2016年2月13日(土) 関西支部イベント 分科会05関西支部

このページは、2016年2月13日に開催した関西支部イベント 分科会のレポートです。

分科会 05 / 合意形成の流れをフレームワークとして捉える

フレームワークは人間が考え事や話し合いをするときのガイドとして役立つものだと思っています。フレームワークのおかげで、いちいちゼロから考えなくて済むわけですね。そういう意味で「市場・競合・自社」のように考える観点を与えてくれるフレームワークもある一方、考える順番を示してくれるものもフレームワークと言えるでしょう。この分科会では、合意形成の話し合いにおいて、結論にたどり着くまでの長いステップをフレームワークと捉え、それを自分たちの話し合いにあつらえ直して適用できるように練習を積みましょう。「ちゃんと皆で合意できた!」と言える話し合いが少しでも増えますように。

加藤 彰(かとう・あきら)

?日本総合研究所総合研究部門 ヘルスケアイノベーショングループ シニアマネジャー NPO法人 日本ファシリテーション協会フェロー 京都大学大学院工学研究科修了。?デンソーにて半導体研究従事後、?日本総合研究所にて経営コンサルティングに従事し、日々の業務でファシリテーションを活用している。主にヘルスケア分野において、企業の戦略策定、業務再構築、新規事業開発、人材育成に関わっている。

プログラム概要

【参加人数】 参加者14名+ファシリテーター1名+実行委員スタッフ1名(合計:16名)

いくつかの話し合いの場面をどのようなフレームでワークを捉えるかにより、話し合いの流れを合意形成しやすくなるとするものである。
1. アイスブレーク
2. 【レクチャー】
フレームワークには「観点」「構図」「手順」の3種類がある。本分科会では手順をとりあげたい。
手順のフレームワークの一例としては、問題解決の手順がある:What→Where→Why→How
今日は合意形成の手順のフレークワークを頭と身体に叩き込んでいただきたい
合意形成の手順は:前提共有→意見共有→共通点合意→選択肢拡大→最終合意
3. ワーク(事例)
◎フレームワークの事例をシートで配布
1.フレームワークを使ってみよう(1)
一か月後このメンバーが再会する会合について
2.フレームワークを使ってみよう(2)
対立解消型合意形成の流れをファシリテーターと対立する役割を持つメンバーでの話し合いを進める中で、フレームワークを体感する
・根拠・背景を挙げられてもそのすべてが大事は限らない
・対立する人の考えを出し切ることが大事→可視化が大切
・対立の中で、どうしても譲れないものを確認し、それをどう解決するかに集中して考える

ファシリテーター所感

・ミーティング体験を3回やろうと予定していましたが、1回目の体験から各グループ熱が入りましたので思い切って2回に削り、時間に余裕を持たせることにしました。ふりかえりの中で、私が気づいていただきたかった点(たとえば「しっかり皆の言い分を引き出す」とか)が数多く出ていてほっとした次第です。
・あらためて、手順に沿ったうまいファシリテーション・グラフィックの使い方ってあるよなあと実感しておりました(今回はそこがポイントではないので黙っていましたが)。
・いつものことですが、演習問題の作り方が難しいと思っています。手順を意識して進めれば誰がやってもだいたいすっきり決着がつく(でも、手順を意識しないとそうはいかない)という演習をご用意できたらといつも思っているのですが。

参加者のコメント

・対立を作り出す経過を体験することで対立の重要性とそれのコントロールの難しさを感じた
・板書との関連性を持ったファシリテーションが難しい
・板書してもらえることで、分類もされる。板書のフレームワークが大切と思った
・共通点合意で何かの点について、どんな判断基準を置くかの難しさを感じた
・メンバーがある程度合意形成できているのに、ファシリテーターだけが、合意できていないという感情が湧き、苦しんだ
・ファシリテーターとして、メンバーの進め方持つ不安感をどう扱うか悩んだ
加藤:堀さんは、冒頭の25分くらい取って思いきりしゃべらせてみせる方法も取っている

記録者所感

・加藤さんからのフレームワークを使うことで、対立点が見えてきて、この場で何をすべきかが見えてきました。
・3チームあったが、それぞれにタイプの違う進め方をみることができました。各々準備の仕方、板書やどこに重点を置くかによって、流れが異なることを観ることができました。
・加藤さんのビジネスの現場で会議がうまく進まないことと日々戦っている実践ノウハウと思いが伝わってくる時間でした。

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