2016年度1月定例会 3『KP法とファシリテーション〜みんなで探る紙芝居プレゼンテーションの可能性〜』東京支部

事業内容 調査研究:東京支部 2017年1月度定例会
テーマ KP法とファシリテーション〜みんなで探る紙芝居プレゼンテーションの可能性〜
開催日 2017年1月28日(土)
会 場 北とぴあ 8階 802会議室
講師・
ファシリテーター
飯島 邦子(FAJ会員)

1名

企画運営担当
山口千咲、今井祐子(以上FAJ会員)
2名
参加者数(会員) 23名
一般・見学者数 1名
テーマ詳細
プログラム内容
担当者振り返り
参加者コメント
など

【概要】
KP法とは、誰でもすぐできる簡単でシンプルなプレゼンテーション手法である。伝えたいキーワードをシンプルに紙に書いてペタペタと貼りながら話をしていくもので、話し手の伝えたいことを聴き手に優しく伝える手法と言われている。
プレゼンテーションというとパワーポイントを活用することをイメージする方も多い。しかし、今回取り上げるKP法の道具は紙とホワイトボードとマグネット。ワークショップの場では、紙ポとか紙芝居という呼び名で、ワークのインストラクション等で活用されている。
その手法を、環境教育の第一人者でもある川島直さんが、「紙芝居プレゼンテーション」を略して、改めて「KP法」と名付け、最近ではアクティブラーニングの推進が進む教育現場でも盛んに活用されるようになってきた。その背景には、説明を簡単シンプルにできることやチーム活動に活用できる、更に思考の整理も出来るという点があげられる。
今回のプログラムは、KP法の特徴や事例のご紹介の後、実際に作ってプレゼンし、更にチームで思考を整理しながら練り上げる体験を行い、チーム全体でプレゼンするというプロセスとなる。この一連のプロセスから、KP法とファシリテーションとの親和性や可能性について、参加者の皆さんと共に考える定例会である。

【プログラム】
11時〜
・オリエンテーション
・KP法簡単レクチャー
・知り合い&QAタイム
・KPつくってみよう!(ランチ含む)
・KP法やってみよう!
・チームでKPつくってみる
・ぐるぐるシェアでKP法やってみる
・全体シェア
・クロージング
〜17時

【参加者コメント】
◎KP法について
・メッセージが明確で素晴らしかったです。「あったかい」「届ける」「ライブ感」良いキーワードだと思います。
・KP法についての知見を深める良いきっかけになりました。
・KP法について知ることが出来たので、様々な場面で実践していきたい。実践報告はいずれどこかでお知らせします。
・体験したので営業活動に実践してみます。お手軽にプレゼンの練習ができますね。学生とか授業活用に良いと思いました。
・合意形成の手段としても良いツールかも知れない。
・模造紙に比べ、残しやすい。全体の構成を後からガラリを変えることが出来る。
・最後のアクティブラーニングとKP法の説明にもあったが、KP法を用いてワークを行えたので、長い時間も苦ではなかった。能動的に参加できることが証明できた気がする。

◎プログラム関連
・安心安全な場でした。
・ポイントがわかりやすい。
・体験が多く、発見も得られる良い定例会でした。
・午前中からのワークでしたが、あっという間でした。楽しかったです。
・思った以上に良かった。目的、KP法の概要などよく理解できた。
・限られた時間の中で集中して作業させられたことが、頭をとても使ったので逆に良かったです。
・じっくりレクチャーがあったところ。ワークが個人とグループの2タイプ行われ、ぐるぐるシェアで皆が発表者になったがプレゼンの練習になった。
・流れがとても作り込まれていた。
・個人ワークとグループワークを全力で実践させるという点が良かった。脳みその筋トレになった。
・自分で考えながら、グループで考えながら、コミュニケーションのやり方をトレーニング。とても良い考え方/手法だと思いました。これかも継続的にやりつつ、もし進化したものがあれば応用編もやって欲しい。
・プログラムとても充実していました。ぐるぐるシェアもよかったです。まず個人で作ってみる、それからグループでつくり、他のグループとシェアする・・とすべてシステマチックで無駄がないなと思いました。
・すごく良くまとまっていた。参加していてワクワクした。一つ一つのワークにもう少しずつ時間があるともっと良かったが少し足りないくらいの方がワークに集中出来てよいので、これくらいで良かったと思う。
・みんなで一つのKPを作成することによって、作り方のステップをどうすればよいかを考えられたのが良かった・。
・グープで1つのKPを作る作業を通じて皆が意見を出し合える場が上手くできたと思います。
・グループ人数4〜5名は丁度良かった。
・KPを1人で1セット、グループでも1セット実際に作れたので良かった。

