2009年度10月定例会 4.感覚・感性を磨く自己表現型ワークショップを体験してみよう東京支部

2009年東京支部10月定例会 テーマ4 
『感覚・感性を磨く自己表現型ワークショップを体験してみよう』

●会場
目黒区 青少年プラザ

●企画チーム
大沢珠己、小藤輝正、叶陽介(以上、FAJ会員)

●話題提供者
叶雄大さん(特定非営利活動法人アートインライフ)非会員

●参加人数
28人(非会員2名含む)

●概要

13:30 あいさつ
講師 ドラマ教育の専門家で俳優の叶雄大さんをお招きして、
ファシリテーターとして自己表現のレベルアップ&意識改革
を目指し、+一歩魅力的な自分になるためのワークであること。
など。

13:35 講師 あいさつ〜アイスブレイク
・ジャンケンゲーム
?自分の手を声にして雄大さんとジャンケン
?雄大さんと後だしジャンケン
(アイコねらい→勝ちねらい→負けねらい)
?相手の出したものを言う。ただしアイコのとき
は「アイコ」という。
?空いている手で出ていないものを出す。
?アイコで仲間になる。全体が一つになるまで。
・名前呼びゲーム
?輪になって自分の名前を言って隣の人へ素早く回す。
誰が方向転換しても良い。
?誰かを指差して自分の名前を投げる。
投げられた人が同じことを行う。
?相手を指差して相手の名前を言う。
途中、プレーヤーを増やし動線を複数にして行く。

14:05 ワーク1 《基本的な活動の流れ》
a)
・二人組みになって講師の指示する体の部分をくっ付ける。
手のひら→手のひらと膝→手のひらと膝と肩、とだんだん増やしていく。
・四人組になって同様のことを行う。
・半分のチームが鑑賞側になり、「日曜日」というテーマで四人組のオブ
ジェになる。半分チームも同様に行う。

      b)
・目を閉じて講師の出し音を聞き、音の方向を指差す。
・講師の出す音に似ている何かを想像する。似た音のある景色、場所を想
像する。
カーテンを引く音・・・波の音→どこ→砂浜→いつ→午前中、など。
(同じ音を聞いて他に)占いの筮竹→街頭→待っている人がイライラ
している
スキーですべっている
自分の居間のレースのカーテンを引く音
竹林に風がぬける音
へびが海辺にいる
スーパーのレジ袋でたてた音・・・線香花火、大勢の人、子供たちも、
巨大な線香花火の映像
ポップコーンを焼いている
洗濯物をはたきながら干している
四国のおばあちゃんがうどんを打っている
台風一過、電柱のパネルがはためいている
(他に、打ち上げ花火・鳥の大群・ビニール傘の水滴落としなど多数)
c)
・講師の出す音を聞いて、サウンドストーリーを作る
「窓を荒く開け閉めする+プロッキーを床にころがす+壁を打ったり
こすったり+折りたたみ椅子をカタカタ、荒くたたんで戻す音」
これらを聞いた参加者のストーリー
・少女が隠れている。軍服を着たイギリス人がいる。ヘリが飛んできて軍
服仲間が増える。セレモニーを始める。椅子が足りない。
・真夜中にドアをしつこく叩く音。あわてて起きると何かを蹴飛ばしてし
まう。コロコロ。犬のオモチャか。夫が室内履きをキュッキュと言わせ
て起きてきた。寝ぼけて椅子を畳んだり。
(など、他いろいろ)

14:50〜15:00 (休憩)

15:00 ワーク2 《発展的な活動の流れ》
a)
・Yes and ○○、NO and ○○
二人組みになって明日の予定の提案を一つあげ、「いいですね〜。」
+提案でやりとりする。
また、「え〜、そうじゃなくて」+提案でやりとり。
相手を代えて、鍋の話題でYes and ○○。

       全ペアが展開を発表。
b)
・声かけ
5人グループになって、1グループずつ前に出る。
後ろ向きに座った4人に向かって一人が「おはよう」と声をかける。
受け側は、自分に言われていると思ったら手を上げる。
全員が声かけ役を体験する。

       一度に4人全員に手をあげさせられたのはオンリー1人。
c)
・みんなで造る一枚の絵
輪になって、連想しながら白いキャンパスに絵をかいていく。
ひとりずつ順番に加えて一周する。
マネキン+高層ビル+ショーウィンドウ+紅白縞の水着+パラソル+
マネキンのような女の子+砂浜+不自然な笑いの男のマネキンの手に赤
いバラ+女の子の後ろにお母さん+道行くOL+道に落ち葉+空に満月+
ウィンドウにSALEのポップ+おでんの屋台+隣はジュエリー店+結婚式
姿の男女のマネキン+タオルを巻いた建設作業員・・・

16:00 5人グループで振り返り

16:20 グループ発表・共有、講師による解説(アンケート用紙配布)
・自分の発想のパターン、くせを知った。
・自己表現、感性は言葉の受け止め方にかかわる。
・ファシリテーターのスキルアップではない。
・自分自身を豊かにしたい。豊かな人がFをすることは大事。
・声、体、頭とも、スイッチが入らないと動かない。
・声で人を捕まえることができる。
・大勢に向かって話すことは難しい。意識することが大事。
・ネタ出しは必要。

      講師より

・「学び」のためには、振り返りが「感想」にならないように。

→自分が感じたこと、他者が感じたことを共有することで学びに繋がる。
・コミュニケーション能力を高めるには、感覚・感性を磨くこと。
五感を改めて発見すること。
感覚力の経験値を積んで、積み上げて感性が磨かれる。

       自己の感覚力の発見→自信を持つ→日常で感覚力を意識→

       さらに感覚力が磨かれる。

       また、他者の能力を発見し、自分との違い、共通点などを発見することで、

       コミュニケーションがしやすくなる。
・「他者(コミュニケーション)」「五感」「体」「集中」などいくつかのパー
トを行き来できる螺旋階段、渦巻きの溝の付いたすり鉢状の大きな器の
イメージ。
その中をいろんな方向に自在に行き来すること(経験値を積むこと)
によって、感性は磨かれる。
(参考 玉川出版 「ドラマによる表現教育」)
・ワークの解説
Yes and 、 No and は相手を刺激する言葉遊び。
体を部分的にくっつけることにより他が自由になることを体験。
まず体を動かし、次に声を出した後、音を聞いて集中するという流れ。

●アンケート結果等
体を使うワークで机もない状態にもかかわらず全員がアンケート提出されました。
講師より「"学び"には感想ではなく、気付きや発見を」との言葉をふまえて、プラス
「楽しかった」「あっという間だった」という声が多く聞かれました。合わせて充実し
たワークと感じられた方が多かった表れだと思います。
振り返りの時間を長めに取ったことと、要所要所に講師より解説があったことが皆さ
んの納得感に繋がったようです。
マインド系テーマを求めている方は意外に多く、またファシリテーションには不可欠
かとも思われる自己表現・高い感性に自信のない方が少なくないことも驚きでした。
こうしたワークを繰り返して欲しいという意見も複数ありました。
また、他テーマが満席で来られた方、参加したいテーマが重なっているという声もあ
りました。
今回はじめてのコーディネーター経験で、不手際は多々ありましたが、実際的な反省
点を一つ。
「体を使うワークの時はアンケート用紙にクリップボードと鉛筆を!」

 以上。