第190回: 2020年5月9日 (土) 九州支部5月定例会 『オンラインファシリテーション探求の事始め ~ファシリテーションを「オンライン」の場でも活かしていこう!』九州支部

2020年5月 定例会レポート

日時

2020年5月9日(土)13:00~16:00

会場

オンライン

テーマ

オンラインファシリテーション探求の事始め ~ファシリテーションを「オンライン」の場でも活かしていこう!

ファシリテーター、企画チーム

【ファシリテーター】加留部 貴行(FAJ会員)

【企画チーム】荒武勢津子、柿原寿人、加留部貴行、鈴木智惠子、本藤小百合(全員FAJ会員)

【テクニカルサポーター】亀井直人、松木治子(全員FAJ会員)

参加者数(会員)

21名

参加者数(一般)

0名(会員限定のため)

報告作成者

亀井 直人

報告日

2020年5月30日

テーマ詳細

プログラム概要

オリエンテーション
チェックイン
対話① ◆オンラインの話し合いの場で「良かったこと」「難しかったこと」
      ※経験が全くない方は「期待」「不安」を記載
対話② 準備のために興味対象を尋ねる
    ◆オンラインの話し合いの場で気になる立場は何ですか
      1ファシリテーター/2参加者/3テクニカルサポート
ハーフタイムアイスブレイク
    ◆画面の手前で音楽にのって足踏み
対話② ◆オンラインの話し合いの場で気になる立場は何ですか
      1ファシリテーター/2参加者/3テクニカルサポート
ギャラリーウォーク:まとまったスライドを見て回る
全体振り返り
チェックアウト
アフターオンライン

対話①は話し合いのみ、対話②はgoogleスライドを使って話し合いを記録
ギャラリーウォークの時間は、全グループのgoogleスライドを見てまわることとした。

参加者コメント

対話①
・メモなどで、気持ちや考えを画面に映すと幅が拡がる。
・オンライン体験の始めは不安→期待へ少しづつ移行?
・オンラインは、トランシーバー型の会話
・オンラインは、視聴覚のみ情報処理でRealの五感を使う認識に差が生じるのは当然で、ファシリテーションで求められる傾聴は参加者の気持ちを察するの技術でオンラインでは、どんな作法が必要か?
・今後、コミニケーションについても、オンラインとリアルの選別が起こるのではないか。
・リアルだと隣の人に聞けるが、オンラインだと何をしているかわからなくなる。丁寧な説明が必要だと思った。
・オンラインのほうが顔をみられるので緊張する、と感じるのは自分だけかと思っていたが、他の人たちもそう感じていたことに驚き
・気軽に参加できるが自身の場の環境を整える必要あり
・常に顔を見られるので、良くも悪くも緊張感がある
・ファシリテーターの設計、気遣い、進行への仕組みづくり、場づくりが大切
・zoomで声の大きい人がずっと話しをされている時の対応に困るという意見があり、どうすれば‥と考えます。

対話②
・初めての参加でしたが、気軽にお話させて頂き大変ありがとうございました。参加者の立場でダイアローグしましたが、自分と同じようなことを感じておられる方もいらっしゃって安心しました。
・ZOOMではたいせつな事は繰り返しをして貰うと助かるなと思いました。
・WEB会議に対する認識が様々あることを感じた。(安心感がある、居心地が悪い、学生は顔を出さないなどの意見よりそう感じました。。。)
・参加する側は距離を感じずどこでも参加でき良いのですが、運営側は大変だと思います。1つの「テレビ番組を作るようなもの」いろいろなテクニカル技術を披露して頂いたようで、参考になりました。「ZOOMでできること。」をもっと知りたい。
・操作に関する不安がある...慣れていくしかないのかなと感じています。
・全体的にフラットに接することができるため発言しやすいかも?
・テクニカルサポートの方のご苦労を感じました。
・皆さんのzoom会議での課題や問題点が共有でき良かった。テクニカルサポートについて知りたい人が多いのは、FAJっぽい気がしました。ファシリテーターより、サポートスタッフから入ろうかなと皆さん思っているのですね。
・ただ話すだけでなく、画面共有して講義があったり、グループに分かれて話し合ったことをGoogleスライドにまとめたりと、作りこまれた内容で時間が早く過ぎました。また、ブレイクの入れ方、方法も大切だと分かりました。
・かなり設計されたZoomワークで多くのスタッフがサポートし、お題も2テーマと余裕がある構成でした。
・参加者目線は場に参加するときに不安を考えること(立場・ランクの違い、知識の違い、他のメンバー間にあるつながりの深さ、守るべきものの違い、「秘密」を共有する範囲)
・進め方のルールやマナーの工夫と周知を続けていきたいです。そして、テクニカル面を学習するためのワークショップを開いていただければ嬉しいです。
・4つのスキルの第1(安全,安心の場づくり)に工夫がいる。
・オンラインに不慣れな方が安心して参加しファシリテーターが集中できる環境をつくるためにも、テクニカルスタッフは大事だと感じた。
・サブファシリテータとしてBORに入った途端、ZOOMから抜けてしまった。通信環境の整備が必須だと痛感、早速有線ケーブルを購入することにした。

