調査研究:東京支部 2018年11月度定例会
テーマ2
『テーマ2:ロジカル・シンキングは万能ではない。だから、みんなで鬼退治!』
開催日
2018年11月24日(土)
会 場
大橋会館207会議室
講師・ファシリテーター
日山敦生(FAJ会員)
企画運営担当
加藤貴美子、久木野勉、立花浩司(以上FAJ会員)
参加者数(会員)
26
一般・見学者数
0
テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど
■テーマ詳細
あなたは、節分の豆まきは好きですか。豆まきで、しっかり鬼退治は出来ていますか。今回、会議のファシリテーションの邪魔している鬼を、みんなで退治しようという企画です。
具体的には、ロジカル・シンキングは、物や技術的な問題解決には大変有効ですが、人や組織の問題は複雑で、物や技術的な問題とは異なり、感情もあり、論理だけでは解決が難しい場合が、多く存在します。
そこで、人や組織の問題は、原因究明が必ずしも有効とは限らないことを、システム・シンキングを使って、説明します。
システム・シンキングとは、人や組織の相互関係に注目し、悪循環を構成しているとする考え方で、関係者全員が、原因でもあり、結果でもあるとする考え方です。
システム・シンキングのベースとなっている社会構成主義も、取り上げます。社会構成主義は、最近話題の「対話型組織開発」でも、注目されています。
社会構成主義とは、言葉が世界を創るという考え方です。人は、主観的にしか物を見ることが出来ないので、真実は、ひとつではなく、いくつも存在する。自分たちが、言葉で創った世界に問題があるなら、言葉で、世界を作り替えればよいわけです。
システム・シンキングをベースとした原因究明しないポジティブな問題解決法として、ナラティブ・アプローチがあります。人や組織が問題なのではなく、問題が問題なのであるとするナラティブ・アプローチの問題の外在化を用いた、ワークショップを行います。
問題の外在化とは、問題に名前(今回は鬼)を付けて、相手や自分が悪いのではなく、鬼が問題を起こしていると視点を変えてみます。視点を変え、対立している関係者とも協働関係を築いて、鬼退治をすることにより、問題を解決しよういう方法です。
調査・研究の視点から振り返ると、2つの新しい試みを実施できた。
ひとつは、今、話題となっている「対話型組織開発」で注目されている社会構成主義の説明とワークである。もうひとつは、ナラティブ・アプローチの問題の外在化を取り上げ、問題に鬼と名前を付けて、鬼退治のワークを行うことが出来た。
内容が盛りだくさんで、参加者への丁寧な説明が十分ではなかった点があり、今後の課題としたい。
■よかったこと
・システム・シンキングの具体例であるOJT問題のワークで、見方を変えることにより、いろいろな意見がでた
・解決志向、社会構成主義が学べた
・ワークが多かった
・鬼のせいにして、俯瞰することができた
・問題の外在化を使うことにより、人を嫌いにならなくてすみそうでよかった
■実践できそうなこと
・問題の解決方法を考えないで探す
・今、すぐには思いつかない
・具体的に結びつかない
・例外探しは日常的に使えそう
・人ではなく、全体の見方に出来そう
・出来たことに注目する
■改善点
・抽象的になりがち、ケースを使った方がよさそう
・言葉の定義があるとよかった
・内容が盛りだくさんすぎた
・鬼の見方は、例文があるとよかった
・参加者の背景がいろいろ異なるので、背景を合わせるとよかった
報告者
日山敦生
報告日
2018年12月8日