第14回:2005年5月7日 場づくりを科学する九州支部

第14回九州地区研究会議事録

●2005年5月定例会議事録
□日 時:5月7日(土)13:00〜17:30
□会 場:中小企業振興センター402号会議室
□テーマ:「場づくりを科学する」
□担当ファシリテーター:水上益満、オブザーバー:加留部貴行
□参加者:片山、鮫島、太田、山家、久冨、森、田坂、村上奥田、
      段野、筌口、船越、 松岡、永井、百田、小河、香川正年、
      香川綾美、石田、浅田、原田、進藤、轟、伊東
      梅谷(FAJ東京)、木村(FAJ東京)

●研究会の流れ

◇今回の狙い

ファシリテーターにとっての「場づくり」とは何かを考える。
どのようにすれば参加者の意見や思いがあふれ出す「場」を形成できる かということに対する、自分なりの答えをおみやげに持ってかえってい ただくことを狙いとする。「場づくり」といってもいろいろな局面での場づくりが考えられるが、ワークショップや会議の第1フェーズにおける「場づくり」について、物理的な側面よりも心理的な側面に焦点をあてて場づくりを考えてみる。

◇全体の流れ

第1フェーズ:「自分を知り相手を知る」
        自分が場に与えている影響力を知ると同時に参加者のこ
        とをよく知ることの重要性を学ぶことを目的に3つのワー
        クを実施
第2フェーズ:「チームビルディング」
        チームビルディングのパターンの違いによって議論の進
        み方の違いを実感してもらうことを目的に3つのワーク
        を実施

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【内容】
■第1フェーズ(13:00〜15:20)
1. 第一印象交換(アイスブレーク)
ねらい:自分がどんな印象を場に与えているのかを知る。
内 容:37項目の第一印象キーワードの書かれたリストを配布。
     自分の第一印象について3人の人からフィードバックを受ける。

◇参加者からの感想
・話したことも無いのに、見抜かれている。ぐさっとくるものがある。
・着ている服装やちょっとした仕草、顔立ちなどから影響を受けうるこ
とが実感できた 。
・チェックのついている項目3人とも違うのだが、ついている項目の関
係性から自分の見られている姿が浮かび上がってきた。

2.印象交換を踏まえた自己紹介
   ねらい:外から見えている自分の印象と、自己認知の違い(あるい
       は同じ部分)を開示することで自分を再認識する。
   内 容:先ほどの印象交換の結果を開示しながら自己紹介

◇参加者の感想
・3人の方のチェックが、共通して自分でも気づかなかったことだった
  が、うれしくなるところがある。
・プラスイメージでチェックしていただいたと思えるが、そういう部分
  で見てもらえることに素直になれた。
・マントを着て同じ服装でやってみたらどうだったか検証してみたい

3.三者的に自己紹介する(一人他己紹介)
ねらい:第三者的に自己開示をさらに進めることで、深く自分を知る。
内 容:車座になり呼ばれたい名前とその由来を話す。

◇参加者の感想
・自己紹介を第三者的に言うのは、会場を暗くしてやったせいか、やり
  やすかった。
・先ほどの自己紹介の時よりも冷静になれた。
・この場だから安心してできたけれども、ほかの場ではできたかどうか
  わからない。

■第2フェーズ(15:30〜18:00)
場づくり(チームビルディング)のバリエーションを体験してみよう。

4.グルーピング体験1
   (右から順に番号を言ってもらってグループを決める。1〜4)
ねらい:無作為に集まったメンバーでどのような話し合いが出来るかを
     体験する。
内 容:話し合うテーマ:「私がここにいる理由」(何を求めているの
     か・何を提供できるのか)
     グループ毎に発表し、感じたことを共有する。

◇参加者の感想
・ロスタイムをほとんど感じさせない素早さで、チームの中での役割分
  担がてきぱきと決まり、こんなこと絶対会社ではあり得ない。
・会議のやり方として帰納法的に議論をまとめてゆくやり方が参考に
  なった。
・テーマの「私がここにいるわけ」というテーマに関して、明確な私と
  ここということに関する定義がされていなかったにも関わらず、ほか
  の班もみんなが、同じ目線で議論していたのが意外だった。

5.グルーピング体験2
   (4つのお題から関心のあるテーマに分かれてグルーピングする)
ねらい:関心のあるテーマで集まったもの同士で集まった場合にどの
     ような話し合いになるかを体験する。
内 容:・話し合うテーマ:
(1)「ゆとり教育について」
(2)「ゴールデンウィークの正しい(楽しい!)過ごし方」
(3)「福岡西方沖地震に思う危機管理」
(4)「食の安全について」

・話し合う時間は模造紙にまとめる時間を含めて30分
・グループ毎に発表し、感じたことを共有する。

◇参加者の感想
・話あうテーマが自分の関心があるテーマだと話しやすい。
・話し合うメンバーの中でこのテーマに関する知識の差が合ったので、
  知識の最低限のレベルあわせから話し合いをスタートさせ、その上で
  テーマに関して話し合った。
・2回目なのでより、知り合えて話しやすかった。

6.グルーピング体験3
   (何となく話してみたい人とグループを組む)
ねらい:なんとなく気の合うもの同士で集まった場合にどのような話し
     合いが出来るかを体験する。
内 容:話し合うテーマ:同じグループになったメンバーで、自由に
     テーマを決める
グループ毎に発表し、感じたことを共有する。

◇参加者の感想
・話し合うメンバーの人となりを知る機会になった。
・もう少し話し合う時間が欲しくなった。
・話し合いが全体としてうまくいきすぎで、通常は困ったちゃんがいる
  中でどれだけ使えるのか実務面では疑問が残った。

時間不足で以下実施できず。(泡の会で三々五々、感想交流)
7.印象交換〜チームビルディングまで何か感じることがあったか。
(体感の共有)
場づくりというのは何がポイントなのだろう。
気づきを促すにはどういう働きかけが有効なのだろう。
思いを共有化するにあたって何がポイントなのだろう。

水上の感想
  初めて一人で前に立って、ファシリテーターを務めたが、案ずるより産むが易しという ことを感じた。それも参加者の皆さんの暖かで、協力的な参画意識のおかげだと思う。 これからも場数を踏んでもっとファシリテーターとしての力をつけたい。今回のワークではチームビルディングのところで、各グループに検討内容を発表して頂 いたが、発表内容ありきの流れになってしまい、話し合いのプロセスでどのような感想を持ったかということや、チーム作りの違いによって、話し合いがどのようなプロセスで流れたかの差を検討することはできなかった。 参加者の皆さんの話し合う場づくりは出来たのでしょうが、ファシリテーターとしてタイトルの「科学する」という部分にまで突っ込んで意見交換する余裕を持てなかったのが残念である。
  もう少しワークの時間を区切る介入の仕方や、ワークのねらいの切り出し方、内容の話からプロセスの話へ意見を導く投げかけの仕方などファシリテーターとしての今後の課題が、自分のなかで明らかに意識できたのは収穫であった。

 今回はキックオフ以来の人数の多さと、参加者のバックグランドの多様さに驚いたが、九州でもこれからのファシリテーションの普及の広がりを感じさせる賑わいであったことも印象に残った。

 泡の会でも、たくさんの皆様からフィードバックを頂きありがたかった。

以上