2010年度6月定例会 1.ブラインドファシリテーション東京支部


■主 題:2010年6月定例会 テーマ1『ブラインドファシリテーション』 

■場 所:日本経営協会(NOMA)2F

■日 時:2010年6月26日(土)12:30〜17:00

■M F:青木将幸(青木将幸ファシリテーター事務所)

    :石井宏幸(日本視覚障害者サッカー協会出向)

■企画者:鈴木まり子(ちびまり)、田頭篤(たがしー)

■参加者:28人







12:30〜13:10



■1:自己紹介ワーク

   目が見える(=晴眼者の)状態で全員の前で、ぐるっと名前を言う。



   全員アイマスクを装着し、再度、全員の前で、ぐるっと名前を。

   変化させたい人は変化させてもよし。



   1度目と2度目で、何か違いがあったか?を全体討議。

    「聞き方が変わった。よく聞くようになった」



    「隣の方の名前を覚えていなかったので、

     自分が自己紹介する番なのか判断に迷い、間があいてしまった。

     また、判断材料が声しかなかったので、聞こえてくる声に集中した。」

    「自分の声が、どのあたりの相手にまで届いているのか気になった」

    「視覚が遮られて初めて、人ぞれぞれの声が違うことに気づいた」

    「話す声のスピード・大きさを、心がけるようにした。」

    「自分の名前を言ったあとは、その後に話す方の内容をじっくり聴けた。」

    「自分が普段、いかに目に情報を頼っているのかがわかった。」



13:10〜13:30



■2:ブラインド状態におけるガイダンス

   両MFによるアイマスク装着のガイダンス。

   石井MFがブラインドサッカーのパスワークをデモ。

    「本日のワークでアイマスクの装着が怖くなったり、

     円座から抜けたくなった場合は、ガマンせずに輪から抜けたり、

     部屋から退出してもよい」

    「冒頭のワークでやったように、ブラインド状況のほうが、

     より言葉を発し、受け取る可能性がある」



13:30〜14:20



■3:ブラインドワーク その1「グルーピング」

   アイマスク装着しグルーピング(各約3分)

   ・所有携帯キャリア別「ドコモ」「AU」「SB」「その他」

   ・現住所別「23区」「多摩」「その他県別(千葉、神奈川など)」

   ・血液型別「A」「B」「AB」「O」

   1巡後、グループワークでのコツを全員で振り返り

    「たくさんの人が一斉に自分の属性「例:ドコモ」を

     周囲に向かって呼びかけると、

     周囲と声が重なり、結果として皆が聞き取りづらい。」

    「声を出すより、なるべく聴くことを優先するとよい。」

    「グループの中で声を呼びかける人を1人に絞る(全員で声を出さない)」

    「同じグループメンバの体の一部に触れることで、

     グループから離れずにすんだ。」

    「徐々に触れ合わなくても、グループに寄り添えるようになれた。」

    「拍手を工夫して使用することで、明快に4グループに分かれた。」

    「声を出すのも重要だが、聞くこと。

     聞く、話すのタイミングが重要。(石井MF)」

   アイマスク装着し6人組をつくる。(約7分)

   完成後、6人組づくりのコツを全員で振り返り。

    「ある程度人数があつまったら、両手をつなぎあい輪になる。」

    「人数の過不足確認は、全員で1から順に点呼しあう。」

    「ブラインドの方は全員の声を覚えている。

     自分の名前を呼んだり、片手だけ順にあげる方法もある。(石井MF)」



■4:ブラインドワーク その2 「ボールタッチ」

   1人だけがアイマスクを装着し、呼んでくれた人に触れる(約7分)

   (5人で、正方形の頂点4点と中央点に立ち、頂点の1人目が、

    中央のブラインドに呼びかけ、頂点の1人目の手に触れさせる。

    その次に、2人目がブラインドに声をかける。

    4人目まで終わったら、別のブラインドに交代。)

   1巡後、グループワークのコツを全員で振り返り。

    「開始直後は、距離感がわからなくて不安だった。」

    「ブラインドへ声を当てるような気持ちで呼びかけた。」

    「ブラインドが動き易いように、具体的な指示を出した。」



   1人だけがアイマスクを装着し、音がするボールに触れる(約20秒×5回)

   (5人で、正方形の頂点4点と中央点に立ち、頂点の1人目が、

    ボールを強振して音を出す。ブラインドがボールにタッチしたら、

    1人目が2人目にボールをパスし、2人目はブラインドが

    ボールにタッチするまで、ボールを強振し続ける。)

   5巡後、グループワークのコツを全員で振り返り

    「1巡後の最高数:9回→5巡目:16回となった」

    「ブラインドが判断し易い名前・東西南北などを伝える」

    「ブラインドに、具体的な距離「あと50センチ!」などを伝える」

    「ブラインドがボールをうけ取った瞬間に、次の行き先をすぐ伝える」





14:30〜15:20



■5:ペアを組んで、振り返り、意見交換後、全体討議。

   「ここまでのところ、何かありますか?」

    特に「ブラインドサッカー」の魅力について石井MFに質問が集中する。

   URL:http://www.b-soccer.jp/team/



■6:ブラインドワーク その3「ブラインド・コミュニケーション」

   ペアで指示役・ブラインド役の役割を決定し、

   青木MFがホワイトボードに描いた図形を、前者が見て、

   その図形を後者へ具体的に説明し、同じ図形を描かせる。(2回)

   2巡後、ペアワークのコツを全員で振り返り

   「事前に全体像(数・大きさ)を伝えることに努めた。」

   「何かに例えて伝えた(例:三角定規・手裏剣)」

   「書いているうちに、徐々にテンポアップできた。」

   「ワークの最中に褒めて貰えると、気分がよかった。嬉しい!」

   「ほめる・認めるなどの声をかけることは、相手に安心感を

    与えることができ、意思疎通上、重要である。(石井MF)」





15:30〜16:00



■7:ブラインドワーク その4「ブラインド会議をやってみよう」

  1:晴眼者0名(全員アイマスク)

    約6分/お題:自己紹介

  2:晴眼者1名(書記以外アイマスク

    約10分/お題:今どんな感じ?

  3:晴眼者5名(テーブルFのみアイマスク)

    約10分/お題:視覚を一時的に無くすことが、何をもたらすのか

  4:晴眼者3名(参加者2名のみアイマスク)

    約15分/お題:視覚障害者とのミーティングマニュアル

  5:晴眼者6名

    約10分/お題:上記1〜4まで体験した感想



▼8:全員で振り返り

   「楽しくも、学び深い時間にしたいといつも思っている。

    修正点なども多くみつかった。(青木MF)」

   「場のテンションが高いのでビックリした(石井MF)」

   「体に触れるということの重要性に気づいた。」

   「視覚に、極度に依存した日常生活であったことを再認識した。」

   「『相手の気持ちになって考えろ!』と言われることが多いが、

    (視覚障害者の)立場になって、感じることが多かった。」

   「五感をフル活用できたワークを通じて、視覚の大切さを感じた。」

   「アイマスクを装着することで、なぜか皆が

    前のめりになっている状態を嬉しく思った。

   「プログラムの進め方が緩やかで、かつ示唆に富む内容であった。」

   「アイマスクをした段階で瞬時に、自分が何もできないことに気づいた。」

   「みなさんにとって、よいきっかけになるといいのですが(青木MF)」

以上。

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