ファシリテーター、企画チームふりかえり

初めてのオンラインによる定例会の進行を務めました。今回めざしたオンラインの場でやるべきことの「型」は概ね習得できたと感じています。その中で、オンラインであれリアルであれ、「ファシリテーションの基本」は変わることなく、より参加者本位のプログラムデザインと声掛けなどの進行の配慮が大切であることが大きな気づきでした。オンラインはあくまでも「手段」ですので、ツールや手法に踊らされることなく、本来やるべきことに向かって使いこなしていくことが大切だと考えています。

【担当者振り返り】

企画メンバーにて、以下のテーマでふりかえりをおこなった。
「1.対話は促進されたのか,対話は生まれたのか。」
出てきた意見
・それぞれのブレイクアウトルームによるが。話すための進め方を留意した。
  →適切な人数、話すために必要な時間、考える時間を持って
   各ルームによるが。。。(2巡、3巡はあった)。(急に放り込まれる状況にならなかった)
・小グループ、関心あるテーマだったので話は盛り上がった。
  →ティーチングになった部分があった。話し合いをする最低限の情報を知らなければ話せない。
・参加者に役割を伝えていたことで、サブファシリの役割を離れた。
・話足りない感覚があった。(もう時間なの?)
・1対1の話し合いになる傾向があった。(参加者同士の話し合いを生み出せたか?)
・考える時間があったことで、話合いをすることができた。(戸惑っている人は居なかった)
・ファシリテーターになり切れなかった。(促進はしたが)
・話し合いの口火を切ること、沈黙の時に問いを投げること。
・レールに乗せられていたように感じた。話し合いのしやすさはあった。
・時間の使い方。大事なことを2度話す(+スライド)、印象に残らない。(念には念を)
・リアルだったらどうだったのか。

■一人一人で実施することで、個人レベルの取組はできただろう。寂寥感はあったのでは。
 →どういう状況ならオンライン上で対話ができたと捉えられるか。
 →参加者同士での話を生み出すことに難しさがある。
 →丁寧に言う安心感(名前を呼ぶ)。 私の名前がしっかりと呼ばれる。
 →注視する点を捉えきれない(輪に入れない人など・・)。人数制限が無い中での、存在の承認。
 →関係性を作りたいときに、私を誰が見てくれているのだろうか?
 →参加者それぞれが、この場にいるという感覚をファシリテーター(チーム)として醸成する。

■人数に制約がかかってしまうが、そのポイント。(双方向)
今後、テーマになりそうなこととして以下に記します。
ニーズ把握、今後のテーマになりそうなことは?
・テクニカルスキルのテーマ(これはファシリテーションか?)
・サブファシリ不在でブレイクアウトルーム内の話ををどう観察、促進するか? (裏テーマ:運営負荷をどうやって軽減するか)
 →どのようにしてブレイクアウトルームにひっそり入るか。
・企業の研修だとどうか。
・グループでの話し合いの結果を共有するやり方。

新たな領域のファシリテーションを実践から積み上げていく、まさに調査研究の活動を行なっていることを改めて感じました。引き続き探究を続けていきたい。