言葉のやりとりの内容など、目に見えて起こっていること。
    『プロセス』:コンテント以外のすべて。明らかにされていないこと。感情(心の動き)や、グループの雰囲気、無意識な暗黙のルールなど。
    『Cue(キュー)』:プロセスを知る手掛かり。明らかにされていないことや、心の動きなどが表面化して見えるもの。サイン。
13:45〜 「自分をもっと知ろう」ワーク1
  • 各自、「私は」から始まる文章を20以上書き出す。
  • その中から「これは外せない」という文章を5つ選ぶ。
  • 3人組(2人組もあり)になって、何を書き何を選んだのか、聴き合う。
  • やってみて感じたことや気付いたことを、全体に発表する。
  • あらためて出てきた「私は・・・」を各自でまとめる。
15:20〜15:30 休憩

15:30〜 ミニレクチャー「自己概念」とは
  • 「自分自身をどのように受け止め、扱っているのか」が、人間関係に大きな影響を与える。人間関係が問題となるとき、実は、自分自身との関係がその半分くらいのウェイトを占める。
  • 自分についての気付きやイメージ(=自己意識)を支えている一貫した考え方・見方が、「自己概念」である。
  • 「自己概念」の枠の中に当てはまる経験と、当てはまらない経験がある。当てはまらないときに、人は不安や恐れを感じ、防衛機能が働く。
  • 自分自身が持っている「自己概念」をチェックし、「当てはまらない経験をしたときに、どう対処していくのがよいのか」を考えてみたい。
15:40〜 「自分をもっと知ろう」ワーク2
  • 4人(5人もあり)グループになり、課題シートを配布して、グループワークを行った。
  • 各グループが話し合って出した答を全体に発表した。
  • ふりかえりシートを各自で記入し、グループ内でシェアしながら、見えないけれど起こっていたこと(プロセス)に気づき、そこに反映されている自己概念について考えた。
16:30〜 全体ふりかえり
  • 各グループで話したことや気付いたことを、参加者全員が一言ずつ発表した。
  • 自己概念についての資料を配布し、終了した。

【参加者のコメント】 <ワーク1について>

  • 「私は」で始まる文章は、はじめのうちは「〜が好きだ」でたくさん書けたが、次第にそれだけでは書けなくなり、日頃隠している部分がだんだん出てきた。
  • 最初はポジティブな文が浮かんできたが、数が多くなると、あげたものの中から矛盾が出てきた。そこから「好き嫌い」や「思い込み」が激しいという自分のネガティブな面が見えてきた。自己認識が深まった。同じグループに、逆にネガティブからだんだんポジティブなものに移っていった人もいて面白かった。
  • 歳を重ねると、自分についてマイナスなことはあまり書かなくなると思う。
  • 2人組でシェアをしたが、3人組でやる場合とは違って、そこで起きている自分や相手の感情(プロセス)に気が付く余裕がなかったと思う。

【参加者のコメント】 <ワーク2について>

  • 話し合っていた時は役割分担がしっかりできていると思ったが、振り返りをシェアしてみると、課題シートを持っていた人が手を使えず困っていたことに自分は気付いてなかったことが判った。
  • 早く正解が出て自分は喜んでいたのだが、グループの他のメンバーは却ってそれが物足りなくて満足度が低かったことを知ってびっくりした。
  • 答が一つ出て終わったと思ったけど、他のグループの発表を聞いて、他にも考えられたことに気がついた。
  • 何のためのワークなのか分からず、ヤル気が起きなかったが、ふりかえりをしたら気付くことがすごく多くて、今はとても満足している。
  • 完全にやる気がないメンバーがいたことにワークの間は全く気が付かず、ふりかえりで聞いてびっくりした。騙されたと思った。日頃の話し合いなどでも、「見た目はヤル気があるように見えても、実は違う」ということがあるのかもしれない。
  • ファシリテーター的な姿勢でワークに関わったが、ヤル気のないメンバーがいることに自分は気付けず、他のメンバーは気付いていたことが後で判った。
  • ヤル気のないメンバーがいることに自分は気付いていたが、どう関わっていいのか分からなかった。

<終了後の感想>

  • 非常に勉強になりました。人はそれぞれ生きていくための道具として独自の枠組をもっていて、他者とは違う。違ってもいいんだよということに気づきました。
  • ラボ形式の学習は、気づきが多く勉強になりました。
  • 私の考え方・ものの見方の癖つまり自己概念からくるものが何かに気付くことができました。それは今までの経験で培ってきたフレームだと思います。この世にあるものや起きることは私のフィルターを通って解釈され、また私のサイズ・形のフレーズを通って外部に送りだされるのです。もっと多様な見方をしたほうが良い、そんなことを思いました。Cueを意識しながら、進めていこうと思います。

【ファシリテーターのふりかえり】

  • 最初から雰囲気があたたかく、九州支部らしい和やかさやおもてなし感を感じながらリラックスして進めることができた。
  • ふりかえりをして、さらに全体にシェアをすることで、「同じ経験をしても捉え方がいろいろある。違っていることから学ぶことがある」という気付きがあって、全体的に納得感や満足感が高まったように感じる。
  • 解りやすく丁寧な進行を心がけたため、納得感が高かったようだが、経験者からは「もっとモヤモヤの残る辛口なものもやってほしい」というリクエストもいただいた。
  • 定例会の中で、「Cue」の綴りを間違って「Que」と伝えてしまいました。ごめんなさい。