2009年度02月定例会 2.ファシリテーターのための身体感覚ワークショップ東京支部

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 テーマ2:「ファシリテーターのための身体感覚ワークショップ
      〜自分の存在感を自覚して、場を受け容れ、場に働きかける〜」

 
日時: 2009228() 13:0017:20
 
場所: NOMA 3
 
参加人数: 28
 
ファシリテーター: 松田恵美子
 
スタッフ:         山田竜也、川上泰央、鈴木まり子、
          叶陽介、嶋田博幸
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【概要】

身体感覚教育研究者の松田恵美子さんを講師に向かえ、
『身体感覚を意識して存在感をコントロールする事により、
場を受け容れたり、場に働きかけたりすること』を
体験と解説とを組み合わせながら学びました。

身体感覚を研ぎ澄ませるワークを通し、
座るという何気ない動作、その時の姿勢、そして相手との距離、
こうしたものが自分のココロモチや
相手とのコミュニケーションに影響する事を体験しました。



【プログラムと当日の流れ】

13:00 各種連絡事項
 体で感じるワークのため、明確に答えがでないような
 もやもやがあっても、それ自体を感じてもらうことを伝えた。

13:10 チェックイン
 皆で丸く椅子に座って、「今日どういう気持ちできたか」を一言ずつ伝えあった。

13:15 イントロダクション
 本日の講師の松田さんより、
 「体の内側の感覚、全体の統一感の感覚や、存在感とはなにかを感じて欲しい。
 34時間後、このワークが終わったときに、どんな自分になっているか、
 その違いを感じてください。」とイントロダクションを行った。

 ワークの終了時にどのような変化があるかを確かめるため、
 皆で床に車座に座って、今の体の雰囲気をチェックした。

13:26 全身の関節のストレッチ
 ストレッチをすることで、体の感覚がどのように変化していくかを感じながら、
 足の指、足首、膝、股関節、上半身様々な関節をストレッチした。

14:11 口先、手先のワーク
 2人組で向かい合って立ち、指先の力、手首の力、肩の力のそれぞれで
 相手を押したとき、相手の体がどのように反応するかを確かめた。
 指先で押したときは、相手も指先で応え、
 肩で押したときは相手も肩で押し返すといったように、
 自分の体の力の入れ方が、相手にも影響を与えていた。
 「コミュニケーションでも同じように、口先で言えば口先で応えられ、
 腰をすえて伝えれば、相手も腰で応えてくれる。」
 これがコミュニケーションの極意とのこと。

14:40 手首と腹・腰の力を連動させるワーク
 上虚下実(上半身はリラックスし、下半身に力が満ちている状態)になると、
 手首で相手を押すときに、腹や腰の力が連動して加わることを確かめた。
 この状態ではお互いに押し合う・競い合うという感覚ではなく、
 調和や一体感を感じることを体験した。

15:00 休憩

15:07 正座・座り方のワーク
 正しい正座の仕方や、男女の座り方の違いを練習した。
 そして、座った姿勢(特に腰や腹)や座る距離が
 相手の体に影響を与えることを体験した。

15:50 位置取りのワーク
 対面して座ったときの感覚と、側面で座ったときの感覚の違いを体験した。
 対面したときは、お互いの顔の力が強すぎるが、
 側面で座った場合は、顔の印象が消え、腹や腰の印象が現れ、
 全体的に心地よい印象となった。
 「日本人は本来面接(対面)を信じず、側面で座ることで腹接・腰接で
 お互いの人間性を見抜いた」とのこと。
 また、側面で座る際に、先に座るほう、または左に座るほうが主人、
 反対に後から座るほう、右手に座るほうが客人と言う
 主客の関係が身体感覚に与える影響を体験した。

16:45 車座で呼吸法と一本締め
 ワークのはじめと同じように皆で車座になって座り
 瞑想を取り入れた呼吸法を体験した。
 ワークの始まる前と今とでは、皆の存在感や
 場の空気の違いがあることを確認した。

 最後に一本締めを行い、終了の空気を作り出した。

17:00 チェックアウト
 皆で、丸く座って、今日のワークの感想を一言ずつ話した。
 ・ファシリテーターの身体感覚や場への影響の大切さを感じた
 ・すっきりして、とても気持ちが良い感じになった。
 ・自分の体が思うように動かなかった。
 等の発言が出された。
 
 
【スタッフ所感】
アンケートの結果等から、スキル系のワークだけでなく、
こうした身体感覚系へのニーズが高いように感じた。
また、絞り込んだテーマで時間をたっぷり使う事への
賛同が多いという印象を受けた。

反省点としては、プログラムの時間が押してしまい、
振返りの時間を十分に取れなかった点が挙げられる。
タイムマネジメントとプログラム構成の大切さを
再度意識し次回に望みたい。

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