2004年度09月定例会 ファシリテーションとシナリオライティング東京支部

第11回東京地区研究会議事録

■日 時:2004年9月25日(土)14:00〜17:30
■場 所:日本経営協会 研修室 
■参加者:約50名(うち見学2名)
■講 師:中西真人氏(M&Rコンサルティング 代表)
■テーマ:「ファシリテーションとシナリオライティング」
■ファシリテータ:
    MF:尾村 SF:大川
    AF:山崎、鍵谷、上田、山下、伊藤、神山、三谷(敬称略:順不同)
■グループワークテーマ
  ・テーマ1 顧客満足(CS)とは?
  ・テーマ2 システム利用部門からの苦情を減らすには?
  ・テーマ3 上司と部下のコミュニケーション活性化
  ・テーマ4 組織横断的プロジェクトチームの運営
  ・テーマ5 大学生の興味を引く授業1コマをつくる。
  ・テーマ6 旧住民と新住民のコミュニケーションを確立する
■<概要>
●オープニング
尾村MFより中西さんの紹介、本日のスケジュール説明があった後、アイスブレークを 兼ねて本日の参加者の参加回数や○○系を挙手で確認した。

●中西さんのレクチャー
[ご挨拶&趣旨]
  ・だいぶ前に入会したが、今日はじめての参加であり少々緊張している。
  ・日頃何の準備もしないで会議を開催する人がいるが、集まってきた人に対して失礼であり、疑問に思っていた.まずシナリオをつくって、そのとおりになくても成果を最大にするようリードできるかという事が大切であると日ごろ思っている。
  ・今日はいろいろなテーマで会議運営のためのシナリオを作っていただく。

[シナリオとは]
  ・一言で言えば会議のタイムテーブルを作ることである。
  ・ゴールをセッティングしてもらう。想定する会議での目的である。
  ・次にどのゴールに向けて会議を設計していく。流れを作るのであって中身を仕切ってはいけない。

<このあと中西さんの経験として某銀行におけるご自分の体験をお話になられた。>

●グループワーク作業
<尾村MFより、作業の進め方/時間配分の説明の後、作業を開始した。背景やゴールの設定に議論が沸騰し、当初より10分作業時間を追加してようやくまとめることができた。>

●グループワーク発表&コメント(順番は発表順)
【テーマ1 顧客満足(CS)とは?】

設定:合併した企業でCSが低下した。どうすれば改善するか、原因を探る会議
<振り返り> 単に参加者の共有だけではビジネスではないなと思いました。
<中西さんのコメント>
・いいところはゴールの明確化。グループワークの開始前の短い時間によく設定をま とめられた事もすばらしい。
・改善点は、現状報告などの資料があれば事前に配布すべき。またヒアリングの結果 を元にどう展開するのかファシリテータが事前に叩き案を持っておくべきであった。
・他のチームにも言えることだが、コンテンツに沸騰しないこと。全員がファシリテータのはず。参加者になりきってはいけない。

【テーマ3 上司と部下のコミュニケーション活性化】
設定:上司が赴任してきて4年経つが部下とのコミュニケーションがよくない。その ための会議(+泡の会)
<中西さんのコメント>
・いいところ チックインの設定、場つくり
・改善点は手法をKJ法としているが、もう4年も経過しているのならばもう少し凝ってみても良い。
・1時間の発散の過程が15分で終わってしまったときのために対策案を事前に用意すべき。

【No4 組織横断的プロジェクトの運営】
設定:プロジェクトのキックオフミーティング ゴール 危機感の共有と当事者意識 の熟成
<中西さんのコメント>
・危機感の共有とあるが、ばらばらであると後が続かない。その辺をどのようにファシリテートしていくのか詰める必要がある。

【テーマ2 システム利用部門からの苦情を減らすには?】
設定 利用部門/システム部門代表を集めてキックオフミーティング
<中西さんのコメント>
・ゴールのイメージがはっきりしている。シナリオがしっかりしているときにはファ シリテートはやわらかく行った方が参加者意識の熟成には良い。

【テーマ5 大学生の興味を引く授業1コマをつくる。】
設定 大学の先生が大学生に対して、「小学生を教えるときのやり方」の特別授業
  主体性を育む、小学生の立場にたった授業。理論と実践の両立、専門的な話をわかりやすくする教師の有り方。
<中西さんのコメント>
・ポストイットの中に中身があればひとつの形にはなっている。
・小学生の興味を引く授業、その後また大学生の興味を引く授業。二つのゴールを達成する必要があり、分けてファシリテートすることを考えればよかったと思う。

【No6 旧住民と新住民のコミュニケーションを確立する.】
設定 新旧住民の融和を図るプロジェクト。ゴールは「町つくりのリズムを創る」
<中西さんのコメント>
・良い所 最初にアイスブレークの設定 最後に今後のことを考えること。
・改善点は初回からお互いの不満を述べる事を想定していること。次回以降に廻すべき

●中西さんの全体振り返り
? 気が付いてもらうことと共有化
  皆さんが背景にこだわってしまったことは意外であった。決め付けるのではなく、引き出していく。プロジェクトもそう。何でプロジェクトをやっているの、何で集まっているの、なんになるのという事を決め付けるのではなく、引き出してほしかった。ファシリテータは決め付けを行ってはいけない。ワークショップの中で気が付いてもらうのが共有化である。

? ゴールの明確化について
なるべく明確なゴールを作っていく必要がある会議が終わったときに参加した人がどういう状態で帰っていってもらえますか、それを最初に思い描いていただくことで、場の設定なり、次回に持ち越す項目なりが導き出される。

? シナリオの検証
シナリオが終わったときにゴールが達成できるのかどうかでチェックできる。 ゴールとシナリオを常に持っておく必要がある。プロセスを確立するためには。ファシリテータはメンバと一緒に脱線してはいけない。どんな風なゴールを目指して、どんなファシリテーションをするのかを決める。中身の議論は参加者に任せればいい。

中西さん こんな感じで議論が進んでいきます
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