2018年5月定例会2『パターンランゲージで「対話を促す言葉」とは何かを考える』東京支部

調査研究:東京支部 2018年5月度定例会

テーマ

パターンランゲージで「対話を促す言葉」とは何かを考える

開催日

2018年5月26日(土)

会 場

かつしかシンフォニーヒルズ コンチェルト

講師・ファシリテーター

岡田誠(一般社団法人認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ 共同代表理事)
井庭崇(慶應義塾大学総合政策学部 教授 / クリエイティブシフト 代表取締役社長)
阿部 有里 (クリエイティブシフト)

企画運営担当

中野 功、並河 隆行、平田 寛美、東 憲治 (以上、FAJ会員) 4名

参加者数(会員)

35名

一般・見学者数

2名

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

【概要】
パターンランゲージは、もともと1970年代に建築の分野で生まれた方法( 考え方 )です。
建築家のクリストファーアレクサンダーが、美しい建物やいきいきとした街の姿に繰り返し現れる特徴を「パターン」と呼び、それを「ランゲージ」(言葉、ことば)として記述・共有したことにはじまります。

アレクサンダーが目指したのは、本来は専門的な知識をもっていなければ扱うことのできない街や建物のデザイン(設計)の問題に対し、専門家でない人でも理解できる新しい「ことば」を作り共有することで、だれもが街や建物をつくるプロセスに参加できるようにすることでした。つくる人と使う(住む)人を分断するのではなく、使う人がつくるプロセスに入り、その後も自分たちで改善していけるようにすることが、いきいきとした街や建物を生み出すために不可欠だとアレグサンダーは考えていたためです。(「旅のことば 」井庭崇さんのあとがきより一部引用)
暗黙知を形式知に変え、誰もが話合いに参加できるしかけを作ること、創造的な協働を促進すること、私達がファシリテーションをする上で何か必要なエッセンスがあるように感じます。
そこで、本ワークでは、最初にパターンランゲージを使ったカード「旅のことば」~認知症とともによりよく生きるためのヒント~を体験してもらいます。その後に私達に馴染みのあるテーマでパターンランゲージを作ってみることで、パターンランゲージに対する理解を深め、「対話を促すことば」とは何か?を参加者と一緒に考えます。
この「旅のことば」は企業・自治体・NPOといった立場を超えて認知症に対する社会の関わり方を考える「認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ」http://www.dementia-friendly-japan.jp/
共同代表の岡田誠さんと、創造的活動の支援方法を研究している慶応義塾大学教授の井庭崇さんの協働プロジェクトとして生まれました。この「旅のことば」のカードに書かれている「ことば」の数々は認知症の当事者やその周りの人達だけではなく、一般的に人生をよりよくするヒントとしても使えるものです。
パターンランゲージの「ことば」の効果を体感し、そしてパターンランゲージを作ってみることで、その理解を深め、「対話を促すことば」を考えてみたいと思ってます。

【プログラム内容】
1.旅のことばを体験してみよう
2.対話のふりかえり
3.パターンランゲージとは
4.パターンランゲージを作ってみよう
5.ふりかえり                                                                

【参加者の声】
1)そこに抽象的な言葉があることで、問いが生まれ話しやすさが醸成されると感じた。
2)旅のことばカードは、対話を促す装置(個々のイマジネーション)・自己紹介
3)ポジティブな言葉は人を傷つけない。
4)空気を大切にする一方で言葉を大切にしない可能性もあるので、使うのには注意が必要かな?
5)FAJで言葉を作ってもいいかも
6)言葉の作り方は帰納→演繕→ことば
7)体験からことばは生まれるかもと思いました!
8)旅のことばとは、相手が自分に興味をもってくれるような言葉
9)旅のことばは、自分の持っている思いと相手の持っている想いを掛け合わせる触媒のようなもの。
10)対話のことばを作る際にどこまで抽象的にするべきか、難しいバランスがあることを体験できた。
11)旅のことば以外の様々なパターンランゲージのカードがあり、この考えが広がる可能性を感じることができた。


【企画チームの振り返り】
1)何よりも、FAJの定例会に井庭さん、岡田さんが来てくれたことが 本当に良かった。
2)参加者の多くがパターランゲージとファシリテーションの関係を追及しようという姿勢が見えて良かった。
3)体験学習中心で進める予定が、井庭さん、岡田さんのパターンランゲージにかける熱い思いを語る時間が長くなり、会場撤収が17時に間に合わない事態となった。

報告者

東 憲治

報告日

2018年6月5日(火)