2023年3月定例会レポート 2『言語学の概念を借りてリフレーミングに挑戦』東京支部

調査研究:東京支部 2023年3月度定例会

テーマ  言語学の概念を借りてリフレーミングに挑戦

開催日

2023年 3月 25日(土)

会 場

葛飾シンフォニーヒルズ  メヌエット

講師・ファシリテーター

小谷真司(FAJ会員、セミナー委員会)

企画運営担当

小谷真司(FAJ会員、セミナー委員会)

参加者数(会員)

9名

一般・見学者数

1名

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

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【※本テーマの主目的・検証したかったこと】
 対立解消や合意形成に役立つリフレーミングのスキルを使いやすくするために、言語学の概念を援用した"EticとEmic"という物事の理解、把握の仕方のフレームがリフレーミングに役立つメタフレームとして活用できそうかを検証する。

【※実施内容(非参加者にもわかるように)】
 言語学の音声分析分野の手法として、言語を問わず発音を外部から客観的基準を用いて把握する"Phonemics"と特定言語に現れる発音の単位である音素やその集合を抽象的概念として体系的に把握する音韻論"Phonemics"があり、その手法の違いを言語学以外にも適用できる拡張概念として"EticとEmic"が提唱されている。
 この"EticとEmic"という概念を意識することで、リフレーミングを行いやすくできるかをテーマに、レクチャーとグループワークを繰り返し評価・検証した。
事象を客観的判断基準で把握・分類している"Etic"的な態度をとっていると考えていても実態は特定のコミュニティの物語を共有してその主観的な見方で把握・分類する"Emic"的な態度であることに気づいたり、特定言語の"Phonemics"が発声方法の歴史的変遷に影響されて生まれている事例を引いて"Emic"が特定のコミュニティの新式が時代の変化に適応できず外部とギャップができているのだと気づいたり、といった事例やその際にリフレーミングに有効な問いについてグループで話し合い、仮設の有効性を検討した。

【企画側の気づき】 
グループワークの結果、"EticとEmic"という概念は基本的にはリフレーミングに有効であると検証できた。
一方、"EticとEmic"というフレームを意識して対話することを十分意識するようにガイダンスしなければ、グループによってはリフレーミングのメタフレームとして活用できないケースが見られたため、"EticとEmic"について十分な意識づけが必要であることが結論付けられた。

【参加者の感想】
・リフレーミング自体初めてだったがよく理解できた
・("Emic"に基づいたそのコミュニティの)物語に気づくことがリフレーミングには大切だと感じた
・外部から見る/内部から見る、客観/主観といった観点がリフレーミングに有効だった
・相手のリフレーミングを促すには、自身の行動ベースでどうしているかを質問することが有効ではないかと思った。

報告者

小谷真司、大石寿宏(以上FAJ会員)

報告日

2023/4/23