第39回:2007年7月7日〜8日(合宿) 山笠合宿九州支部

【九州支部7月定例会(山笠合宿)報告】

日時: 1 日目 7 月7 日(土) 13:00〜18:30
     2 日目 7 月8 日(日)  9:00〜12:00
                                      12:30〜16:00 オプショナルツアー(博多観光)

会場:福岡大学セミナーハウス
参加者:57 名(2 日合計)

◆◆合宿全体の流れ◆

◎0日目(7/6)
19:00-24:00 前夜祭(寺田屋)

◎1日目(7/7)
13:00-13:15 開会&アイスブレイク
13:15-16:30 加藤さん「要約力」
16:30-16:50 休憩
16:50-18:50 九州支部「九州力」
19:30-21:00 泡の会
21:00-21:50 泡泡の会
22:00-??:?? 泡泡泡の会

◎2日目(7/8)
7:30- 9:00 朝食
9:00-12:00 ちびまりさん「山笠力」
12:00-12:30 閉会&退出
12:30-16:00 オプショナルツアー


◆◆前夜祭◆◆
ちびまりさん、堀さんのお二人を歓迎して、九州支部メンバーとの前夜祭を開催。
どしゃぶりの雨の中に集まり、寺田屋の二階へ。すると・・・何と、屋根から雨漏り。                           ひどくなる雨足に比例して雨漏りの状態もさらに悪化・・・結局は隣の狭い部屋
(6畳程度)に10名くらいがギューギュー詰めになりながら、文字通り、
お二人と九州支部メンバーの距離感がギュッと縮まった前夜祭でした。


◆◆開会&アイスブレイク◆◆
担当:九州支部メンバー

■事務局あいさつ
今回の主役はのぼり。山笠での正装姿が2名、じんべえ姿1 名。
山笠ムードたっぷりで、山笠合宿はじまりはじまり。

■七夕アイスブレイク
担当:のむしょー・クロ
胸に手をあてて、自分の願い事を正直に短冊にたくす・・・
さりげなく配られた短冊の色でグループ分け。
グループにわかれたところで、お互いに名前・所属・短冊の内容で自己紹介。


◆◆第1 ワーク「要約力」◆◆
担当:関西支部 加藤彰さん
日本ファシリテーション協会理事、創設直後から参加

<事前告知文>
|ホワイトボードや模造紙に書くときに「どう要約してよいか分からない」という
|悩みを抱えておられる方は多いと思います。今回のワークでは「良い要約のコツは」
|などとまず理屈から入るのではなく、3時間ひたすら練習してみましょう。
|このお稽古は、2006 年4 月に関西、2007 年1 月に東京の定例会で取り上げて、大
|好評だったものです。文章や対話をただ要約して書いていくだけですが、皆で練習
|すれば楽しく取り組め、周りの人の作例からいっぱい学べます。
|今回は、これまでの稽古にプラスして、長めの話、あるいは、バラバラな意見の集合
|から論点を抜き出す稽古や、口頭で要約する稽古にも取り組みましょう。
|スポーツで言えば、ダッシュで走りこみをするようなものです。
|五感全開、ヘトヘトになる覚悟でお越しください。

<当日の流れ>
要約力基礎力作り。
お稽古
第1幕:読んで要約 問題文2題
第2幕:聴いて要約 「仕事の目的」「卒論時期」「ダイバーシティについて」「今年の合宿先」
第3幕:聴いて→覚えて→要約 「合意形成と多数決について」
第4幕:論点抜き出し 「アイスブレイク」「FAJFF2007 苦労話」
実践稽古:この2 時間の講座を受けて、よいところ・すごいところ・うまくいっているところを
       なるべくたくさん挙げる
       要約して発表

<感想BY クロ>
大変勉強になりました。要約力というものは、スポーツで言う基礎体力のように基礎力を
養うことが大事だという話がとても印象に残りました。何度もやってみる、嫌でもやって
みる、ひたすらやってみる・・・という、通常なら参加者を配慮して甘くしてしまうところ
を、短期集中講座のごとくしっかりやる、というのは初めての経験でした。へとへとにな
りながらも、要約して書くということの難しさを実感できるワークでした。また、いろん
な人のいろんなまとめ方、要約の仕方を見ることができてとても参考になりました。最後
のふりかえりでは、自分の知らない話しかメモしない、などそれぞれのメモのとり方の話
がでたり、知らない分野だと書きにくかったという話や、堀さんと加藤さんの息のあった
小芝居(?)がよかった、などの感想がありました。今まで全国の定例会をまわって出来
上がったワークの成果ともいえるレジュメにあった「要約のコツ ダイジェスト」には、要
約する際の大事なポイントが凝縮されていて、とても参考になしました。なかでも、「手抜
き術」というのはいつも自分がしているのはこれだったのか、と思い当たる節があり、自分
のいい加減さを認められたようで少しホッとしました(苦笑)。まさに合宿ならではの雰囲
気が出たスパルタワーク・・・加藤さん、本当にありがとうございました。

◆◆第2 ワーク「九州力」◆◆
担当:九州支部メンバー

■ワークの概要
屋台の演出を施した7つの島が作られ、“博多流”ワールドカフェ方式(⇒おしゃべり屋
台)でワークが行われました。屋台にはそれぞれのテーマ(話題)が設定されており、集
まった旅人達は行く先々の屋台で、そのテーマにもとづいて、ただただおしゃべりをしま
す。

