第181回: 2019年8月3日 (土) 九州支部8月定例会 テーマ1『楽しくジブリッシュを使って日ごろの言語コミュニケーションを考える ~傾聴をチョッピリ探求しよう〜』九州支部

2019年8月 定例会レポート

日時

2019年8月3日(土)13:00~17:00

会場

REPOS211(パルコ新館5階)

テーマ

楽しくジブリッシュを使って日ごろの言語コミュニケーションを考える
~傾聴をチョッピリ探求しよう〜

ファシリテーター

元田 繁喜(FAJ会員)

参加者数(会員)

9名

参加者数(一般)

4名

報告作成者

上野 翔大郎

報告日

2019年10月23日

テーマ詳細

プログラム概要

 ジブリッシュとは、幼児が話すような意味のないめちゃくちゃな言葉のことです。演劇における役者の訓練のほか、企業のマネージャー研修などに使われています。
 ジブリッシュを用いた非論理体験で新たな気付きを得ると、言語情報だけでなく、見た目・表情・しぐさによる資格情報や、声の質・速さ・大きさ・口調等の音情報も使って、よりパワフルなコミュニケーションをとれるようになります。
 2017年11月にジブリッシュを題材とした定例会を実施しましたが、今回はそのブラッシュアップ版として、アイスブレイクに"笑いヨガ"を取り入れながら、ジブリッシュのワークショップを行いました。

1 オープニング
 1)本日の流れとジブリッシュ説明(13:00~13:20)
 2)笑いヨガの練習

2 アイスブレイク(13:20~14:00)
 1)グループに分かれた笑いヨガでの自己紹介
 2)2人組での、天使と悪魔の傾聴ワーク体験
  ■天使および悪魔の傾聴とはどのようなものか、グループ内で話し合う
  ■以下のワークを実施
   ・Aがネガティブな話をし、Bは天使となってそれを聞く。
   ・Aがポジティブな話をし、Bは悪魔になってそれを聞く。
   ・AとBが役割を交代し、同様に話をする。
  ■ワーク終了後、天使と悪魔の傾聴をやってみてどうだったか、
   また、話し手側としてはどう感じたかをグループ内でアウトプット
   
3 ジブリッシュワーク(14:10~15:40)
 1)And thank you 即興劇
  ■サークルになり、1人が前に出て、ポーズ(ある場面を想像し、ジブリッシュと体全体で表現する)をとる。
  ■次の人はそのポーズに繋がる場面を想像し、またポーズをとる。
  ■繰り返し。交代するとき、必ず「Thank you」と言う。
 2)テーマ当てクイズ
  ■A:与えられたテーマ(人物、場所、状況)をジブリッシュで伝える。
  ■B:Aのテーマを当てる。
 3)昔話桃太郎 ストーリー連想
  ■円になって座り、物語の一部分をジブリッシュで繋いでいく。
 4)ジブリッシュ即興劇 注意読本 五味太郎
  ■グループに分かれて、与えられたテーマを伝える即興劇(ただし、ジブリッシュを使う)を行う。
   (今回のテーマは「注意読本」から出題)
  ■即興劇が何を伝えているのかを当てる。

4 グループワーク 振り返り(15:50~16:30)
  ■ジブリッシュによるコミュニケーションを実践してみて、
   普段の言葉を使ったコミュニケーションとの違いを共有、意識化
  ■何故そのような違いが発生したのかを分析
  ■分析の結果から、今後どのように行動していくか(仮説化)を考察

5 まとめ(16:30~16:50)
  ■振り返りを全体で共有

参加者コメント

・内面のフレームやメンタルモデル的な面、傾聴の姿勢・あり方等のアウトプットに至るとは思わなかった。
・わざと笑うことに違和感があったがほぐれた。コミュニケーション、傾聴の大切さに気付けた。
・「相手にわかってもらって当たり前」との思い込みはNG。
・言葉のありがたさに気付いた。
・聞く側の重要性がよくわかりました。
・ファシリテーターには傾聴の技術が必要。
・「お子さん大歓迎」をもっとアピールしても良いかも!

ファシリテーターふりかえり

 企画時に私が望んでいた通りのものを、各自が持ち帰られたように感じました。今後、傾聴を更に深掘りしたようなコミュニケーション・ワークショップもやってみたくなりました。
 今回は定員20名での開催でしたが、もっと多くの参加者でも可能と判断します。子ども連れを前提にした春休みや夏休みの家族ジブリシュ・ワークショップ開催も面白いかなと思いました。

【追記】
 その後9/8に2h枠で、マレーシアにて現地の方向けに40名参加で実施した笑いヨガのジブリシュ・ワークショップを実施しました。
参加者の約70%が高齢の華人の女性の方で、残り30%がインド系の方でした。さらにシンガポールからも笑いヨガティーチャーの方が参加されました。
 言語は英語がメインでしたが、途中に広東語でゲームを行うなど、多様な状況でワークを行いました。
 ワークショップは非常に盛況で、皆様パワー全開で進行が大変でした。最終的に各グループに分かれ今回実施したように紙に書いてもらいグループで発表して貰いました。

担当者ふりかえり

 ジブリッシュは初めてでしたが、傾聴ワーク等も含めて非常に学びの多い体験でした。参加者の方も傾聴の重要性に気付けたという声が多く、良かったです。
 今回、参加者の中にお子さんが2名おり、その純粋さにひかれ、場の雰囲気が明るくなったことは大いにあったのだろうと感じました。また、お子さんいてくれた(全力でジブリッシュを実践してくれた)ことで、ちょっとした照れや恥じらいがなくなったり、相手の伝えたいことを集中して聴いたというような面もあり、ジブリッシュをより深く体験できたと思います。アンケートにもありましたが、もっと「お子さん大歓迎」をアピールして良い内容だったと思いました。
 また、最後の「振り返り」を初めて担当させていただきましたが、これも個人的に非常に勉強になりました。振り返りの重要性ももちろんですが、その進め方(プロセス)によって結果が変わってくることが感じられ、大きな学びになりました。ありがとうございました。(上野)