第45回:2008年1月5日 チーム・ビルディングの手法をあれこれ学ぼう! 〜ワールドカフェで思いを紡ぐ新春初夢大放談会九州支部

■2008年FAJ1九州支部月定例会議事録

・日 時:2008年1月5日(土) 13:00〜18;00(プチ泡の会を含む)
・場 所:オクターブビル4F 会議室
・参加者:60名

・次 第:?チームビルディング、?ワールドカフェ、?ふりかえり

  

・概 要:最初に九州支部長の加留部さんより新年のあいさつおよび本日の定例会の流れが説明された。その後、飴によるグループ分けを行い、簡単な自己紹介(お題:お正月はいかがでしたか)を経て、こたつづくりというチームビルディングを行った。その後、ワールドカフェならぬワールドこたつという方式で、参加者がこれまでのファシリテーションに対する思いを披瀝した。次に、チームビルディングおよびワールドこたつの意図開きへと進み、最終ワークのふりかえりにおいてワールドカフェで共有した参加者全員のファシリテーションの思いをふりかえり、5年後の自分に対するメッセージを書き、グループ内で共有した。その後、自分のメッセージと同じ内容を持つ人が集まりグループをつくり、その中で共通する思いをA3用紙の上に表現した。最後に、完成した9つのA3用紙の紙を並べ、自分たちの成果を讃えた後、今年度のFAJにおけるビジョンづくりのしくみが説明された。そして、ビジョンキャラバン隊および九州地区以外から参加されたFAJ会員の方々の感想および初参加の方々の感想を共有し、閉会とした。

・内 容:以下、各セッションにおける進行役の言葉を中心に定例会の流れを詳細に記す。


?九州支部長の加留部さん、あいさつ
「全国から50人という大人数の人が集まりました。この場を放談会の場にしてほしいと思います。ここから全国へと広げていく出発点にしたいと思います。詳細は、追ってお話させていただきますが、新年に開催する本定例会を楽しんでいただきたいと思います。今回は、加留部、平山、田坂の順で進行役をリレーして、チームビルディング、ワールドカフェ、ふりかえりを行っていきたいと思います。今回、FAJ定例会に初めて参加される方が10名ほどいらっしゃいますが、FAJは今年で5年目になります。会員数も1000人を超え、支部・サロンは関西、中部、名古屋、東京、北海道、広島、富山とほぼ全国制覇をいたしております。多くの地域でさまざまな分野の人が『どうにかせないかん』という思いで人と人との和をつなごうと集まってきています。ふりかえりの時間もありますので、初めて参加される方は少しずつでも身近なものにしていただきたいと思います。大いにおしゃべりをして「あんたがたどうね」と、感じていることや疑問に思っていることを大いに交換してほしいと思います。お気軽に参加してほしいと思います。」

?グループ分けの指示
「お年玉を差し上げたいと思います。こちらにポチ袋を用意しています。一人一個取ってください。お年玉をもらわれた方、お年玉をあげた方などいらっしゃるようですが、今回のポチ袋は干支にちなんでネズミ仕立てになっております。中に入っている飴でグループ分けをしたいと思います。Aグループはカルピス(白)、Bグループはカルピス(ピーチ)、Cグループはミルキー(青)、Dグループはミルキー(黄色、緑)、Eグループはイチゴミルク(ピンクぽい)、Fグループはキャラメルミルク、Gグループは青いりんごとレモン、Hグループはアセロラと巨砲です。では、グループに分かれてください。」

?チームビルディングにおけるワークの内容
材料一覧(ダンボール、板、レジャーシート、模造紙、クロッキー、ポストイット、ガムテープ、みかん、かご、クッション、布)を見て、所定の場所から材料を調達してグループ全員でこたつをつくる。作業終了後、各グループでこたつづくりのふりかえりを行い、こたつの主を決め、ワークは終了した。

?ワールドこたつにおけるルール説明(平山さん)
「こたつという空間でくつろぎながら、いろいろな話をしてほしいと思います、これからのワークでは旅にこだわっていきます。旅を始めるにあたり、こたつの礼儀として、次の3点を守ってほしいと思います。


?あなたが大切にしていることに焦点をあてましょう。(ざっくばらんに話しましょう)
?他の人の話を聞くこと。アイディアをつなげていくこと。
?いたずら書きでもいいので、模造紙に書いてもらいたい。


