2022年10月定例会レポート『VUCA時代に求められるファシリテーターシップ シリーズ第14弾 「なぜ世の中の多くのオープンイノベーションは上手くいかないのか? ~共創の場づくりファシリテーションについて考える~」』東京支部

調査研究:東京支部 2022年10月度定例会

テーマ

開催日

2022年 10月22日(土)

会 場

オンライン

講師・ファシリテーター

北村 和久氏(一般社団法人 社会システムデザインセンター チーフデザイナー)

企画運営担者
石森 昌子・大石 寿宏*・岡本 久義*・菊田 磨美・齊藤 俊哉・立花 浩司*・永野 直樹*・山崎 努*(以上、FAJ会員) 名
*印は当日参加者
参加者数(会員)

30名

一般・見学者数

3名

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

【※本テーマの主目的・検証したかったこと】
社会システムデザインセンター(SSDC)における共創の場づくりの事例紹介やロールプレイでの模擬体験を通じ,ファシリテーターがもたらすことのできる価値について,参加者とともに考える

【※主目的・検証したかったことについての実施結果】
主目的は概ね達成できた.
ファシリテーターがもたらすことのできる価値について,それぞれの参加者が考えてもらえたことはアンケート結果にも表れていた.
イベント終了後,残った人たちで1時間ほど延長してワイガヤの時間を設けたところ,企画者の狙い通り参加者とファシリテーターとの忌憚のない意見交換が続けられた.
ロールプレイで産・学・地域,ファシリテーターの役を演じて貰ったのが,事前のグループでのファシリテーションについて対話したことも含めて,共創のファシリテーションを考える良いプログラムになった(外部講師も強く感じたようである).

【※実施内容(非参加者にもわかるように)】
ゲストによるインプットトークを受けて,5名1グループでロールプレイを行った後,グループ内の観察者による記述をもとにした振り返りと全体共有を行った.

【企画側の気づき】
(Keep)
オープンイノベーションの現場の実体験に基づいたワークは,個々の参加者に深い気づきをもたらすことができた
以前の東京支部の定例会では珍しいことではないが,実践者の経験に基づいた現在進行形のファシリテーションを題材にした内容は,企画者にとってもプログラムのテーマ出し,コンテンツを考えていくプロセスをつくっていくというところが,定例会本番以上に個々人のファシリテーション感をゆさぶられる良い経験となった
企画を詰めていくプロセスそのものが,まさに企画者と外部講師・ファシリテーターとの共創の場となった

(Problem)
Peatixで学生無料枠を設け,SSDCのプログラム受講生にも呼びかけたが,結果として学生参加はゼロだった
非会員の参加者の中で,ワークの目的がいまひとつわからなかったという意見があった
ブレイクアウトルームの中でやることの説明が不十分ととらえた参加者がおられた
内容が必ずしもファシリテーション初心者向けのものではなかったので,他のテーマの定例会に慣れている一部の参加者にとってはフィットしなかった可能性がある

(Try)
今回の定例会の実施をきっかけに,社会システムデザインセンター(SSDC)における共創の場づくりに関する他支部での定例会の打診があったので,北村さんと相談して前向きに検討したい
後日,分子ロボットを循環農業への適用に関する市民講座の質疑で,今回の定例会のロールを例に共創の場づくりの可能性についてパネルに意見を求めたところ,農業者対話ではロールはうまく機能しなかったと言われたので,今後,ロール以外のもっと有効な共創の場づくりを,応答した当人(農業者対話の実践者・ファシリテーター)を巻き込んで,機会があれば経験に基づいた実践的な定例会を企画してみたい
ファシリテーションの応用可能性を広げる内容の定例会は,最近よくあるタイプの定例会では飽き足らない会員に刺激を与えることにもつながるので,企画者としてもTryを続けたい

【プログラム】
オープニング(10分)
ゲスト自己紹介(5分)
アイスブレイク(10分)
インプットトーク(25分)
休憩(10分)
ロールプレイに向けたダイアローグ(40分)
ロールプレイスクリプトの確認を兼ねた休憩(10分)
ロールプレイ(60分)
休憩(10分)
全体シェア(30分)
Q&A(10分)
クロージング(10分)
---(以下オプション)---
休憩(5分)
オンラインワイガヤ(55分)

【参加者の声】
共創の場作り自体が難しいことを理解した。
短期ではなく中長期的に成果を積み上げていくこと。 温度差ある人達をどう巻き込み、一緒に活動していくか。否定的ではない建設的な議論ができる関係性作りが大事。
いかに本音を場を壊さずに引き出すか、結局は人の関係がプロジェクトの成否を決めるんだなあと感じました。
非常に興味深いテーマであり、またファシリテーターとしての在り方についても学ぶことができ大変勉強になりました。
最近の定例会は、初心者向けが多く、今回のように熟練者向けの内容で良かった。特にファシリテーションとしてではない実践者を今回のように呼んで、一緒に考える企画は、非常に学びにつながる。

報告者

立花浩司(FAJ会員)

報告日

2022/10/25