【報告書】 2025年8月定例会 U理論再考~人と組織の変容支援歴20年の景色から学ぶファシリテーションの知恵~東京支部

調査研究:東京支部 2025年8月度定例会

U理論再考~人と組織の変容支援歴20年の景色から学ぶファシリテーションの知恵~

【テーマ】

U理論再考~人と組織の変容支援歴20年の景色から学ぶファシリテーションの知恵~

【会場】 

オンライン

【時間】 

13:00~15:30

【登壇者】 

中土井僚(オーセンティックワークス株式会社代表取締役)

【参加者数】

180名(企画、登壇者除く)

【本テーマの主目的】

• ファシリテーターが直面する共通の課題(参加者の本音が出ない、表面的な対話に終始する、根深い課題に切り込めないなど)を解決するための知恵を得ること
• U理論に基づいたファシリテーションの本質を理解すること
• 人や組織が変容し、創造的になれる場をどのように創るかという具体的な答えを得ること
• 場をより深めるために、ファシリテーターがどこに着眼し、どのようにプロセスをデザインし、介入を行うかに関する実践的なアプローチを学ぶこと
• 中土井僚氏の20年にわたるU理論の実践経験から得られた幅広い知見を直接学ぶ機会を提供すること

【実施内容】

中土井氏は、20年以上にわたりU理論を探究・実践してきた経験をもとに、理論の可能性と実践上の課題を語った。U理論は単なる手法ではなく、日常生活や組織の現場において常に実践できるものであり、成果を左右するのは「やり方」ではなく「あり方」であることを強調した。
講演の骨子は以下の8点である。
  1. U理論は常に実践可能なもの
    あらゆる活動に組み込むことができる。
  2. 企業現場では理論説明より実践重視
    抽象的な説明ではなく、体験を通して理解が深まる。
  3. 実践の難所は「Seeing」から「Sensing」への移行
    この突破を支援することがファシリテーションの核心。
  4. ファシリテーター自身の内的実践が不可欠
    他者にプロセスを促すには、自身も同時にUプロセスをくぐる必要がある。
  5. U理論と成人発達理論の不可分性
    両者は相互補完的であり、発達理論の理解が実践を深化させる。
  6. 20年の実践ステージ 啓蒙期 → 体験機会提供期 → リーダー創出期 → 実践家育成期 → ツール開発期 → 生成AI融合期
  7. 「あり方」が成果を決める
    結果や方法論よりも「どんな存在として臨むか」が変容の鍵。
  8. ファシリテーションの本質
    参加者が「何者として状況に向き合うか」をシフトさせる支援。

【アンケート結果】

・テーマの満足度 ★★★★☆(4.6)

