2026年3月定例会 報告書 テーマ1 問いの力で対話の質を高めよう ~初めての哲学対話~東京支部

調査研究:東京支部 2026年3月度定例会

報告書 テーマ1 問いの力で対話の質を高めよう ~初めての哲学対話~

【テーマ】

問いの力で対話の質を高めよう ~初めての哲学対話~

【会場】 

 かつしかシンフォニーヒルズ別館2F(メヌエット)

【日時】 

3月28日 13時00分~17時00分 

【定員】 

20名

【ファシリテーター】

  伊藤浩(FAJ 会員)

【企画運営担当】

向山、濱上(FAJ会員)

【参加者数】

 20名

【検証したい内容】

哲学対話の基本的な考え方と進め方を学び、参加者同士の対話を通じて「問いを深める力」と対話する力」を体験的に理解することを目的とした。 哲学対話を単なる対話活動としてではなく、ファシリテーションの理解と実践を深める一つの方法として位置付けた。 対話を支える進行の工夫や問いの立て方、参加者同士の理解を促す関わり方を学ぶことを通じて、ファシリテーションの普及と質の向上に寄与することを目指した。

【主目的・検証したかったことについての実施結果】

主な狙いであった「哲学対話の基本的な考え方と進め方を学ぶ」ことは十分に達成ができた。また、参加者から「当初設定した問い」についての疑義も示され、哲学対話の効用がより多く感じられた。 なお、「聞くよりも話したい・伝えたい」という気持ちの強い方にとっては、「多人数での対話」が苦しいものと感じられたようで、ファシリテーションとの違いがより鮮明になった部分があった。

【実施内容】

「哲学対話」についての基本的な知識をレクチャーで伝えた後、「ロールプレイイングによる哲学対話」を全員で鑑賞して、進め方等の理解を進めた。 この後、全参加者が参加する形で一つのテーマについて話し合うという形式で「他者の話を良く聴く」ことを意識した対話を進めた。  

参加者の声】

■「哲学対話」体験の感想

・対話を通じていろいろと考える機会ができました。とても楽しい時間でしたし、哲学対話と言う可能性にもとても興味を持ちました。

・普通のファシリとは違う、哲学対話ならではの効用があるなと感じてて、何でだろうということをもう少し追求したい。

・合意形成に向かわなかったことでストレスを感じた方は多々しらっしゃったが、この回ならではの体験ができて満足しています。

・自分の考えと他人の考えの違いを前向きに認識することができました。

・テーマを考えることはもちろん、言語化することや新たな問いという視点で考える事が必要だと感じました。新しく問いを投げかける人と、それ以前の問いに答える人と、結局何について考えているのか分からなくなることがありました。そこがすごく難しいと感じました。

・『答え』の出ない課題について、そのモヤモヤを独りで抱えるという行為が想像以上に辛いということを体感できた。

【哲学対話の形式とレイアウトについて】  

・あえてグループに分けずに全体で進めたことで、盛り上がり、いろいろ考えることもできて、良かったと思います。

・誰にでも当てはまるテーマで大人数ではあったが意見が活発に出ていた点や、テーマの前提を問うた点など話が膨らんでおり哲学対話の世界を体感できました。

・20人近い参加者が一堂で話し合うというFAJでは稀なパターンでした。ただ、この状態って会社の会議等では良くある形であり、そういう場に活かせる気がしてます。

・対話の椅子は円形にし、人数は6名以内にした方がお互いの話が理解し易く、問いが深まる、板書も全員が見易い位置で行う方が良いと思う。『対話』ができるような人数配置と進行ではなかったように感じる。

【その他】

・対比することでファシリテーションがより理解できた。 ・問自体の定義も疑うことに気づいた。 ・自分の意見に固執せず、意識を広げることの大切さを感ました。

・哲学対話にも色々あること。目的次第で設計を変えることを学んだ。

・今回のテーマで出てきたキーワードを、自分で、後で振り返りたいです。また今回は、テーマについて全体を考えることと、自分個人を見つめることを、繰り返すことで、とても有意義だったので、そういうことは、今後にも活かしたい。

・こんなに楽しいとは思わなかったです!!非常に学びの多い勉強会でした! ・参考資料の紹介が充実していた。体験時間がたっぷりあった。

・『問い』『問いの力』についての新しい知見や、促進する技術を学べたかというと、微妙。

【アンケート結果】

・テーマの満足度 ★★★★☆(4.5)

・ファシリテーション・進行について ★★★★☆(4.4)

・プログラムの構成、内容について ★★★★☆(4.6)

【企画側の気づき】

■話題提供者より

哲学対話を経験することで、ファシリテーションの枠組みを広げることにはつながったのではないかと思う。問いを深めていく哲学対話の手法も参考にしていただけたのではと感じる。機会があれば発展版を研究会で提供したい

■運営企画者より

行政書士の方々が多数参加され、通常のFAJ定例会と異なる視点が多く提示された。新規会員を希望される方も複数出るなど、新鮮味のある定例会となった。 また、主題となった「働く」という言葉に多様な意味・価値があることが確認され、ファシリテーターとしても対話者としても「言葉の多義性」を意識することの重要性が明らかになった。「自分の言葉で語る」ことが他者に通じるかどうかを意識する必要が分かった。

【報告者】  

向山(FAJ会員)