2004年度01月定例会 先生はファシリテーター!小学校図工の現場から東京支部

第15回東京地区定例会議事録

■日時: 2005年1月29日(土)13:00〜17:00
■場所: 日本経営協会(NOMA)研修室
■テーマ: 「先生はファシリテーター!小学校図工の現場から」
■担当: 話題提供:山口 佳奈美さん、企画・ファシリテーター:
       三田地 真実さん(FAJ通り名:野菜さらださん)
       アシスタント:しづか まさのりさん

■研究会の流れ■

◇今回の狙い:
ファシリテーション的に行った授業実践を通して、ファシリテーション的な授業と従来の授業の違い、教師がファシリテーターとしてかかわる意義に考える。
(企画者の意図は、意思決定力をのばすファシリテーション)

1、オリエンテーション
小3から小6の図工室の雰囲気を味わうという独特な雰囲気で始まった。ワーク1として、「思い出してみよう!自分が受けた図工・美術の授業で印象に残っているものは?」という問いが提起され、参加者から各自の思い出が上げられる。

2、実践報告
話題提供者の山口さんからの発表。従来の教授型の授業と異なった、児童自ら学校の外に出て行って自分達の作品を展示するというファーレ3小アートツアーを紹介する。

従来の図工と本実践の違いを以下のように説明する。
従来の図工
-ゴールが最初に設定されている。
教師が設定したテーマに基づいて手順を追って作品を制作
-個人製作が主体
-校内での展示

本実践
-ゴールフリー
かかわる相手や場所の情報を元に作品の構想を児童自らが練る。
ファシリテーター型に援助促進型にした。
-グループ製作
-地域に作品を展示

ファシリテーターとしての教師の役割を以下のように説明する。
-ファシリテーターはプロセスに関わる人である。
-子供の活動を丁寧に見取り、関わりながら脇役として援助促進すること。
-子供の意思決定力と多様性を引き出す。

また、ファシリテーターとしての役割は後から教えてもらった。現場ではファシリテーションって何というのが実情とのことである。

3、ワーク2 ファーレ代々木プロジェクト
ここで、定例会全体で図工の授業が始まる。

ファーレ代々木プロジェクトとして以下の日本経営協会(NOMA)からのリクエストに答えるようグループに分かれて考える。

1、外部からの客をなごませるようなオブジェを作りたい。
2、喫煙ルーム:入るのも恥ずかしい、区切らず喫煙者・禁煙者が共生できるものに
したい。
3、セミナー参加者が触れ合えるような場を作りたい。
4、外のブタの広告が気になるのでなんとかならないか。

と、いうようにNOMAのロビーを改造する案を大募集される!

4、グループワーク後の発表
各グループには島の名前が付けられる。
?サバンナ島
・豚のオブジェを作り、チョコなどの甘いものを入れる。
・小物入れに質問表を入れる。
・掲示板を入れる等。

?のむ、NOMA、たの島
・入り口をトンネルにする。
・運動コーナーを設ける。
・鏡を置いて、あなたはブタですか、ソクラテスですかと聞く等。

?昭和ジャングルインディアン島
・ポスターが古いので外し、NOMAの歴史、理念のパネルを貼る。
・インディアンの文化の画を貼る。
・1階に3ひきの子豚の写真を貼る等。
その他、たくさんのクリエイティブで楽しいアイデアが満載される。

5、まとめ
教育の方法としては、
1.線路型、2.ガードレール型、3.放牧型
という3通りがあるが、ガードレール型が理想である。最終的に目指すものは、子供の自己選択能力と意思決定能力を伸ばすことである。

6、 参加者からの意見
・自ら考えるということをしなかった教師が自ら考えることを教えられるのか?
・大人の方がルールに縛られているのでは?
・ファシリテーションよりも教師の人柄の方が重要では?
・新鮮なネタだったので、クリエイティブなものができた。
・総合学習が削減され、流れは逆行しているのでは?
・今の教師でこのような教育ができる人が何人いるのだろう?

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