新潟サロンFanii 2012.7例会報告『会議の極意Part.3』新潟サロン

日本ファシリテーション協会(FAJ)新潟サロンFanii
2012年度第3回例会『会議の極意Part.3』報告
■テーマ:会議の極意Part.3 フレームワーク練習編〜枠にはめて考えてみよう〜
■日 時:平成24年7月28日(土)13:00〜16:30
■場 所:新潟市万代市民会館(アルザにいがた)302会議室
■ねらい:フレームワークは知っていても、どんな時にどんなフレームを使ったらよいか、なかなか判断が難しいところです。議案について、意思決定までのプロセスの設計と円滑に進めるためのフレームワークの選択をしてみます。そこになにか極意はあるのか、体験から学びを深めます。
■担当F:田中 (新潟サロンFanii運営メンバー)
■参加者:25名(会員11名) ※運営スタッフ8名含む。
■例会担当:田中・清水・井上
■内 容
【事前レクチャー(参加者11名)】
ファシリテーションとは・FAJについて・用語解説・その他の初心者向けのレクチャーを実施。(担当:清水)
【チェックイン(グループ分け)・アイスブレイク】
睡眠時間の長い順番に並んでみよう。(バースデーサークルのアレンジで5つにグループ分け)
各グループ内で自己紹介。
【レクチャー】
フレームの種類を知る。(分割型・ツリー型・円型・フロー型など)
【ワーク】
議論のプロセスとフレームを結び付ける。
議案『佐渡の観光客を増やす方法を一つ企画する』
・この議案で意思決定をするためのプロセス及び使用するフレームをグループで考える。
・決定したプロセスを進める『進行役』を各グループ1名選任。
各グループに『進行役』1名を残して全グループメンバーチェンジ。(ワールドカフェのアレンジ)
・各グループの『進行役』が決まったとおりのプロセス及びフレームで議論を進める。
・合意形成できなかった場合の『最終意思決定者』を決めておく。
・決定した『最終意思決定者』は中立的立場で参加する必要はない。
・各グループの『進行役』以外のメンバーは、原則『進行役』のプロセスに従う。
・各グループから『佐渡の観光客を増やす』企画案を発表する。
【議論の振り返り】
各グループで議論の振り返りを実施する。
・意思決定の決め手はなにか、迷った点はなにか。
・『進行役』が進めたプロセスとフレームで議論しやすかったかどうか。
【プロセスとフレームの検証】
全員が『進行役』のいる(プロセス及びフレームを決めた)テーブルに戻る。
・『進行役』から議論の振り返りの内容を報告。
・他のプロセス及びフレームの活用は考えられるか話し合う。
【極意を考える】
各グループで『極意』はなにかダイアログ。
・スムーズに議論を進めるために、有効な『フレームを決めるポイント』はなにか考える。
・グループ内での意見を発表、全体で共有。
【意図開き】
メインFより『ファシリテーター』ではなく、あえて『進行役』とした意図を説明。
・決められたプロセスやフレームだけによって進めるだけの役割であるため『進行役』とした。
・『ファシリテーター』は状況や参加メンバーに応じてプロセスやフレームを臨機応変に見直す。
・そのために『ファシリテーター』はフレームの性質を知り、さまざまな場面の経験を広げていくことも重要。
■アンケート
【あなたがファシリテーションを勉強しようと思ったきっかけは何ですか?】
・コミュニケーションの改善。
・FBで誘っていただいた。
・仕事に役立つと思った。(ビジネス系)
・素人のファシリテーターだった。
・大学の授業や会議などで進行を任された時、どうしたらもう少しうまく進行できるか考えていたため。
・仕事を進める上で必要だと思ったから。しかし、沢山の出会いや気づきをいただける場として楽しんでいます。
・仕事(行政)のまちづくり会議で企画を担当するようになったから。ぜひ自分の地域(三条市)でも例会をしていただきたいです。
・ファシリテーターとして実践をしなければならず、学びを深めたかった。
・話し合いの活性化、意見を出せる話し合いにしたいという思い。次世代へ繋ぐ架け橋になりたい。
・意見を発散させ収束させる場面があり、スキルを学びたいと思いました。
・納得感が持てない会議、決め方をNPOはじめたくさん経験してきたので。
・市民活動に活用したい。
・興味があったため。講座を企画運営しているので役立つと思いました。
・仕事で使います。
・自社の会議やミーティング等で活用したいと思った。
【今日のセッションで何か気づきはありましたか?】
・方法がさまざまであり、自分の関わっているところに合うフレームのパターンを持っていきたいと思った。
・佐渡市のことを知らないことに気づきました。発散は楽しい、しかし収束は難しいですね!
