事業内容 | 調査研究:東京支部 2016年4月度定例会 | |
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テーマ | ムーブメントを巻き起こす実践ファシリテーション!その仕組みとコツを沖縄離島の事例から考える | |
開催日 | 2016年4月23日(土) | |
会 場 | スクエア荏原 イベントホールC | |
講師・ ファシリテーター |
平井雅(FAJ会員) | 1名 |
企画運営担当 |
運営:遠藤紀子、小瀬一幸(以上FAJ会員) |
2名 |
参加者数(会員) | 32名 | |
一般・見学者数 | 4名 | |
テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメント など |
【概要】 ファシリテーションを学び、実際に現場で試行し、苦労しながらも確かにその会議はうまくいったとしても、そこで生まれた「熱気」や「想い」を実際の成果として継続的に繋げていくことはなかなか難しい。 職場や地域など、いろいろな協働が求められる現場では、個々の場面でのファシリテーション技術はもとより、一定期間のプロジェクトの設計力、ステークホルダーとの交渉力、資金や人材の調達力などの総合的な「巻き込み力」が成功の鍵を握っており、それは広い意味でのファシリテーション力とも言える。 2014年7月に実施したテーマのブラッシュアップ版となる本定例会では、沖縄離島の地域活性化の取り組みをモデルケースとして、様々な背景や考え方を持つキーパーソンの参画を促し、合意を得ながら巻き込みを図っていくプロセスをデザインするワークを行った。 個性的な面々の合意をどのように形成し、いかに離島の人たちを巻き込んで流れを作り出すのか、そのためにファシリテーションはどのように活用できるのか、プロジェクトをデザインするためのコツは何かを、ともに考えた。 【プログラム内容】 1)本日の全体の流れと成果目標の確認 2)自己紹介(生い立ち、ファシリテーター歴、地域振興・人材育成の現場での役割。ファシリテーターだけでは成果が出ない。コンサルタントとファシリテーターの立ち位置をTPOで使い分ける) 3)グループ分け ファシリテーションについてどのぐらい知っているかを自己判断で数値化し、バランスが均等になるようにグループ分けして着席。 4)アイスブレイク どんな参加者がこの場にいるのか?問い3つを投げかけで確認。 (i)間違いなくA、(ii)どちらかといえばA、(iii)どちらかといえばB、(iiii)間違いなくBの4択をしてもらう。 5)前提知識の共有 沖縄離島の実情に関する知識と実際の地域活性化イメージを共有することが目的。沖縄の離島の現状、これまで支援した離島、支援内容例(分野・基本方針)、 そこから学んだプロジェクトデザインフレームワーク等。 〜休憩〜 6)ワークの進め方 仮想ケースの設定として、地域の活性化プロジェクトを受託したコンサルタント/ファシリテーターチームの一員として初年度の事業計画書を作成する。 7)プロセスデザインワーク 各チームごとに自由に認識を合わせ、計画案を作成した。 8)発表(他の島巡り×3回) 一人だけグループに発表者を残し、それ以外の人は他のグループを見て回る。 各発表の出だしは、「私たちのコンサルタント/ファシリテーターチームは、___を目玉だと考えています。 なぜならば、____を大切にしたいからです。」とする。 9)島ごとの振り返り 他の島で話を聞いてきた結果を共有しながら振り返る。 10)「話題提供者ならこうする」〜質疑応答 【参加者の声】 ・アイスブレイクの3つのアンケート「あなたが今日この定例会に参加した理由は?A.仕事上必要だからB.テーマに関心をもったから」「あなたはどちらに憧れますか?A.広大な北海道の大自然B.のんびりとした沖縄の青い海」「ファシリテーションについてあなたはどちらのタイプ?A.まずやってみるB.まずは勉強してから」は、今回のような具体的なケースをもとにワークをする際に、グループの人を知るやり方として良かった。 ・ワークの最後にMFの実体験から導き出された考えである、ムーブメントを起こすには、着火点を探りながら沸点の低い人を探してまず燃焼させる、人柄やスキルに応じた巻き込み時期・方法が大切ということ、また、個性を分断させずに全体として盛り上げるにはワールドカフェ等が有効です、という話が聞けてなるほどな〜と思った。 ・人材や資金が限られている離島を活性化する方法として、今回は「働きかけのプロセス」に着目したテーマだったが、「コンサルテーションとファシリテーションの違い」に着目したテーマで定例会をやっても面白いのではないかと思いました。 ・コンサルの立場に立って計画をつくるという前提でグループで話し合いを進めるのが難しかった。島民が何をするかという中身に深く入り込んで話す人もいて、意識を合わせられなかった。 ・前半のレクチャーで聞いた活性化のためのフレームワーク(T1〜T5)を話し合いの中で順番に考えたかったが、うまくいかなかった。 ・新しい事業を始めるところでまさにムーブメントを起こしたいと思っていた。実践的でとても役立った。着火点を探りたい。 【企画・MF振り返り】 これまで各地で実施してきたワークのブラッシュアップ版として実施した。 対象者を、地域や組織の現場で協働がうまく行かず「困っている度」が高ければファシリテーションという言葉が初めてという方でも参加可能とし、テーブル内で用語など適宜補足し合っていただくようにした。 ワーク自体の成果目標を、 • ファシリテーションの具体的スキルを学ぶというより、 ムーブメントのおこし方という新たな視点を得ている。 • 地域や組織の活性化に向けて、どのようにプロセスをデザインするとメンバーの巻き込みを図りやすいかのヒントが得られている。 • 自分の現場でもこの考え方を活かしてみようという気になっている。 と設定したことで、より実践的なワークの場になったと思う。 これまで何回か同じテーマで定例会を開催させていただいてきたが、年々参加者のファシリテーションに対する造詣が深まってきているように感じる。今回も、それぞれの現場での経験や課題に即した実践的な視点からの話し合いがなされていたと思う |
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報告者 | 遠藤紀子 | |
報告日 | 2016年4月30日 | |
その他特記事項 |
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