2018年08月定例会4『輪になって響き合おう!  ~えんたくんドラムサークルでファシリテーションの感性を磨く~』東京支部

調査研究:東京支部 2018年08月度定例会

テーマ

輪になって響き合おう! ~えんたくんドラムサークルでファシリテーションの感性を磨く~

開催日

2018年8月25日(土)

会 場

台東区民館 第5会議室

講師・ファシリテーター

三原 典子(ドラムサークルファシリテーター協会理事、REMO社公認ドラムサークルファシリテーター)

企画運営担当

飯島 邦子(FAJ会員) 1名

参加者数(会員)

12名

一般・見学者数

2名

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

【企画概要】
打楽器はあらゆる文化圏において最初に作られた楽器と言われており、人は昔から、輪になって語り、音楽を奏でて、歌い踊っていました。
つまり、それが人々が集い集まるコミュニケーションの原点といえるでしょう。
ドラムサークルは、その打楽器を使って輪になって即興で演奏をすること。
そこにはパフォーマーもオーディエンスもいない、全員が参画して感じたままを音にしていきながら、そこにいる人々のつながりやコミュニケーションを促進していきます。
今回は、話題提供とメインファシリテーターに、ドラムサークルファシリテーター協会理事の三原 典子さんをお招きし、楽器は使わず、輪になって語り合う対話のツールである"えんたくん"を活用し、輪になって音楽を奏でるドラムサークルとダイアログのコラボレーションにトライします。
この体験を通して、ファシリテーターとして、どのように場を感じとり、どのように働きかけるのか、そのヒントを見つけてみませんか?どうぞ奮ってご参加ください。

【プログラム内容】
1.オリエンテーション
2.セッション1
3.ミニレクチャー
4.セッション2
5.セッション3
6.クロージング
~ここまでが三原さんのワークショップ~
7.プログラムリフレクション

【話題提供者振り返り】
えんたくんを打楽器(ドラム)として活用することから、皆さんが無心に叩きリズムを共有することで次につながる話合いの心の準備ができた。そこで起きた事柄として、音があることで話しやすい、人や音を感じる、一体感、今ここの感情と感性、今ここで起きていることを大切にしている等、安心できる環境の場があるからこそ自発的に発信することができ、それぞれが受入れ共感することができるものであることを体感していただくことができました。ファシリテーターはスキルだけではなく、人を感じ、需要することから、その場を共有し自分自身の在り方や感性が場に大きく影響を与えるものであり、そして、一期一会だからこその安心安全な場つくりが大切なことと思います。日頃から活動されている方々が多く、的確に受け取っていただくこともでき、私自身も皆様から学びをいただくこともできた時間でした。
良い機会をいただき有難うございました。感謝。

【プログラムフィードバック】
プログラムフィードバックタイムでは、この場から共に探求する仲間として行う。評価ではなく、起こったことから学び取るために実施することを丁寧にインストした。ゆえに話題提供者も含めて全員で行った。
まずは、今回のテーマ(えんたくんドラムサークル)を調査研究の素材として、どのタイミングでどんな事柄に対して何を感じたかを付箋に出してもらった。
その日起こったことが参加者にどのように受け止められたが見える化され、信じるとは?、共感するとは?、リズムを合わせる、合わさっていく、一体感、相乗効果、等のキーワードが出ていた。また言語化できないが何かを感じるという付箋もあり、プログラムの流れを全体で見ながらみんなで振り返りながら、言語化しにくい感情も含め、付箋という道具を使って場で起こったことを見える化することができた。また、冒頭の導入の部分に対して、初めての場合のサークルの場づくりのハードルの高さや、それを埋めるための自己紹介の必要性、そして、無心になる時間と思考を働かせる時間が交互にくるとそこでリセットされるという指摘もあり、様々なファシリテーションの探求が繰り広げられた。個人的には、もう少しこの時間を長くてとれると調査研究としてもっと深まる気がしたし、FAJを理解をしてもらうことに役立つのではないか、と感じた。

【企画振り返り】
想定より参加員数が少なかった。しかし、少ないからこそ、ファシリテータの感性を磨き合う時間になったと思う。「人数が少ないと参加者の性格が場に影響する度合いが高まる」という参加者の指摘があったが、人は場を無意識に感じ取るもの。少人数だったからこそ、それを実感でき、学びに繋がった。
シェイカーやえんたくんを使った音を出すワークや、えんたくんを使った事例のレクチャー等から、次のような学びがあったと分析している。
・音で気持ちを表す、徐々に無心に音を鳴らすことで感情を出しやすくなる。つまり、気持ちの分かち合いが安心の場をつくることを実感した。
・音を聴いて音で応えること。色んな音を受容すること。つまり、受け容れることから人と人のかかわりに変化がおきるのではないかという仮説を持てた。
・ばらばらな音が徐々に一つの音楽として成り立っていくことは、共に成長できる仲間を実感することに繋がるのではないか、と感じた。
・ファシリテーターの三原さんは、一緒に叩きながら、メンバーの様子を観ながら聴きながら場を促進していたように思う。具体的には、例えば、体を縮めるジェスチャーで少し小さい音にしましょうと提案したり、逆に大きな手ぶりで音を大きくしたり、言葉で「一緒にどうぞ」といった介入をしながら、即興的にみんなで音楽を奏でていくことを促していたように見えた。

レクチャーによってドラムサークルの効用を理解することができた。が、ドラムサークルの即興性を感じ取る時間がもう少しあったも良かったと思う。参加者のアウトカムを丁寧に共有し言語化しておくことの大切さをあらためて感じた。

今回はプログラムフィードバックタイムを丁寧に行った。三原さんからも「とても有意義な時間で感謝です」とおっしゃっていただき、FAJの調査研究事業としての定例会を理解していただけたことは良かった。

当日は、スタッフおよび会場撤収は参加者全員にサポートしていただいた。
また、台東区民会館は宅配荷物を預かってもらえないため、えんたくんは佐川急便のサービスセンター留にして、台車で会場まで運搬した。

報告者

飯島邦子

報告日

2018/9/8