2022年5月定例会レポート4『「気候危機を考える」難しいテーマをやってみるシリーズ』東京支部

調査研究:東京支部 2022年5月度定例会

テーマ

開催日

2022年 5月28 日(土)

会 場

オンライン

講師・ファシリテーター

田代 翼、大島 正子

企画運営担当

大島 正子、田代 翼、木多 弘之 (全員FAJ会員、東京支部)

参加者数(会員)

7名

一般・見学者数

0名

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

【※本テーマの主目的・検証したかったこと】
気候変動という、知識差が大きく、複雑にからみあっていて、様々な意見があるような、話し合いにくいテーマについて、各参加者が「気候変動についてこのままではいけないという認識が高まり、自分事で考えられるようになる」ことを目指した話し合いの場では、どのような話し合い方の工夫ができるのか、試してみた。具体的には、3種類のよくある意見の立場になりきって意見を話してみてもらった後、自分自身の意見はどうなのか、を考えてみてもらった。また、具体的に何をすべきかを学ぶ場ではなく、気候危機について考えてもらう機会とし、関心を高めてもらう、ことに主眼を置いた。

【※主目的・検証したかったことについての実施結果】
アンケート結果を見ると、関心を高めることについては、概ね成功したと言える。2名だけは特に変わらない、という答えだったが、それは既に高い関心を持ち行動している人々だった。異なる視点で考えてみること、他人の意見も聞く機会となったことが効果をあげたと思われる。

【※実施内容(非参加者にもわかるように)】
まず気候変動の現状や最近の動向について30分の話題提供を聞いてもらってから、それに対する3種類の立場になりきってグループで意見を話してみてもらった。
1)気候危機に関心高い積極行動派
2)気候危機を認識して いるが傍観派
3)気候変動対策に消極派
様々な立場で、どのような発言になるかを感じた上で、自分自身は、冒頭の話題提供の話に対してどう思ったかをグループで話してもらった。
その後、気候危機に対して、どんな「問い」が浮かんだか、をグループで話し合ってもらった。
最後に、本企画についての企画者の意図明かしをし、参加者からKPTを出してもらった。

【参加者の声】
・  短時間で立場を変えて、意見を出すのは、おたがいの立場を考える意味で面白い。
・  最初に話題提供をしてもらった点は良かった。現在の状況がわかりやすく理解でき、環境危機という壮大かつ複雑なテーマを話すに当たっての出発点となった。
・  気候変動について関心ありましたが、参加してより視点が広がり、より深く考えるようになった。きちんと事実を認識できたこと、いろいろな役割を演じることで気づきがあったこと、いろいろな方々からの意見を聞くことができたことが役立った。
・  立場ごとに発言するようにとのやり方がよくわからなかった。役割を演じるのに精いっぱいだった。もう少し話し合いの時間が長ければ、なぜそのような感想を述べるか、という背景まで話し合えただろう。
・  最初からこの3つの立場で話してもらう、ということを伝えても良かったのではないか。2番目と3番目の役割が似ていた。
・  気候危機に対する「問い」を考えるのは難しかった。「問い」にならなかった。
・  時間のバランスを良くすれば、目的のワークで深堀ができたのではないか。
・  知識が必要な議論なので、前段階で異なる立場の人々の情報もあったら良かった。

【企画側の気づき】
・ 3つの立場で話してもらうのは、様々な気付きを短時間に得てもらうことができ、効果的だった。
・ ただ、3つの立場で話してもらうのであれば、最初の話題提供の中にヒントを含めておくのが良いだろう。ただ、30分ではそこまでは含めることは困難なので、話題提供のあり方は、分割しながら提供することも含め、検討するとよいだろう。
・ 最後に問いを出してもらって「話し合い」の場面は終了としたが、フィードバックすることにより一層理解を深めてもらえる内容も多かったので、気候危機に対する関心を高めるためには、話題提供者からのフィードバックや話題提供者とのディスカッションタイムを設けるともっと効果的だったかもしれない。

【アンケート】
Q1. 本テーマの満足度 平均点:  4.1
Q2. ファシリテーション・進行について: 3.9
Q3. プログラムの構成、内容について: 4.0
Q4. 気候変動問題に対するあなたの考え方や視点は変わりましたか?その理由とともに教えてください。
・  従来から関心を持ちワークショップなどを開催しているので基本的には変わらない
・  異なる立場の人の意見を考えてみるのが、視点を変えるのに役立ちました。
・  考え方自体は変わらないが(危機は認識しているが、個人として具体的にどうしたらよいか、明確でない)、より自分事として積極的に関わっていこうという気持ちは強くなった。
・  あまり変わらなかった→理由:今の時点で、やれることはやっていると思うから

報告者

大島 正子、田代 翼、木多 弘之 (全員FAJ会員、東京支部)

報告日

2022/6/14