■プロセス
まずは屋台店主より、それぞれの屋台のテーマが発表され、旅人は話をしたいテーマの屋
台に集まりました。
テーマ(屋台店主) <プロッキーの色>
? チームビルディング (田坂) <オレンジ>
? アイスブレイク (吉田) <紫>
? パネルディスカッション (加留部) <緑>
? ワークショップ (クロちゃん) <黒>
? ふりかえり (鮫島さん) <赤>
? ホワイトボード (伊東さん) <茶>
? 泡 (峰くん) <青>
屋台ではさっそくおしゃべりが始められ、なぜこのテーマに集まってきたのか、思い思い
に話し始めます。屋台の店主はファシリテータ、そこに集まった旅人みんなから話を引き
出しテーブルの模造紙に書き留めていきます。
40 分間のおしゃべりが終わったら回遊の時間。旅人は別の気になる屋台をのぞいては店
主からそこでどんな話がされたか説明を聞き、またそこに集まった旅人達と話をする。
行く先々の屋台で旅人達は足跡を残すために、自分の屋台の色のプロッキーで模造紙に
コメントを書き込んでいきます。
20 分の回遊が終わり、元の屋台に戻ってきます。別の屋台で話をしたことや旅人達が
自分達の屋台に残していった足跡をみながら、あらためておしゃべりをして、印象に残った
ことを「要約」して九州弁でまとめるというワーク(30 分)を行いました。
最後に各屋台の店主より、九州弁で発表してもらいました。
この頃時刻は18 時過ぎ、屋台では缶ビールが振舞われ、プチ泡が開始されました。

■意図びらき
今回の九州支部メンバーで企画・運営した「九州力」ワークの裏側には、来年の全国フォー
ラム@福岡に向けて、多くの方々からアイデアをもらいたいという狙いがありました。
ファシリテーションおよびフォーラムに関わるテーマをもとに、皆さんに自由に話をしても
らい書き込まれたアイデアや思いを十分に「吸収」して、これから始まる来年のフォーラム
の構成に役立てていきたいです。という話が、ワーク全体のファシリテータを務めた上杉
さんより話がありました。

■後述
ワークのプログラムを検討する上で、最後までみんなで悩んだのが、缶ビールを配るタイ
ミングでした。ただの宴会ではワークの意味はない、けれどもワイワイ・ガヤガヤとした
屋台の雰囲気を出したい。結局は最後の全体シェアの時にプチ泡突入となりましたが、
参加者全体で来年の全国フォーラム@福岡を意識づけすることができて、ひとつのキック
オフの形になったのかな・・・という印象でした。

◆◆第3 ワーク「山笠力」◆◆
担当:東京支部 鈴木まり子さん
日本ファシリテーション協会理事、通称:ちびまりさん

■目的
ファシリテーションのスキルも使い方によっては、溢れ出す場を却って邪魔してしまう
ことがあると感じています。 ファシリテーターが、よりよい場をつくろうとするとき、
〜静と動〜をどう感じ、どう扱ったらよいのか? 〈告知分より〉

■アジェンダ
○ 導入
(1) のんびりマッサージタイム
(2) ちびまりさんの自己紹介
(3) ワークにおけるルールの紹介
(4) アジェンダ公開 (気になる人にのみ)
○ ワーク? 「ファシリテーションにおいて、どういうものが“Push”か“Pull”か?」
(1) Push とPull のレクチャー
(2) グループ分け
(3) グループディスカッション
(4) 発表
(5) 振り返り
○ ワーク? 「あなたが持つ○○力とは何か?」
(1) 個人ワーク
(2) ペアで共有
○ 全体振り返り
【参考】
Push(プッシュ)…問題提起、要約、時間の制約、提案する、締めくくる、挑発する、突っ込
む押せば自然に抵抗力を生み、押し返してくる。
Pull(プル)………あいづちを打つ、受け入れの態勢、知らないふりをする、沈黙を作る、褒
める引けば自然に引き込んで参加を促す。

■概略
二人一組の肩もみからゆるゆるとスタート。 良い感じの雰囲気の中、プログラムが進行
しました。ワーク前には今日のプログラムのアジェンダ公開という面白い試みもありました。
ワーク?のグループ分けでは、教え合わないでPush 型2名とPull 型2名のグループに
分かれるという高度な?試みがありました。 ワーク?では、各グループで話し合った
“Push”や“Pull”の例を5枚の短冊に書き出し、発表しました。
ワーク?では、今回の合宿における通しのテーマ「○○力」について、各自で自分の持つ
「○○力」を考えた後、今回の合宿でまだ話していない人とペアになり、お互いの「○○力」
について共有しました。
最後に、全員で合宿全体の振り返りをして終了しました。

【議事録担当の感想】
山笠が動(追い山)と静(飾り山)で出来ているのでは無いかとの仮説の元、合宿場所の
福岡にちなんで名付けられた『山笠力』。 “Push”と“Pull”の言葉が行き交い、個人で
集団で悩んだPush/Pull のワーク。 “Push とPull”は今回の合宿で一番ヒットした言葉に
なりました。 その後の泡や定例会以降の打合せでも“その発言はPush だ。いや、Pull だ。”
とか“目指すはPullの人なんだけど、今はPush の人なんだよ。”とか。 “Push とPull”は
これからも語り継がれそうな感じがしています。 私もワークと並行して、プロセス
チェッカーというものを初めて経験させてもらい忘れられないワークとなりました。
貴重な体験をさせて頂いたちびまりさんにとても感謝しています。
有り難うございました。 〈Takurou〉