次に何を話すかですが、次のテーマについて話してもらえたらと思います。
[ファシリテーション経験者の方]
 これまでのファシリテーションの旅はいかがでしたか?
 覚えていますか?初めてファシリテーションに出会った時のことを。
[初参加の方]
 なぜここに来てファシリテーションという旅に出ようとしたのですか?
 1ラウンド30分で、こたつの中で行います。こたつ主は、議論が活発になるように話を進めてください。」

?ワールドこたつにおけるワークの内容
1ラウンド30分で3ラウンド行った。第1ラウンドは、こたつを作ったグループでファシリテーションに対する思いを話し合う。その後、第2ラウンドでは、こたつの主を除くその他のメンバーは別のグループへと移動し、新しいグループで同じ話題を話す。そして、最終ラウンドである第3ラウンドで、再び元のグループにもどり、こたつの主はその場でこれまでどんな話題が展開されたかを説明し、残りの各メンバーは、それぞれ移動したグループ先でどんな話をしてきたかを報告した。

?チームビルディング・ワールドこたつの2つのワークに関する意図開き
・ワールドこたつ(平山さんより)
今回のワールドこたつの原型であるワールドカフェとは、会議以外の席では本音が聞けるという事実に注目したのが根本の発想です。8つの原則に基づいて組み立てられておりますが、詳しくは本も出ていますので興味がある方は是非読んでみてください。体験してみて、どう感じたかはこの後のふりかえりの場でお願いしたいと思います。
・チームビルディング(加留部さんより)
ワールドカフェは、ランチミーティングなどで小さなテーマについて話し合うなど、最近よく使われています。全体を振り返る際も、チームビルディングやウォーミングアップや共有の方法としても用途は様々です。また、今回の定例会では、九州という土地柄から里帰りというシーンを作りたかったのです。スカートではなくズボンのほうがよかった、足がいたかったなど不便をおかけしたところもあったが、だんらんの世界を再現したかったのです。今回のワークを通して思い出したのは、昔、いとこよりがあったということです。今行えば、こんな感じだろうなあという思いがしました。里帰りとして皆様をお迎えすることを考えたのが昨年12月29日でバタバタと準備をしましたが、お話をする雰囲気を作る方法としてはいろいろなやり方があるのかなあと思いました。」

?ふりかえり:全体への投げかけ(田坂さん)
「自分への里帰りをこれから行いたいと思います。少し静かにふりかえってみましょう。本日13時に何があるのだろうと集まり、こたつをつくりました。この中でゆっくり自分のことをふりかってください。旅は始まりました。大放談が始まりました。目をつぶってください。どんな言葉をしゃべったでしょうか。言葉の数々を頭の中にめぐらしてください。いろんなことを思い出せたかもしれません。落書きを見てみましょう。しかし発散だけでは仕方がありません。ちゃんとしたプロセスになってきたことを実感したいと思います。種を収穫しましょう。ファシリテーションの旅はいかがでしたでしょうか。一人1枚、1文を書いていただきたいと思います。これまでは今を共有してきました、これからは未来のことを考えましょう。今はどこに向かっていますか。未来の旅のことを考えてみましょう。5年後のことを、5年後の自分に向けてどんなファシリテーションの旅をするのか。書初めでしょうか?初夢でしょうか?5年後に向けての抱負でしょうか?「私は」から始めてもよいかもしれません。言葉がかけめぐってきたら、その種を摘み取ってください。素朴に感じているままを、自分とファシリテーションがどうなっているかを文章にしてください。みなさんに委ねたいと思います。5分ぐらい。あとでみなさんと見せ合えたらと思います。5分ぐらいで書いてください。」

?ふりかえり。グループ内でのメッセージ共有後の指示
「いろいろなばらつきがあったと思いますが、未来の旅へと出発しました。これから旅の道づれを探しましょう。同じ旅をしたい仲間を見つけてください。」

?ふりかえり。未来を旅する同じ仲間を見つけ、グループを作った後の指示。
「未来への旅。未来の仲間がいます。最後のラウンド(20分)です。旅の仲間は何をめざしているのでしょうか。自分たちのこたつにタイトルをつけるとすればどうなりますか?どういう旅か?ワールドカフェから浮かび上がったものが9つ出てきそうです。全体像を確認できるでしょうか?何を大事にどんな旅をしたいでしょうか。1つのキーワードになることが目標です。自分たちがなぜ仲間として選んだか話し合いましょう。」