【参加者の声】

  • これからの時代に、非常に重要な理論と感じました、レベル3を超えることができるように精進したい、と思います ありがとうございました
  • VIAを受けてみたいです!もし開催があれば
  • 大変興味深い内容でした。放課後タイムがとても有意義でした。ありがとうございました。
  • 考えることの大切さを改めて実感させられました。 また、聞けば聞くほど、あたりまえだよなぁ、と思いつつ、あたりまえのことをきちんとやることがいかに難しいかも思い知らされた気がします。 途中や終了後の質問への回答もとても丁寧に応対して下さり、勉強になりました。
  • 恐れにひるまず、自分のあり方で場に関わるのは難しい、落としどころを探してしまうのでまだまだ研鑽が必要です。有り難うございました。
  • U理論は少しだけ齧ったことがありましたが、抽象的でわかりにくかったので放っておいていました。本日のお話を伺って、複雑な解のない問題に立ち向かうときの1つのオプションとなり得るものなのだと思いました。粒度は異なりますが、Aさん、Bさん、Cさん、Dのお話し(内省を促す)は興味深かったです。
  • 中土井さんの想いや活動が点から線へとつながっていった。その結果、私自分の想いとかなり近しい・接点も多いことがわかった。自分が日々、モヤモヤしていた部分を中土井さんの説明の中で言語化している部分も多く感じた。今後も継続的に中土井さんの想い・活動に触れていきたいと思います。
  • U理論と成人発達理論の関連がとても良く分かりました。また人の認知や能力を超えた部分は、みんなの力を結集して「できる」と信じて立ち向かうことが必要だということが頭の中に降りてきました。ありがとうございました。
  • U理論をベースにしたファシリテーションの実践について気づき、学びが得られ、今後の刺激となりました。
  • りょうさんのスライドにもあったプロセスワーク(プロセス指向心理学)というファシリテーションを4年ほど学び実践しているのですが企業向けにどう伝えたらいいか、の参考になりました。
  • U理論を長く実践してきましたが、かなりの新たな気付きがありました。中土井先生、本当にありがとうございました!
  • 惜しみなく知恵をおすそ分けしてくださった中土井さん、そして運営のみなさまに感謝申し上げます。 ありがとうございました!
  • 4は自分自信のあり方が問われるため、難度を感じての点数です。 自分のあり方が場に影響するプレッシャーを抱きながらも、その先の得たいことを支援できることにフォーカスし、Uを身体で日常、実践できるようになれればと思います 今日はありがとうございました
  • 質問に対する答え方が一番学びになりました。
  • ありがとうございました。企業研修のファシリテーターを生業としています。 生成AIを活用しながら、9月からの研修カリキュラムを具体化していますが、中土井さんのお話しは、学びもヒントも多く、もの凄く役に立ちました。 大いに活用しているSOUNDカードに合わせて、今回の内容から肉付けさせていただきます。
  • 移動時間と重なり耳だけ参加となってしまったことにも原因だがありますが、ファシリテーションそのものについてあまり具体的な言及がなされていなかった(大きな話はありましたが)印象て、期待した内容と少し違った点は残念でしたが、U理論のおさらいとファシリテーションとのつながりを解説していただけた点は新たな気づきにもなり、ありがたかったです。
  • U理論など新たな視点を学び、もっと、さらに学びたくなりました。
  • U理論、何度か聞いている内容でしたが、今回のセミナーは、ファシリテータとしてのWHOTo Beスタンスのものだったので、いろいろなものが腑に落ちました。
  • (組織開発系は色々触れてはいましたが)U理論には全く不勉強なままの参加でした。これまでファシリテーションとコーチング、またそこから派生するいろいろな学びはしてきましたが、なんとなく接続点が曖昧な領域を明確にしてもらえたように思います。久々に、グッとくるセミナーに出会えたと思います。
  • コンパッションについて改めて深く考えさせられました!
  • U理論の復習ができたこと、成人発達理論について初めて聞くことができたこと、デニス・メドウズさんのやさしい問題と難しい問題の違いという考え方に触れることができたことなど盛りだくさんの勉強ができてよかったです。ありがとうございました。
  • 自分の「型」が同じだということに気づきました。
  • 20年の知見をコンパクトにまとめ、説明をしてくださり、本当にありがとうございました。自分自身のあり方がやはり重要であることを改めて認識する機会となりました。
  • 最近、U理論にあまり触れてこなかったのですが、「あり方」の話には大変共感しましたし、所属企業の中で自分なりに「あり方」を問いながらの働きかけができていることも感じられました。 途中 QA での「未熟な自分を認めつつ、貢献しようとすることをまず認めてあげて」という話には心動かされました。自分に頂いた言葉として、今後も活動を続けていこうと思います。(もちろん未熟なままでよしとはせずに) 成人発達理論との接合点についてもいくつかとっかかりの情報をいただけたので、さらに学んでみたいと思います。 本日はありがとうございました!
  • 日頃のファシリテーションの現場とU理論がどのようにつながっているのかを知ることができました。また、中土井さんがファシリテーターに大きく期待されていることが伝わってきました。一翼を担うファシリテーターとして精進したいなと感じました。
  • 事前の知識がなく、Youtubeのことも知らなかったので、最初からつまづきました。内容は難しく、まさに解の無い話で、でもだからこそ、ファシリテーションの価値を高められると思いました。
  • 視点を新たに持つことが大切と思いました。
  • U理論のポイントをとても端的に共有いただけて有意義でした
  • りょうさんの学びの場にはたくさん参加させて頂いていることもあり、それらの学びも振返りながらさらに一段自分の理解を深めて理論の解像度があがる時間になりました。特にレベル3の部分の捉え方がよりクリアになった感じがあり、とても有意義な時間でした!
  • ファシリテーションで対話することは承知していましたが、お互いの痛みを理解するところまで踏み込むとは思っていませんでした。新しい発見であったとともに、実践するにはスキルやメンタル面でも鍛える必要があると思いました。特に、ファシリテーター自身が何者としてその場に臨むのか考え、一緒にUを潜る必要があるので。
  • この不確実で不安な時代に対人支援をし、場に立ち続けるメンバーを勇気づけてくれる内容だと思いました。自分がやっている方向は間違いないという思いももちつつ、同時に困難なものであるということも認識できてよかったです。
  • 僚さんの20年の歴史を垣間見させて頂きながら、そもそもの自分自身の日常の当事者葛藤の構造を振り返りつつ、自分として、世の中のシステム原型と向き合い方のヒントと励ましを頂くことができました。僚さんの在り方そのものが全ての可能性を肯定してくれているように感じていたり、コーチングの真髄にハッとさせられたり、ブレイクアウトルームで実践的なお話に触れたりと、大変貴重な体験をすることができました。ありがとうございました!
  • スクライビングを学び始めたところなので、今回のお話は非常に参考になりました。
  • 本を読むだけでは理解できなかった部分に対して多くの知見をいただきました。 ただ実践にはまだまだ修行が必要だと感じました。
  • 難しい問題にファシリテーターとして立ち会う時、また、困難な場面に向き合うときがありますが、その時の自分のあり方について今後思いを馳せる機会となりました。ありがとうございます。
  • お話は、ちょっと難しかったですが、なんとなく、分かったような気持ちになりました。実践していく、実装していくとなると、???が多かったです。 できれば、もっと実例を教えていただけると、もっと分かったのでは?と思いました。 でも、貴重な時間をありがとうございました。
  • 自分のあり方について、日々&常に意識していこうと思いました。マインドフルネスやセルフコンパッション、セルフアウェアネス、アンコンシャスバイアス、身体性、(東洋)哲学など、普段気になっているテーマともつながりを感じられて、今後の学びへのモチベーションも上がるとても有意義な時間でした。ありがとうございました。
  • ロジカルな面と精神的な面を統合している見事な世界で、ささやかながら取り組もうとしている「平和へのファシリテーション」へのヒントもたくさんいただきました。
  • 「あり方」の重要性を思い出させてもらえた。 また、セルフコンパッションが何度が出てきた。本を読んで学んでみたいと思いました。
  • 本日は有り難うございました。改めてVOCを超えてLEVEL3へ到達することの意義と難しさを感じております。
  • 自分はどういうありかたでその場をファシリしたいのか、考える機会となりました。 これまでは、場の変容をのぞんでいながらも、おそれに向き合ってもらうことに対してストップをかける自分がいたので、自分の願いと実際とで差が生まれていることに気づきました。
  • レベル3へのヒントが得られた
  • 自分自身の思考が深まってないため、少しついていけない分もありましたが、引き続き思考と実践にチャレンジしていきます。ありがとうございました。
  • U理論への理解が進みました。実践はできていませんが、少しずつ試してみようと思います。ありがとうごさいました。
  • U理論という言葉を初めて聞きました。主催者の東京支部さんの案内文に惹かれてこれは参加しないと損するのではないかと思って参加しました。難しい言葉や話もありましたが、中土井さんの温かい心に響くお言葉にはっとさせられて、「私、がんばってるかも」と自分を褒めることができました。最後の方の質疑応答の時に中土井さんが、上手いくかいかないかではなくその想いが重要とおっしゃられて(私にはそう聞こえましたが間違えていたらすみません)、何か人の為にやろうと思うその想いの根底に潜んでいる本質的なものを自分自身に対しても他人に対しても見出すのがファシリテーターなのかなと思いました。その見出す力を養うように頑張りたいと思いました。時々、じーんと心に響くとても良いお話をありがとうございました。とても学びが多かったです。東京支部さん、とても勉強になりました。本当に参加して良かったです。ありがとうございました。
  • ファシリテーターの役割としてプロセスへの介入・支援という程度のレベルで考えていたので、あり方の変容を支援するという定義を聞いて驚きました。同時にとても難しいファシリテーションだと思いましたが、未熟さを抱えて頑張りたいと思います。
  • 世の中の荒波に右往左往しているばかりですが、希望を見いだせるように試行錯誤をしていきたいと思います。
  • 貴重な機会を設営いただき誠にありがとうございます。第一人者の努力や工夫が滲み出ていて感銘を受けました。

