2019年07月定例会2『グループの成長を支援するファシリテーションとは何か?』東京支部

調査研究:東京支部 2019年07月度定例会

テーマ

テーマ2グループの成長を支援するファシリテーションとは何か?~ABDで「人間関係トレーニング」を紐解く~

開催日

2019年07月27日(土)

会 場

北とびあ 第2研修室 B

企画運営担当

にんとれチーム
飯島邦子、加藤貴美子、菊田磨美、時久剛、西井佐知子、西田徹、(小平均、津田壮彦)(以上、FAJ会員)
 6名

参加者数(会員)

19名

一般・見学者数

0名

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

【概要】
ファシリテーターならば、そこに集まったメンバーが自分の考えや感情を率直に話したり、一歩踏み込んで相手に率直な質問をできる関係性を作りながら、より良い集合知を生み出し、そこにいる人々の更なる成長をファシリテーションしたいもの。では、私たちファシリテーターはどのようにして、心理的安全性を確保しつつ、グループの成長を支援することができるのか?
我々はそのヒントが"人間関係トレーニング"という概念の中にあると考えた。
とはいえ、人間関係トレーニングの前提をそろえるには我々だけでは知識が足りない。よって、今回はABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ®)という手法を応用し、『人間関係トレーニング』(南山短期大学人間関係科、津村俊充・山口真人編集)を皆さんと共に紐解き、"人間関係トレーニング"で大切にしている概念や「グループの成長を支援する」ファシリテーションについて、参加者と共に分かち合いながら考えてみることにした。

【プログラム】
・定例会オリエン
 (話題提供者の体験談)
・チェックイン
・ABDインストラクション
・コ・サマライズ
・休憩
・リレー・プレゼン(章/グループ代表)
・ギャラリーウォーク
・この指とまれテーマ出し
・ダイアログ①
・他のグループの話し合いは?
・グループの成長を支援するとは?
 (話題提供者へのインタビューからの問い)
・ダイアログ
・ダイアログとチェックアウト
・定例会プロセスを振り返る
・事務連絡・原状復帰

【参加者から出たテーマ(今後のにんとれチームで深めていく)】
①規範
・規範ができるプロセス?
・コミュニケーションって?
・規範が大切なら自己規範もあっていい?すなわち枠!上等
・グループの発達をどこにおく?
・規範と自由カッタツのバランス
・枠は本当に悪いのか?
②個人とチームの関係
・他者の理解⇒思い込みでヘンケンが邪魔をしている
・信頼関係を構築するにはどうすれば良いか
・グループの発達をどこにおく?人間関係をよくするには?
・コミュニケーションする相手が怖いですが、どうすればイイ?
・グループの力を発揮するには?
・独りでの作業を好むメンバーと同じチームでやっていくには?
・個人を活かすとはどういうことか
・"介入"のスキルアップのコツは?
・個人と人間関係、バランス、どちらも↑にする方法
・間人主義を持つと生活の何が変わる
・個人と集団は対立概念か?
・人との関係って全面的にうけていいの?
・批判的意見の受け止め方、流し方(解決?)
・対話出来てるとかんちがいしている人との関わり方?
・強すぎるリーダーシップ
・介入と指示
・介入のレベル -対象を良く観察して選択、、かな

【企画チーム振り返り】
・冒頭で、話題提供者が何故このテーマで皆と考えたいのか、自分の言葉で話すプロセスを入れた。若干の自己開示(弱みの開示)と共にスタートすることで、この本の中に何が書いてあるのかについての期待を促した。
・ABDのインストは通常よりコンパクトにした。結果、やり方について戸惑う人がいたが、スタッフ間でフォローしながら補完することができた。
・当初、全部を読むのか、グループの成長を支援するポイントに絞るか、企画段階で悩んだ。結果として今回は全部読むことにしたが、全部を扱うには時間が足りないため、分担はグループで章を担当してもらい、プレゼンは章ごとに行うこととした。
・ABDのプレゼンの後、グループ毎にぐるぐると対話しながら見て回るギャラリーウォークのプロセスを入れた。これによって、ただプレゼンを聴くだけでは理解できなかった部分をしっかり深めていくことができた。
・後半の対話のテーマを出しでは、一人5つという提示を行った(現場判断)。参加者や企画チーム内でも多すぎたのでは?という意見もあったが、結果としては、このプロセスによって『人間関係トレーニング』という本から多様な興味が引き出されたし、同じ本を読んでも、刺さる部分がこれだけ違うということも発見だった(後述)。ただし、企画チーム内でのプロセスの意図の共有が不足していた点とグループ分けが若干強引になったところは反省点としてある。
・最後の話題提供者インタビューのプロセスは、話題提供者からグループの成長を支援するファシリテーションについて熱く語る予定であったが、もやもやが残るインタビューとなってしまった。後からの振り返りで、前段のABDで話題提供者が一番大事にしたい部分についてあまり触れられなかったことから、話題に出すことを躊躇してしまったという内面のプロセスが明らかになった。ABDは分担して読むため、読み手によってどこをピックアップするのかは違うので、ある意味想定内の出来事であるが、ここで話題提供者としてもっと自分が大事に思ったところはここ!という主張を示してもよかった、と振り返りをすると共に、参加者から出てきたものを扱わねばならないというメンタルモデルに囚われていたという気づきもあった。
・プログラムフィードバックから、ABDという手段のプロセスへの興味関心が高いことが分かった。
・人間関係トレーニングという本で取り扱っている内容の幅が広すぎて、今回のテーマ「グループ成長を支援するファシリテーション」を深める対話に繋げることが難しかった。
・今回のグループ成長を支援するファシリテーションにもっとフォーカスを充てる工夫として、ギャラリーウォークの時にこの定例会のテーマの問いかけをやってから行うと良かったかもしれないというプログラムデザインの改善点の気づきもあった。

【スタッフ感想】
・プログラムが丁寧な作りになっている。意図開きの経験ははじめて。関西と違う。
・参加者側にまわっていた。初めてのABDを経験した。楽しかった。
・相変わらず、現場あわせしかできない。いっぱい出たものを次に活かしたい。
・ABDやれば読めるという簡単な本じゃなかった。読めば前提を揃えられて対話ができる、というわけにはいかなかった。
・チームで出だし感があった。
・人間関係トレーニングは難しいなあという感想を言っていたのが印象的だった。興味を持ってくれたのかな~と不安。
・自分がもうちょっとガツガツ入りたかったなあ。
・次もやりたい。もう少しワークショップのデザインを体験して出せるようになりたい。
・東京という枠を超えて、遠隔でみんなでつくれるという、枠に縛られない体験。こういう 方法があるなあと学べた。

報告者

飯島邦子

報告日

2019/08/18