第15回:2005年6月4日 効果的な質問とは?九州支部

第15回九州地区研究会議事録

●2005年6月定例会議事録
□日時:2005年6月4日 13:00〜17:40
□場所:財団法人福岡県中小企業振興センター
□参加者(敬称略):鮫島、合原、片山、太田、久富、百田、熊野、森、
            今井、段野、 山家、廣田、村中、石田、筌口、
            香川、岡本、堀上、水上、佐藤 (20名)
□担当:平山、田坂(FAJ会員)
□テーマ:「効果的な質問について」

●内容:
1.オリエンテーション
本日のプロセス、ゴール、グランドルールの確認

2.アイスブレイク
  ・質問力自己診断
  1)参加者全員が自分の質問力を10ランクで自己診断して名札に書き込む
  2)自己診断の数字に基づき、各チームの質問力点数が平均的になるように
   5人一組のチームを作る(セルフチームビルディング)

3.ワークその1(相手の特徴を引き出す質問とは?)
  他の人が書いた質問に答える形式でチームのメンバ全員が順に自己紹介を行う。
 相手の特徴を引き出すためにはどのような質問が効果的か?について考えてみる。
  ・手順:
  1)相手の特徴を引き出すための質問ネタを各自ポストイットに書いて集約する
  (質問数は無制限、書いた質問が他メンバに見えないようにする)
  2)自己紹介をする人は、見えない紙の中から1枚を引いて、その質問に沿って自分について話をする
  3)質問ネタが尽きるまで、チーム内で各自2〜3回の自己紹介
  4)どの質問が話し手の特徴を引き出せていたか?自分について話をする際にどのような質問が話しやすいか?等チーム内で振り返り
  5)チーム間でのシェア

4.ワークその2(できるだけたくさん質問を考えてみよう!)
  ・手順:
  1)チームの中で1人回答者を決め他のメンバは質問者となる。
  回答者の決め方、質問のテーマ、プロセスはチームの自由。とにかく質問攻めにする
  2)全ての質問を書き出しておき、質問側、回答側からみた効果的な質問についてチーム内で話し合う
  3)チームごとにプロセスと効果的な質問について話し合ったことを発表する

5.全体振返り
□ワークその1振返り
  ・定義が明確でない質問は答えづらい
   (「友達何人いますか?」という質問は、友達の定義が明確でない)。
  定義が明確でない質問はマズイ質問かというと一概にそうではなく、答える人の定義によってその人が見えてくる
  ・その人の環境から人となりに迫っていける質問は面白い
  (例:「得意な道具は何ですか  ?」)
  ・簡単な質問=すぐ答えられる質問こそ、その人のエピソードに展開 していくことができる
  ・限定的な質問でなく、幅を持たせた質問の方が相手の特徴を引き出しやすいが、広がりすぎていても答える側は困る
  ・相手がじっくり考える必要がある質問(例:「今まで最も幸せだったのは?」)は自分を振返りながら答えることによって、その人が表現されていく。難しい質問でも相手の思考をめぐらす質問が良い質問
  ・質問は自分の経験に基づいて出てくることが多い、質問者と答える人 の価値観が合致しているとお互いにとって良い質問となる
  (質問:「好きな映画は何ですか?」→答:「冒険者達です」。
  質問者がその映画を知らなかったので話が展開せずどうにもならなかった)
  ・答えやすいが表現しづらい質問もある(例:「性格は明るいですか?」)
  ・答える側にとっては自分を表現できるのが嬉しい質問
   (例:「あなたのモットーはなんですか?」)
  ・その場の空気を読む試行錯誤によって質問力が上がっていく

□ワークその2振返り
■Cチーム:
回答者:久富さん
プロセス:
  1) 久富さんに対する質問をメンバがポストイットに書き出す
  2) 久富さんがアトランダムに全ての質問に回答
  3) 時間軸と私的・公的の2軸で質問の分類分けを行い整理
気づき:
  ・「子供の頃の思い出はなにですか?」「マイブームは何ですか?」
  これらは相手と近づくために必須な質問
  ・質問攻めによって暴かれた(暴れた?)久富さん。
  ・人間って面白い、私も質問攻めにして欲しい

■Dチーム:
回答者:合原さん(合原さんをもっと知りたい:チーム内全員一致)
プロセス:
  1) ワーク1の質問を使って合原さんを質問攻め
  2) 答えに沿って新たな質問を追加。質問が途切れたら新たなテーマで
  質問
  3) 外面的な質問から徐々に内面的な質問へ
気づき:
  ・始めは答えやすくて楽しい質問が必要。
  ・外面的な質問から内面的な質問に転換して徐々にチーム内での 共感が生まれてきた。共感的解釈を経てだんだんと質問が深まって いく
  ・質問→発問→共感(質問:質問者は答えを知らない 
  発問:質問者は答えを持っている)
  ・答えにくい質問こそ人間の本質が隠れている
  ・最後は「死について」語っていた(質問が最終的には対話へ)

■Aチーム:
回答者:今井さん
プロセス:
  1) 今井さんの生い立ちについてメンバに説明
  2) テーマを設定「今井達也さんの将来について」
  3) テーマに沿って一問一答、芋づる式に質問と答えを繰り返す
気づき:
  ・質問には二面性がある(引き出す⇔気づきを与える 
  例:引き出す「パートナーは必要ですか?」
     ⇔気づき「パートナーを見つける事は大事ですか?」)
  ・質問されることによって今井さんの考えが明確になっていった。
  しかし今井さんの本質に迫るには時間が足りなかった
  ・テーマを設定して質問を行ったためにテーマに縛られすぎてオープンな質問が出てこなかった。(色々な質問が出てくる環境づくりが必要だったか?)

■Bチーム:
回答者:筌口さん
プロセス:
  1) 回答者と質問者間の共通の認識、バックボーンの刷り合わせ
  2) テーマ(焦点)を絞って質問を行う
気づき:
  ・バックボーンの刷り合わせや質問側での共通認識に時間がかかった。
 (複数から一人に対する質問なので質問側での共通認識を持つことが
 大事)
  ・その人にとって何が価値があるのかを引き出すのが効果的な質問
  ・回答者が受け入れやすく話しやすい、答えて主体の質問が良い質問
  ・質問を吐き出し、出なくなった後の質問が本質をとらえる質問

以上