【運営側の工夫】

募集開始からすぐに100名近い申し込みがあったため、参加枠を300名に増員。これは箱のサイズに左右されないオンライン開催のメリット。
参加は200名近いと予想したため、事前に中土井講師とブレイクアウトのタイミングを簡単に打ち合わせ。
3人以上で会話を楽しんでもらえるよう、ルームへの采配は可能な限り配慮。
(参加者の方が「耳だけ参加」と表示していただいていたので、振り分けの際とても助かりました。)

【企画側コメント】

U理論が日本に紹介されてから20年という月日が日本ファシリテーションの歴史とほぼ同じ期間であることは単なる偶然でないと思う。世の中がますます複雑化し人々の社会や環境の捉える見方がバラバラになっていく中で、ファシリテーションの重要性が高まっているとも言える。この20年間では、論理的に整理をする合意形成重視から個人や集団の意識変容を伴う対話的合意形成重視に広がりを見せており、重心が移りつつあるように漠然とした思いがあった。今回はまさにその本質が何か?ということを探究する時間になった。
U理論をリーダーシップ開発や組織変革のファシリテーターとして実践してきた中土井僚氏の知見からファシリテーションを考察する機会をFAJの定例会として開催でき、250名近くの方の申し込み、190名近くの方が参加する定例会になったことは、時代の要請とマッチしたのではないかと考えている。
快く引き受けていただいた中土井僚氏や東京支部運営メンバー、その他関係者の皆様にこの場を借りてお礼を申し上げたい。

【報告者】 

池田ことよ、永野直樹(FAJ会員 東京支部)