◎運営面
・事前のリマインドメールが良かった。(お昼持参等)
・全体に作業時間がタイト。10時からでもよいのでは?(スタッフが大変でしょうが)
・時間がタイト。濃密という点では1日で2日分の学びを得られた気がする。
・タイムプレッシャーがあって良かった。
・やはりお昼休みはしっかりとれるとよい。しかし、スタートを10時にするのは早すぎる。
・お昼ご飯を食べながら作る・・のはかなり忙しいのですが、もっと早く来るのもキツイので、悩ましいです。会場が17:30や18:00まで使えるのなら30分ご飯に出来たらよいのになぁと思いました。
・個人でKPシートを作って全体に2名共有する時間は出来れば1グループから一人くらいできたら良かった。
・グループのプレゼンは別のグループの声が気になってしまった。欲を言えばもう少し大きな部屋が良いですね。
・部屋の温度が少し暑かった。
・集中力がきれるので、涼しくしてほしい。
・フィードバックの時間がもう少しあったらよかったな。と

◎グループKPの発表方法
・ぐるぐるはとても面白かった。やってみたい。
・ぐるぐるシェアはとても良い。
・ぐるぐるシェアは良かった。戻ってからそをふりかえる時間を持てたらよかった
・ぐるぐるシェアはグループの当事者意識を強める良い手法だと思いました。
・ぐるぐる凄く良かったです。全員で発表できるし、聞けるし。
・ぐるぐるはとても良い。少し分かりにくいのでインストラクションがこなれてくるといいのかも。

◎その他
・KP法の好事例をもっと聞きたい。
・KPシートを貼り出すテクニックも伝えてほしい。
・ぐるぐるした人とも振り返りの時間があればもっと良い。
・もう少し練習する時間があればいいな。
・プレゼンぶっつけ3分は短すぎる。
・グループでKPシートを作るのはA4、4等分くらいの大きさの方が見やすい。

【メインファシリテーター振り返り】
今回のKP法定例会は過去に実施したプログラムに少し手を入れて、一人で作る&やってみる。グループでつくる&全員で発表する、という流れにした。時間的な制約もあり、KP法についての解説は最小限にしたが、KPシートを作成するプロセスを個人とグループで2度体験することが出来、更に発表手法として「ぐるぐるシェア」を採用したことで、KPを使ったプレゼン体験も2度体験して頂くことが可能になった。参加者全員に発表機会があることはプレゼンテーション手法のワークの進め方としては効果的だった。このことから、KP法の理解とワークへの満足度が高まったと思われる。
また、KP法がアクティブラーニングに活用されていることも紹介した。そもそもKP法は思考整理の手法でもあるが、個人での思考整理から、グループで思考を整理して発表するという流れは、チームで考える活動を能動的にすることを体感する意味でも、効果的だったと思われる。
反省点としては、「ぐるぐるシェア」の発表方法は一言では説明しにくいことや時間的なこともあり、インストラクションのタイミングを発表ワークの直前に設定していたのだが、イメージがわかない方からの質問に納得性のある対応ができなかった。また、グループワークを見守る視線が硬いという指摘も頂いた。ワークのプロセスをグラフィックレコーディングで記録したことは好評だったが、せっかく書いてもらったものをワークに活用できるような流れを作ればよかった。

報告者 飯島邦子
報告日 2017年2月21日
その他特記事項
 
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