新潟サロンFanii 2011.7例会報告『熟議ってナニ!?』新潟サロン

■テーマ:「『熟議』ってナニ!? 〜『熟議』におけるファシリテーターの役割を考える〜」
■日 時:2011年7月10日(日)13:30〜16:30
■場 所:新潟市万代市民会館(新潟市中央区)
■ねらい:最近「熟議」という言葉がいろいろな場面で登場している。辞書によると「十分に議論を尽くす」「よくよく相談すること」などとあるが、その実態や活用方法はさまざまである。グループでの話し合いを通じて、「熟議」とは何か、そこではファシリテーターはどのような役割を果たせばよいのかを参加者一人一人が考えてもらいたい。また、討論型意識調査のやり方を紹介し、「熟議」における一つのパターンもお土産にしてもらいたい。
■担当F:吉崎利生さん
■参加者:18名(新潟サロン会員10名、非会員8名(内新規1名))
■内 容
□オリエンテーション(13:30) 7月例会チームメンバー
・ストレッチ体操
・自己紹介ゲーム(「熟議のテーマに参加した理由は?」をネタにできるだけ多くの人と自己紹介しあう。)
・グループ分け(4〜5人の4グループ)
□チェックイン(13:45) 以降、吉崎利生さん
・プログラム構成の説明
□グループでの話し合い1(13:50)
・前提条件なしで「熟議」について話し合ってみる。(15分)
□グループ発表(14:10)
崕狼帖廚妊ぅ瓠璽犬気譴襪海→「成熟」、「凝縮」、複数でワイワイ、堅い、対立を生む、結果を求める、共有、事前準備などなど
◆崕蓮→柿、発酵食品、まろやか、おいしくなる、意見を闘わせる中で角が取れる
「議」→何人かの集まりの中で意見を出し合う、違う視点が出された中で結論が腑に落ちる
「熟」→一人でするもの、「議」→複数でするもの
合わせて、結論を導き出す
し誅世紡个靴道臆端圓賄しく責任を持つ
□グループでの話し合い2(14:20)
・前提条件を「じっくり話し合う場であり、結論を求めない」とする。
・その上で、「話合いを成功に導くために整えるべき条件は何か」を話し合う。(20分)
□グループ発表(14:40)
〇間の制約を受けない。メンバー間の信頼関係、安心感。明確なテーマ設定(興味を持てるようなもの)
顔が見える、リラックスできる(安心感)」、気にしない、相手の話を聴く、話合いの前提条件を理解してもらう、ファシリテーターを置く
A完がいっぱい発言できる、発言した。
各班で視点が違っていた。
□休憩(14:55)
□討議型意識調査のレクチャー(15:10)
・通常の意識調査は、一人一人がじっくり考えて答えたものではない。(ファスト・オピニオン)
・バランスのとれた議論のため、結論を出さず、話合いと考察を進めた後に、アンケート調査を実施する。(ディープ・オピニオン)
・討議の前後の結果を比較する。
・年齢、性別、地域において、統計学的に正しい偏差の15人のグループを構成し、そこにファシリテーター(モデレーター)とレコーダーが入る。レコーダーとは、FGをするのではなく、テープ起こしの参考のため、いつだれがどのような話をしたかを記録しておく役割。
・ファシリテーター(モデレーター)の役割は、バランスのとれた議論を作ることで、何もせず、所在消すこと。
・学びとなるような場が究極の目的である。
□グループでの話し合い3(15:45)
・話し、聴き、考える。決めない会議、的確な情報をもとにバランスのとれた討論する場においてファシリテーターの役割は何か。
□グループ発表(16:10)
‐譴鮖拉曚靴茲Δ箸靴討い訖佑鮖澆瓩襦7設的な意見を促すには?話が回っていれば、ファシリテーターは不要?
▲董璽泙紡个垢訝亮院∋駑舛話里辰討く。話したり、聴いたりしやすい場づくり。ファシリテーターも笑顔。会議のグランドルールを決める。参加している感を持ってもらう工夫。誘導しない。板書しない。
まんべんなく議論させる。
ぞ譴鮨ずる、人を信ずる。当事者意識を保つため、とにかく待つ。介入の判断をする。
□討議型意識調査で指示されたことは(16:20) 
・介入は極力しない。ファシリテーターの話は、全体の5%以内。
・ファシリテーターのスキルは使うな。うなづき、要約もNG
・介入するときは、皆に?が出ているとき
・誘導になるので、参加者と世間話をしない、交流会でも極力を会話しない。
□まとめ(割愛)
■アンケート結果
・新しいファシリテーションの考え方を学ぶことができました。熟議≒決めない会議は参加者にとって学びの場になるという考えは、新しい考えでした。大変勉強になりました。
・ファシリテーション、ファシリテーターというものの考え方を改めて考え直しました。
・「熟議」参考になりました。
・熟議ってなんだろうと思い参加しました。なるほど〜と、新しい情報を得ました。バランスのとれた、参加者の学びにつながる場づくりについてこれからも考えたいと思いました。
・すてきな言葉がたくさんありました。腑に落ちる、角が取れる、なじんで、折り合う気持ち、場の観察、みんなの気持ちを訊きたいオーラ、話す・聴く・考えるのサイクル。職場を良くすることに生かしたいと思います。
・熟議という言葉を初めて聞きました。文字から議論を尽くすのかとも思いましたが、間違いではないけれどもっと奥深いものなのかなと今は感じています。とても楽しく興味深く学ぶことができました。
・ファシリテーションはグループの成長のためにあるというところはとても共感できました。ファシリテーションの魅力も学べるところにとても好感が持てました。
・FGを少し勉強してみたいと思いました。上手に成長して(学んで)いくために、しっかりツールも使える必要があると感じました。今後も続けて参加させていただき、周りに良いフィードバックしていきたいと思います。
・ファシリテーター、FG、発表者の役割とさせていただき、勉強になりました。
・DPという手法を通じて、ファシリテーション、ファシリテーターのあり方について考えさせられました。
・他のグループのFGを見て、様々な工夫があるものだと感じました。
・このような会の運営、進め方自体も大変勉強になります。
・非常に考えさせられることが多い内容・・・・学びでした。ファシリテーションに対する考え方が根底から変化する衝撃を受けました。
・熟議とは、個人の学びの場を作る、討論する場、う〜ん“場”なんだぁ。勉強になりました。
・初めて聞くDP、勉強になりました。参加者の学びが目的というのは面白かった。意識調査の手法としても、信頼できる情報を得られそうなので、有益と思う。自分自身のスタンスも大事とよくわかった。
■担当ファシリテーターの感想
今回の例会は、新潟サロン初の「ダイアローグ」をテーマにしたものとなりました。企画のベースには、私自身が「慶應DP」(FAJファシ活事業)にモデレーターの一員として参加したことがあり、「熟議」の現場で感じた衝撃と感動を分かち合うことを目的にしたものです。
かなり抽象的なテーマにも関わらず、参加者の皆様には最後まで集中してご参加いただきました。思えば例会の数時間は、熟議とファシリテーターの役割を考察する「熟議の場」になったと感じております。
ありがとうございます。