第53回:2008年9月6日 「ファシリテーション」ってなあに?九州支部

■タイトル:『ファシリテーション』ってなあに?
■担  当:ファシリテーター/西修さん(関西支部)
            サポートスタッフ/吉田さん、谷口さん、辻優子さん、酒見さん、増田さん、清川
■日  時:2008年9月6日(土) 13時〜17時00分
■場  所:クローバープラザ5F 研修室501
■参加者数:63名(FAJ会員51名/未加入者12名)
■目  的:
 「ファシリテーション」ってなんだろう?
 「場をつくり・引き出し・深め・まとめる」ファシリテーション??
 "つい最近知ったばかりで、まだぜんぜんわからない"
 "いろいろ勉強して経験もしたけれど、もうひとつ腑に落ちない"、
  そんなあなた。2つのキーワードでヒントをつかめるかもしれません。

【キーワード1】『観察』
 話し合いに巻き込まれると「場」は見えなくなってしまいます。
 ファシリテーターに欠くことのできない'観察者の視点'。
 少し話し合いの中心から離れて、「場」を見守ってみましょう。
「場」のエッジからあるいは外から何が見えるのか?
 そこから、きっと多くの学びが得られます。

【キーワード2】『ふりかえり』
 流れていく話し合いの中では、一体何が「起こって」いるのかを見抜くのは大変です。
 ひとりひとりの気づきは断片的なものでも、それをつなぎ合わせることで大きな真実が
 見えてきます。

 
 実際にワークショップを行い、そこで何が「起こった」のか、しっかりと「観察」し
「振り返る」ことで、ファシリテーションとは何かを考えます。
 2005年の関西フォーラム分科会で好評を博し、関西支部で過去3回の再演を経て
 ブラッシュアップを重ね、ついに九州支部へ登場。初心者から上級者まで、それぞれに
 深い気づきを得られるワークになるはずです。


■概  要:
【13:00〜 オリエンテーション(田坂さん)】
 初参加の方に対するFAJの案内と、初参加の方の自己紹介等

【13:15〜 ワークショップの概要説明・アイスブレイク(西さん)】
・西さんからの自己紹介、内容に関する簡単な概要説明後、アイスブレイク。
・アイスブレイクは、言葉を交わさないで今朝の起床時間順に参加者が大きな輪を
  つくった。その輪を利用して、ファシリテーションスキルに大きな偏りが生じな
  いようグループ分けを行った。(7〜8名×7グループ)

【13:30〜 セッション1】
・グループ内で簡単な自己紹介をした後、グループごとに「観察者A」を2名、「観察者B」
  を1名、それぞれ2セッション分(合計6名)決定した。
・セッション1での観察者A・Bだけ会場の隅に集合。スタッフから観察シートが配られ、
 「観察者の心得」として次のような指示が与えられた。
 ?「場」に介入しないこと
 ?内容に入り込まないこと
 ?気持ちを交えないこと
 ?気持ちを見つめること
・「観察者A・B」が各グループに戻った後、グループごとに「日頃の会議などコミュニケー
  ションで感じる『悩み』や『困ったこと』」を話し合い、セッション2で話し合うテーマを
  1つ決めた。
・その間、「観察者A」は対話の内容がわかる位置で、「観察者B」は内容がわからない
  程度の位置から“空気”のような存在となって「場」を観察し、「場」の変化とその
  きっかけを観察シートにメモすることに努めた。
・30分ほどで話し合いとテーマ決めを終えた後、各グループで観察者からの報告(良かった
 発言/良かった態度/こうすれば良かったと思うこと/その他参加者に聞いてみたい
 こと)をもとにして振り返りを行った。

【15:00〜 休憩】

【15:10〜 セッション2】
・セッション2での「観察者A」「観察者B」に対して、セッション1と同様に指示が与えられ、
  その後、各グループごとにセッション1で出されたテーマについて解決策を話し合った。
・その間、セッション1と同じように、観察者A・Bは対話に参加せずに「場」を観察した。
・30分程度で解決策を決めた後、セッション1のときと同じように観察者からの報告をもとに
  グループごとに振り返りを行った。

【16:30〜 個人での振り返りと全体共有】
・ワーク全体を通してどのような気付きがあったか、各人「振り返りシート」に記入した後、
  数名の参加者が全体に向かって感想を述べ、「ファシリテーターなんて必要ないんじゃ
  ないか」という面白い気付きも披露された。


■感  想:
 今回は、ファシリテーターに必要とされる「傾聴」「観察」「質問」「整理」という4つの
  大きなスキルのうち「観察」について考えを深めるためのワークでした。ワーク中、準備ス
  タッフだった私は、スーパーバイザーとしての役割を与えられて「観察者B」と似たような
  視点から全体を観察しましたが、離れた場所から見ているからこそわかる問題点を感じた
  一方で、当然といえば当然ですが、離れた場所からはうかがい知れないことも多く、視点
  の切り替え(または同時に複数の視点を持つこと)の大切さを改めて感じました。
 また、このワークでは、例えば遅刻して来る人がいたり、セッション1と2で対話に参加する
  人が違っていたりという、実際の現場でもあり得るさまざまな要素が「場」に与える影響に
  ついても観察することがでて、大変興味深かったです。
 心残りは、「観察者A」をやってみたかったということと、後日行われた振り返り会に参加
  できなかったことですが、スタッフとして準備段階から参加させていただいたので、テーマ
  の背後にある考え方などを事前に西さんからお伺いすることもできて、大変勉強になりました。
 1月にはまた西さんのワークがあるそうなので、ぜひ参加させていただきたいと思います。
 西さん、皆さん、今回もたくさんの気付きを与えていただき、ありがとうございました!


議事録:清川典康