?全体のふりかえり(いすを丸くして真ん中に完成した9つのA3用紙を並べて)
「お疲れ様でした。長い旅でしたが内容が濃いものになりました。最後に自分たちで讃えたいと思います。チームビルディング、ワールドカフェ、ふりかえりを行いました。ふりかえりの中にビジョンをこめてみたいと思います。学ぶ中で、コンテンツとして、これからファシリテーションを歩む中でビジョンに少しでも近づくために、ビジョンという言葉は使わずに、旅という言葉を使い、こたつを登場させました。ここにできたものがビジョンです。9枚のA3の紙にまさにビジョンができたのではないかと思います。全体で自分をそして他人をたたえましょう。」

?今年度のFAJビジョンづくりのしくみの説明
「全国から来ていただきましたが、ビジョンづくりは今回がキックオフとなります。来週から、大阪、名古屋、東京と、ファシリテーションについて何を考えているか、どんな思いを持っているかをリレーで話し合っていきます。2月には、富山、広島でもこのような定例会を行います。FAJが初めて行う大実験です。1000人の声をつなげて5月に開催される全国フォーラムで一般の人からも意見をいただき、総会でビジョンを決めていきたいと考えています。1000人の可能性を言葉でつなぎ、共感をどうつむぐか。これぐらいの規模の参加者でもいけるとなれば、会社や町でもこういう形でやってやれない話ではないと思います。すべてを拾いあげることはできませんが、ここに集まって参加することでチームを作り、ファシリテーションの全国展開でつむいでいければと思います。そして、今日はkick-offです。背景・世代・分野が異なる中でファシリテーションを介してわざわざここに出会い集まりました。この成果を先につながるものにしたいと思います。」

?ふりかえり。クロージング
「4時間かけてつむぎだしました。つむぎ出せたことを忘れずに帰っていただきたいと思います。」
「最後に、全国フォーラムに向けて足跡を残すために今回の名札は回収させていただきたいと思います。そして、このビジョンづくりを盛り上げるために、メーリングリストに書き込みをお願いしたいと思います。この盛り上がった思いを次の支部につなげたいと考えております。」

?ビジョンキャラバン隊および九州地区以外から参加されたFAJ会員の方々の感想
○最初はグループになっていませんでしたが、終わった後はチームづくりができていたように思います。最後にはまとまってよかったと思います。
○今回、ワールドカフェでいこうと決めたのに、ワールドこたつになってしまいました。来週はどうしたらよいのかなあと今考えています。こたつをかこんで熱く語ったことをもっていきたい。どうすればよいか、うれしく悩んでいます。
○九州フォーラムには過去2回とも参加しましたが、九州の定例会は初めてです。九州はしきいが低いとかねがね思っていましたが、今回はこたつでもってさらに低くなったという感があります。最後にビジョンの形としてまとまったことはよかったと思います。それをつなげられたらと思います。
○つなぐという部分。支部間でつなぐためにはどうしたらよいのか。これについてのアイディア出しを泡の会ではお願いしたいと思います。自分で考えることはやめようと思っています。
○東京はクライマックスです。今回九州支部の定例会で語り合って、似ていることを考えているなあという感想を持ちました。地域差はないように思います。ファシリテーションに突き進んでいきたいと思います。(成果物としての模造紙や用紙が)箱詰めになったらどうしょうかと思っています、ぜひ少なめに送ってほしいものです。
○楽しい場をありがとうございました。いい根が出てきたと思います。これが幹となり枝となり、そして大きな木になるようにしたいと思います。ありがとうございました。

?初参加の方々の感想
○熱気を感じることができた。
○ファシリテーションという言葉を知らないまま参加しました。みなさんのいろいろな思いに感心させられました。
○想像したものとは違っていました。ファシリテーションはどういうものかはまだわかりませんが、多くの方が人のこと自分のことで熱く考えていました。参考になることがたくさんありました。
○戦々恐々という思いで参加しましたが、阻害感を感じることなく話し合いができました。
○1月1日にこの会合のことを知りました。30分後に参加の申し込みを行い、一夜漬けの勉強をして臨みましたが、スキル中心でした。今後も続けていきたいと思います。いろいろと学ばせていただきました。
○こたつにはびっくりしました。ファシリテーションについては、少しは知っていましたが、本よりも実践が大事であると感じました。
○初めて参加しました。どんな会だろうか?怖い人?心配しながらの参加でした。新しい人でも入りやすい配慮がありました。意見を持っていながらも否定されずに話を聞いておられ、自分だけでは考えもつかないアウトプットを出せたと思います。今後も参加したいと思います。
○本はちらっと見てきました。空気を味わいたいと感じました。これを機会に勉強したいと思います。
○こたつで2倍楽しめました。

以上(議事録作成:太田/写真撮影:斉藤)