2022年 11月26日(土)
オンライン
福島正人(合同会社夢をカナエル代表社員、FAJ会員)
前田卓也(FAJ会員)
28名
【本テーマの主目的・検証したかったこと】
・オンライン(Zoom)でのコンセンサスゲームの有効性。過去15年以上(2007年6月~)行ってきたリアル会場でのコンセンサスゲームとの比較。
【主目的・検証したかったことについての実施結果】
・オンライン(Zoom)でも、コンセンサスゲームの学習効果は十分得られた。
・リアル会場実施時との大きな違いは、グループワーク(ブレイクアウトルーム)時に、他グループの様子が直接見られないこと。他のグループの手法を真似したり、進捗の遅れをキャッチアップしたりすることが難しく、グループによってワーク結果に差が出やすい。
・リアル会場では、グループワーク時間の調整(10分間延長など)は容易だが、オンラインでは初期設定したワーク時間を変更しづらい。よって、オンラインでコンセンサスゲームを実施する場合は、ワーク時間の適切な設定(ある程度余裕を持った時間設定)が必要になる。
・オンライン実施のメリットは、オンラインツールを活用できる(活用しやすい)こと。今回はグーグルフォームやグーグルスプレッドシートを活用した。例えば「振り返りワーク(学び・気づきの共有)」では、個々人の気づきをグーグルフォームで入力し、入力した結果を参加者全員で共有できた。
【実施内容】
コンセンサスゲームを2回行った。コンセンサスゲームとは、他者と合意形成(コンセンサス)を行う演習。お互いの考え方の違い、判断基準の違いなどを理解し、合意形成を進めていく。今回は、合同会社夢をカナエル(https://yume.main.jp)のコンセンサスストーリー「営業マン危機一髪」と「ある休日の出来事」を使用した。
<コンセンサスゲーム ストーリーシート(抜粋)>:
【プログラム】プログラムは下記の通り。
【参加者の声】
<コンセンサスゲーム1「営業マン危機一髪」後の感想・気づき(抜粋)>
・自分の価値観が正しいとは限らないこと。人によって受け止め方、感じ方が違うので、押しつけてはいけない事が分かった。会社でも納得してない人が会議でよく見られるが、こういう事かと実感した。
・それぞれの意見をみんなしっかりと聞いてくれたうえで、自身の意見が言えたことはよい場であったと思う。
・他の人の意見を聞くことにより、今まで気づかなかった視点で考えることができた。人それぞれ大事にしていることがわかり興味深かった。
・皆さんの意見を聞いて、考えて、自分の見え方や捉え方が変わる過程が面白かったです。これが皆さんとお話する醍醐味だなと感じました。
・いろんな切り口があってとても楽しかった。とくに他のルームのシートを見るのも参考になった。
・どのような基準で決めていくか、を考え共有していくことは大切だと思いました。
<コンセンサスゲーム2「ある休日の出来事」後の感想・気づき(抜粋)>
・どんな意見でも言っても大丈夫だと思える心理的安全性を作ることが納得感の前提となる。
・合意形成に必要な判断基準の設定。これが重要と感じた。どうしても自分軸で考えてしまっていた所があり、それでは合意は得られない事に気づいた。会社で実践し気をつける。
・話をして今まで気づかなかった視点に気づけたのが良かった。いろいろな考え方を通して人それぞれの価値観を感じることができた。十分に話あえたので、合意形成に納得感があった。
・評価軸をどうするのか合意してから、議論を進めないと、なかなか決まらないと感じた。議論の過程で異なる意見が多い方が議論も深まる。評価軸が決まった中での順番の決定は、不思議と納得感も大きいと感じた。
・2回目のゲームでは、1回目の経験や反省を生かした議論を進めることができたと思います。設定の内容のとらえ方や価値観の違いがあるので、合意形成は非常に難しいですが、こうした経験を積むことでお互いの理解もはかれるのかなと思いました。
・価値観がバラバラな中、評価軸を決めることとざっくりとしたプロセスを決めておくと合意に至りやすく感じた。
・合意形成に至るには、ある何らかの基準を出し、その一つ一つを丁寧に議論していくことが大事だと感じました。
・基準の分岐点や文章に書かれていない部分について仮設定を考えて、共有して土台を整えることが大切だと感じた。
・人の評価軸を聞くと、自分と(順位が)違っているほど、面白かった。
・皆で、まず順位をつける軸を決めたり、お互いの価値観を尊重したり、設問に明記されている事実だけに基づいて議論する事、「自分の」意見ではなく、評価軸に対して合うか合わないかで話し合う事が大切だと思いました。
【アンケート結果(5段階評価)】
福島正人(合同会社夢をカナエル代表社員、FAJ会員)
2022/12/10