2022年12月定例会レポート『【テーマ】 「悪いコトバ」の謎に迫る! ~ファシリテーターのための「悪い言語哲学入門」 ~』東京支部

調査研究:東京支部 2022年12月度定例会

テーマ

開催日

2022年 12月 24日(土)

会 場

北とぴあ第二研修室(東京都北区)&オンライン

講師・ファシリテーター

ゲスト:和泉悠 氏(南山大学人文学部人類文化学科准教授)ファシリテーター:斉藤俊哉(FAJ会員)

企画運営担当

石森昌子、大石寿宏、岡本久義、立花浩司、永野直樹、山崎努、山田一郎(以上、FAJ会員) 7名

参加者数(会員)

35名(会場:10名、オンライン:25名)

一般・見学者数

1名(オンライン)

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

【※本テーマの主目的・検証したかったこと】
会議やワークショップなど、ファシリテーションの現場で使われがちな「悪いコトバ」に意識的になり、自分なりの扱い方を見出す。

【※主目的・検証したかったことについての実施結果】
悪口やミスリードといった「悪いコトバ」について、言語哲学からの捉え方を理解してもらうことができた。
対話やシナリオ作成を通じて、ファシリテーターとしての「悪いコトバ」の扱い方を自分なりに考えてもらえた。

【※実施内容(非参加者にもわかるように)】
ゲストのレクチャを聴いて、「悪いコトバ」 についての理解を深める。
個人ワーク・グループワークで、悪口やミスリードの事例を考える。
ダイアログで、ファシリテーターとしての学びを振り返る。

【プログラム】
1.オープニング
2.ダイアログ1「悪口とはどんな言葉だと思いますか?」
3.レクチャ1「悪口とは何か」
4.ワーク1-1「一見悪そうだけど悪口とならない発言とその状況を考えてみよう」
5.ワーク1-2「一見悪くなさそうだけど悪口となる発言とその状況を考えてみよう」
6.レクチャ2「ことばのトリック」
7.ワーク2「会議において他者をミスリードするような発言を考えて、その時の状況や周囲の反応などと共に演じてみよう」
8.ダイアログ2「ファシリテーターとして、悪い言語哲学から学んだことは?」
9.チェックアウト「今日の感想・気づきは?」
10.クロージング

【参加者の声】
・考えたことがあまりなかった視点だった。
・講義とワークを織り交ぜていてよかった。
・興味深いテーマで話題を絞って提案いただけたので話がしやすかったです。
・ワーク1−1は、発言を思いつくまで少し時間を要した。最初のワークなのでもうすこしヒントでリードあると良いかもしれない。ワーク2は、シナリオをどのように整理するかで多く時間を使ってしまった。シナリオを演じる上で、例えばグループ全員が話すように、とかルールを決めていただけると、議論が盛り上がったかもしれない。
・大変興味深く拝聴致しました。悪口が劣位と関連している事が、良く判りました。ありがとうございました。
・ワーク2のロールプレイが特に良かったです。シナリオを考えたり演じたり、さらには他グループのロールプレイを見ることで、今日のテーマの内容をより身体で理解することにつながりました。
・悪口とは劣位感=ランク付け行為との話が腑に落ちました。これは承認欲求も背景にあるのかな?とも思い、自分自身はどうなのか?振り返る切っ掛けになりました。シナリオ作って急場で役を演じるのも、恥ずかしさもあるが経験値にもなりで良かった
・非常に面白かったです。和泉先生のレクチャーも、参加者の方のお話も面白くうかがいました。ハイブリッドは最も難しい形態ですので、運営の方のご苦労はひとしおだったのではないかと思います。ありがとうございました。その上で今後のためになるかもしれないと思い、蛇足で重ねると、ブレイクアウトルームのタイムキープが分かりにくかったです。それと、時間を有効活用するために、進行役もしくは発言順などを示すのも一つの手かと思いました。また、私が直前に購入したので、入り方が分からず、ご迷惑をおかけしました。おかげで参加できたのですが、購入〆切を前日になさるなど、当日の運営支障にならないよう、ご検討ください。
・前半の「悪口」の部分は分かりやすく深まった。後半の「ミスリード」の部分は、情報も多く、消化しきれず、進行の説明も不十分で、ロープレの台本も完成しなかった。
・悪口というテーマでしたが、言語の深いレベルの話で、満足です。何を言ってもセクハラやパワハラになってしまう...という人たちには、「劣位の強化」で説明するとわかるのかな、と思いました。ジェンダーバイアスに関しても「悪気がなくても無意識に女性を下に見ている事が露呈してるんですよ」と言うよりも(そんなことを普段直接言う事はありませんが)「劣位の強化」で説明できるな、と思いました!

【企画側の気づき】
・「悪い言語哲学」を定例会で初めて扱った。専門家をお呼びして直接レクチャしてもらったことは、大いに理解の助けになった。
・レクチャの内容理解をより深めるために、自ら事例やシナリオを考え、実演して他者からフィードバックしてもらうことは効果があった。
・ワークショップのハイブリッド開催にチャレンジし、プログラムデザインの工夫や必要機材などについての知見を得られた。
・会場にいるメインファシリテーターは、どうしてもオンライン側の状況にまで目が回らない。オンライン側でもメインに準じるファシリテーターが進行することが必要と考えられる。
・ハイブリッドの時のZoom URL等の告知がPeatixシステムにゆだねる事ができず、直前の申し込み対応ができなかった。この部分は今後の課題です。

報告者

斉藤俊哉

報告日

2023/01/17