・今回も田中さんに『はめられて』しまった。はじめからガチガチにフレームを決めてからスタートするなんて無理なんですね!プンプン!
・いろいろな考え方や発言をするメンバーの中で進行役をする、大変良い機会をいただきました。友好的でない人、思いもしないアイディアを出す人、アイディア同士を組み合わせるのが上手な人。メンバーの様々な個性を引き出して、みんながビックリするようなものができあがるのが、とても楽しかったです。
・フレームワークは多用すると枠にとらわれる。だけど決定期に使用すると効果的。
・自由に自分の意見を出せることが、その後の目標設定や実施計画に早く結びついていくように思いました。しかしそれにはファシリテーターの役割が重要だと思います。今日はありがとうございました、楽しかったです!
・フレームワークの種類の豊富さに驚いた。プロセスにあったフレームというのがあるのだと知りました。
・意見を発散するプロセスの大切さ。そして収束へ向かう時にどういうフレームを使っていくかが難しい、できるようになりたい!グループが同じだった方々の意欲にビックリ!楽しかったです。みなさんとの出会いにでした!話す、意見を出す、そしてみんなで立ち止まって眺めることも重要だなと。
・40分でいくつものフレームを使用して議論を進めるのは無理があると思われたが、どのようなことを話し合う時にどのフレームを使うとよいか、引き出しを持つことができた。フレームワークを使うことで意見を整理し、視覚的に問題を整理するのに有効。場の雰囲気や話し合いの内容に応じて、適切なフレームを使って会議を進められるようになれたらと思いました。
・気づきだらけでした!発散と収束について意識するようになりました。周りが話せる方ばかりだったので、自分はほとんど話すことができませんでした。会話のテンポについていけなかったというか。。。目標設定、ルールの周知、大切ですね。難しかったです、でも楽しかったです!
・初めて参加させていただきました、新鮮な体験でした。普段は学生のグループワークなどを企画・実施していますが、目的はメンバーの自己理解・他者理解を深めることなので、最終的に何か結論を出すことは少ないです。今回のように企画案を作り上げる、一定の結論を出すということに不慣れな自分がいることに気づきました。課題として考えてみたいと思います。
・頭で理解していても、それを実践するのは難しかったです。
・フレームワークを使ったグループワークは大変勉強になりました。
・会議でのフレームワークを初めて体験しました。ありがとうございました。
・遅くなってしまったのでフレームワークの使い方をあまり理解しないままの参加であったが、周りの方々のお陰で多少理解できた。(どのフレームを使うか(発散・収束それぞれ)、どのような言葉を入れるか、付箋の使い方。)効果的に会議を進めていくためには、必要な事前準備として活用できると感じました。ありがとうございました。
・新潟の人は優しい。
【あなたがファシリテーションを活用している、またはしようとしている場は?】
・企業(ビジネス系) 38%
・NPOまちづくり系 25%
・行政系 12%
・教育(学校・社会・国際系) 19%
・医療福祉系 6%
【この例会を知ったのは、いずれの媒体から?】
Faniiからのメール 30%
知り合いからの口コミ 21%
Faniiブログ 21%
FAJ・Faniiホームページ 14%
FaceBook 14%
【担当Fからのコメント】
与えられたフレームを使って議論を進めてみるワークはこれまでも多々ありましたが、実際に自分自身がファシリテーターになった時には、どんな時にどのようなフレームワークを使うと良いのかが、悩むところでした。どのようなフレームを使うかによってプロセスも変わるし、プロセスを円滑に進めるために適当なフレームを選ばなければなりません。そのためには、自分の中にフレームワークの引き出しを持つ必要があります。今回は、一生懸命悩み、選んだフレームワークが実際に思ったように機能するのか、機能しないとしたらどこに問題があるのか、この体験を通して一つでもフレームワークの引き出しを持ってもらえたらと思います。
ただ、ワークの40分の時間制限は厳しかったようです。また、県外からの参加者には「佐渡」の様子が分らず、議論に参加しづらい点があったようです。佐渡を知らない人がいるからこそ発見できる問題もあることをワーク前に一言申し添えればよかったかな、思います。
皆さんが熱意を持って真剣に取り組んで下さったことに感謝いたします。
以上です、最後までお読みいただきありがとうございました。