2014年度10月定例会 2『演劇を通じてファシリテーションを感じる、考える』東京支部

       

事業内容 調査研究:東京支部 2014年10月度定例会
テーマ

テーマ2「演劇を通じてファシリテーションを感じる、考える」

開催日  2014年10月25日(土)
会 場  大田区民センター 第9教室
講師・
ファシリテーター
おきなお子(FAJ会員) 1名
企画運営担当
小崎照卓、田代翼、野口砂絵子、花田孝之(以上FAJ会員)
 
4名
参加者数(会員) 10名
一般・見学者数 0名
テーマ詳細
プログラム内容
担当者振り返り
参加者コメント
など
演劇は関係性の芸術ともいわれます。
人と人、人と集団、役者と観客、観客と観客…
それぞれがどのように関係をつくり、
それぞれがどのような感情をもち、
それぞれがどのように振る舞うのでしょうか?
それを表現し、感じることが演劇の醍醐味の一つです。
 
ファシリテーション演劇プロジェクトでは、
そうした演劇とファシリテーションとのつながりを探求しています。
 
今回の定例会では皆さんと一緒に演劇を体験します。
とはいっても身構えないでくださいね。
少しずつ心と体をリラックスさせて、
みなさんがいつもの自分で役割を演じられるようにサポートします。
 
台本なんてありません。
決まりきった結末もありません。
 
非言語(ノンバーバル)コミュニケーションの自然な体得、
感情や多様なシグナルを肯定し、ファシリテーターとして、場への信頼を高める
など、ファシリテーションの深化につながる体験をしましょう! 
そして、体験のあと、演劇とファシリテーションとのつながりを
ぜひ一緒に、探求してください!
 
【プログラム】
1.チェックイン 〜えんファシって?演劇って?
2.アップ 〜身体とつながろう
3.ステイタス 〜言葉のないシーンづくり。
4.ちょっとお芝居みてください&人が変わるとこんな感じ 〜こんな作品創ってみました!
5.演じてみちゃおう!役も変えてみよう!!
6.ふりかえり
 
【参加者の声】
■演劇とファシリテーションについて、
ファシリテーターを役のようにとらえ、意識して役割に入っていくと良い、という意見と同時に、(ファシリテーターでも)どんな場でもいつもの自分を出すことが大切、という意見があった。
最後のチェックアウトでも両方の声が上がったが、これは相反するものではなく、
自分のなかのたくさんの役(ロール)に気づき、それを意図的に使うか、または、
場が引き出すのを待つか、ということではないかと思う。
自身がムーバー的にスタートするか、レシーバー的な意識が場にとって良いかを知っていることは、ファシリテーターの在り方として、強みになるのではないだろうか。
 
【MF振り返り】
■参加者がファシリテーターであることで、自主性、コミットメントの高さ、柔軟性、場を大切にする、人前に慣れている、等のスキルがすでにあり、この部分への配慮をmenuを通してやる必要がなく、play(演技)を中心に展開できたWSだった。
そのため、最後のシーンで演じる部分に重点を置くことができ、参加者の手ごたえが高くなった。
懇親会の場でも、演ファシメンバーの演技ではなく、参加者のシーン演技についての話が盛り上がっていて、ミニマムながら「役者体験」(観劇する→演じる→観客のリアクションを聞く→自分の体験を語る→次への意欲が湧く) を一通り体験してもらえたように感じ、嬉しかった。
■WSの狙いとして持っていた、役を変えることで、人が違うと関係性が変わり、シーンが変わることなどは、参加者の多くが実感してくれた。
演じること、観劇すること(関係性や場におこっていることを発見すること)をenjoyしてくれたことに満足している。
演技のレベルが高かったことにも注目したい。
■ワークに取り組む中で、身体性のワークの時、自意識を落とせた方は少ないと感じた。(…ということは、在り方としてメタ認知からの管理が強い。同じ傾向が、ステイタスの初めに何も起きなかったところにも現れているかもしれない。)
しかしそれは、強みに置き換えると、「意志を持って役に取り組む、役の行動が明確である」ということで、実際シーンの展開にあまり停滞がないことや、「告白する」「拒絶する」「好意を受け取る」など、通常edgeになりやすい感情が高い部分をどんどん扱っていけるという優れた部分にもなっていた。
そして、参加者の無意識を活かしたふるまいは、身体性ワークという個人的内面での獲得ではなく、その後、演ファシメンバー、参加者同士の演技を見たうえで、獲得されていった。
ミラーニューロンが働きやすい(他者と自分を評価によって分けることがなく、共感しながら見て受け取っている)、シグナルアウエアネスが高い(他者の行動の発端、感情を動かすきっかけなど気づく力が強い)、ということかもしれない。
このあたりは、ファシリテーターと演技の関係を表す(またはFAJの傾向を表す)1つのサンプルかもしれない。
■参加者全体を1つの輪としてとらえた時に、身体性のワークを終えた時点で、静けさ、盛り上がりなど、全体で1つの雰囲気(質)をすぐ共有できるようになっていた。
(…その共有力もあってか、シーンを2回演じた1チームがもう1つのチームのラストシーンをずっと観劇し続けるという場が自然に生まれていた。自然発生的な美しい舞台だと感じた。)
最後の輪での振り返り以外でも、全体でのワークをplayとして何か折り込めたら
良かったかもしれない。また、コメント共有の集中も高かったので、そのあとディスカッションに移行できたら、なお良かった。
 
【担当者振り返り】
■会場の使用について、音量の問題があり、グループ別シーン上演は、
2チームが限界。贅沢をいえばやはり1チームで静寂という場面を可能にしたい。
報告者 田代翼
報告日 2014年11月8日
その他特記事項
 
 
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