2022年2月定例会レポート『VUCA時代に求められるファシリテーターシップ シリーズ第11弾 ファシリテーションの力で社会変革を起こそう!!~コミュニティ・オーガナイジングから学ぶ~』東京支部
調査研究:東京支部 2022年2月度定例会
テーマ
開催日
2022年 2月 26日(土)
会 場
オンライン
講師・ファシリテーター
荒川 隆太朗氏(NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン 理事、NPO法人Gift 副代表理事)
※以下、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンをCOJと記す
企画運営担当
石森昌子,菊田磨美,齊藤俊哉,立花浩司,永野直樹,早川鋭
(以上、FAJ会員) 6名
参加者数
会員 : 54名
非会員 : 13名
企画者 : 6名
テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど
【※本テーマの主目的・検証したかったこと】
1)ファシリテーションには社会変革を起こす力があることを改めて認識する
2)コミュニティ・オーガナイジングを知った上で社会変革ファシリテーションの本質は何かを探求する
【※主目的・検証したかったことについての実施結果】
COJの意図(コミュニティ・オーガナイジングは目新しい技術ではなく、ファシリテーターが既に身に着けている手法を当事者支援として応用していることなど)は参加者に伝わった。
コミュニティ・オーガナイジングとファシリテーションの類似性と相違点について、対話等を通じて探究できた。
また、従来のファシリテーションのあり方を一旦、脇に置き、ファシリテーションの進化への可能性について参加者の期待感が高まった
「変革を起こす力があること」を実感するまでには至らず、それぞれ考え始めた段階で留まった。
【※実施内容(非参加者にもわかるように)】
コミュニティ・オーガナイジングの概要、成功事例、パネルディスカッションの後、参加者同士で次の問いかけをもとに対話した。
「社会変革におけるファシリテーションの新たな視点はあるのか?」
「もしあるとしたらそれはどのようなものであるか?」
【プログラム】
チェックイン(10分)
この定例会に参加した理由。今日の定例会で持ち帰りたいものもしくは期待したいこと。
講師による講演・質疑応答(55分)
UMUを利用して参加型アンケートを2問実施
休憩(5分)
パネルディスカッション・質疑応答・まとめ(65分)
休憩(10分)
対話・共有(40分)
設定した問い「社会変革におけるファシリテーションの新たな視点はあるのか?もしあるとしたらそれはどのようなものであるか?」
チェックアウト(10分)※チャット
【参加者の声】
テーマがとても良かったのと、パネルディスカッションもいろんなケースのお話やそこから広がるみなさんのお話がとても良かったです。
社会変革というキーワードで参加しましたが、コミュニティオーガナイジングについて理解を深めながら、ファシリテーションのあり方を考える場でしたね。話題提供者のりょうさん、パネリストの方や参加者のさまざまな視点が気づき、学びになりました。
コミュニティオーガナイジングのことを全く知らなかったので、学びが深かったです。ファシリテーションとの関係性を考えることで、新たな視点から捉えなおすことができました。
人を巻き込む、自分事にするためには、自分の想いを伝えていくことが大切だなと改めて感じることができ良かったです。
ファシリテーターであっても、どうしてこの場に立っているのかの想いを伝えるなどを伝え、その上で議論をしていくのがいいなと思いました。
「ファシリテーション」に対する新たな視点を得られた気がする。
4人のダイアログで、深まったところがとても良かったと思います。りゅうさんのお話は、1日になったとしても、もう少し丁寧に聞きたいという思いが残りました。また、社会変革、社会課題という言葉はかなり広範で人によって捉え方がちょっと異なるような部分も感じました。最初の方でその辺りを参加者同士で話すような時間があってもよかったかな?とも感じたりしました。最後の対話の部分では、多様な話とかなり感じ方の差異もありましたが、それはとてもいい意味でもモヤッとする時間でした。
ファシリテーションの進化への可能性を感じました。
「ファシリテーター」というものをどう捉えているか、「ファシリテーション」をどんな場面で活用しているかによって、いろいろと見解が違うこともあるんだなと感じました。
「場を促進する」という広い意味で捉え、今後も探求していこうと思います。
従来のファシリテーションのあり方にこだわりすぎなくていいのではないかということ。
当事者の声から社会変革を起こす
根本的な生きる気持ちをしっかり伝えること。受け取る亊
相手との関係性の中での重なりを積極的に見つけること、自己開示していくこと。
想いを聴く、聴き取って受けとめて進めていくことが信頼の場安心安全の場に繋がり、進んでいくこと
外部へのCOはある程度できていたと思うのですが、内部(FAJ内)にできていなかったことに気づいたことは大きいです。
「緊迫した現場で使える実践的なファシリテーション」と「人と人との生のやり取り」を疑似体験できた。
声を上げられない人に、寄り添いながら声をあげる勇気を与える、応援している人がいることを伝える重要性を感じました。支えや戻ってくる場所でありたいというりゅうさんの想いに、とっても共感しました。
自ら働きかけて場数を作っていきます。
課題当事者の中のリーダー育成とチーム作りを、「第三の支援者」として係わり続けることが大切であること。又、その場面場面に応じた係わり方を適切に見極めて、必要な機能を提供していくスキルが必要だということを強く感じました。
ファシリテーションのあり方もいろいろだと思った。教科書通りの「中立」を保つだけだと熱が冷めることもあるのかな、と思った。
【企画側の気づき】
対話テーマについて「社会変革とファシリテーションという問いが少々大きい」「参加者がもっと参加したかった」等の意見もあったことから、グループ対話では企画者が設定したテーマ通りの話し合いになっていなかった可能性がある。最後の問いに参加者を導くような段階的なテーマ設定や対話時間を設計すると更に良くなる。
パネルディスカッションとその後の対話に若干の違和感を覚える参加者もいたので、つながりが分かるよう企画者の介入が必要だった。
企画段階で、COJに「ファシリテーション・サミット」の情報を共有し、COJがサミットにおいて、今回の講演内容からより具体化した「関係構築」に関するワークショップを実施することになった。また、COJが実際に推進しているプロジェクトにFAJのファシリテーターが参加するという可能性も見込めた。FAJと他NPOとの連携により会員活動の新しい展開に貢献できるのではないか。
報告者
東京支部調査チーム
報告日
2022/3/19