2003年度12月定例会 ビジョン・ミッションはこうやって作る東京支部

第4回東京地区研究会議事録

●日時 :12月20日(土) 14:00〜17:15
●場所 :日本経営協会 研修室
●テーマ:「ビジョン・ミッションはこうやって作る」
 ・進行役:志塚、神山、渡辺、高野(後見役)
 ・参加者:28名

1.全体内容

①主旨説明
②アイスブレーク
③基本認識の共有
 (1)ビジョン・ミッションの定義
 (2)FAJの内部環境・外部環境の分析
④ビジョン・ミッション作り実践
⑤振り返りとまとめ

2.個別内容と振り返り(⇒以下)
 
①主旨説明:冒頭で今研究会テーマの主旨を説明
 (1)東京地区研究会のビジョンを検討(多様な"思い"を反映)
 (2)ビジョン・ミッション作りのプロセスを体験を元に学ぶ

⇒冒頭での主旨説明が不十分だったためか、その後の議論で(確認のため に)戻ってくる場面があった。(2)のポイントを第一にもってきていたら、色合いも違っていたか。

②アイスブレーク(「隣人の証言」):
自己紹介系のアイスブレーク。円を作り、両側の方に自己紹介。同じ人と両隣にならないように、複数回、円を作っていく。5回、 「円作り&自己紹介」が終わったところで、ファシリテーターの指 示で、1回目からの円を再現していくのだが、両サイドの相手は 誰か、記憶を辿る過程で、連帯感も醸造されていく。
※恐れ入りますが、原典までは確認できておりません

⇒単純な構成だが、初対面の人同士が自己紹介を楽しみながらできた。
  「活用できる」との声も多く聞かれる。
    
③基本認識の共有
(1)ビジョン・ミッションの定義:
某企業やNPO法人のビジョン・ミッション例や、英語の原義を参考にしながら、それぞれのビジョン・ミッションの定義案をブレインストーミング方式で出し合いながら、「最大公約数」的な定義を模索

⇒各自ばらばらの認識をもっているために、収束プロセスが難航。そもそも、ビジョンとミッションのどちらが上位概念かでも人により考えが異なる。結局、定まった定義はなく、また、人・組織により様々な使い方をされて いる点を確認し、ゼロベースで本研究会における定義を確認することに。 それゆえ、ビジョン・ミッションのどちらかが先にくるか、といった議論や、時間軸の設定は行わず、次のようなおおよその意味内容を共有するのに留める

○ビジョン:なりたい姿・目指したい姿
○ミッション:使命・存在意義

(2)FAJの内部環境・外部環境の分析:
なりたい姿・目指したい姿を考える前に、現状を整理、共有 するために、SWOT分析を実施。

⇒(SWOT分析は民間企業の競争を前提としたものであり、NPOのビジョ  ン・ ミッション作りになじまないのでは?)といった、SWOT分析の手法に異論が相次ぐ。一方で、NPO法人でも「競争」の観点をもってもいい、との意見も出される。結局、「まずはやってみよう。やってみる中で見えてくる こともあるはず」との提案にも後押しされ、SWOT分析を強行。結局、ビ ジョン・ミッション作りとの関連付けは十分ではなかったかもしれない が、ブレスト方式で強み・弱み・機会・脅威を出し合ったことは、現状の 整理と共有には役立ったと思われる。

※定義(案)とSWOT分析結果は添付[定義swot.doc]ご参照。

④ビジョン・ミッション作り実践:
  ビジョン・ミッション作りの経験度合に応じて、3チームに分けてビジョン・ミッション作りを実践。

⇒グループ分けについては、賛否両論。(使った手法はほぼ同じだったとしても)チーム毎のプロセスや進め方に違いが見られ、おもしろかったとの評価があった一方、女性のみのグループを設けることはジェンダーハラスメントにつながりかねない、との指摘も後に頂く。企画した側としては、配慮が足りなかったことを率直にお詫び申し上げたい。

⑤振り返りとまとめ:
  各チームのビジョン・ミッション案を発表。作ってみての感想 
 (うまくいった点・難しかった点など)やプロセスを振り返る(役 割分担、ツールなど)
        
※振り返りの内容は添付[振り返り.xls]

<各チームのビジョン・ミッション案>
○Aチーム(経験少ない方主体)
 ・ビジョン :多様な個の力を組織(場)の力にし、新しい知を生み、
        日本を元気にする
 ・ミッション:協会内外のネットワークを作り、世の中に普及させる

○Bチーム(女性主体)→Bチームはミッションがビジョンの上位概念とした
 ・ミッション:FAJはファシリテーションを通して、人と人との関係に
        おいて共創を促進します
 ・ファシリテーター養成・派遣
 ・ファシリテーションの研究・普及
 ・社会変革を起こす 
 ・ビジョン :ファシリテーションのHubであり、ファシリテーターの
        Mother portである(一人一人がファシリテーターになり、
        協会に集ま り、勉強し、持ち帰るイメージ)
        
○Cチーム(経験ある方主体)
 ・ビジョン :・企業系のファシリテーションの蓄積を活かしてファシリ
         テーシ ョンのエクセレンスの体系を3年で作る
        ・世界で最も権威のあるファシリテーターの中のファシリ
         テーターになっている
         ・海外も含め、全世界にFAJの支部がある(日本 3
         年後、海外5年後)
          ・高齢者に雇用機会を提供する存在になっている
         ・ファシリテーションが義務教育となっている
 ・ミッション:優れたファシリテーションを普及させることにより、
        参加性と生産性の高いコミュニケーションの場を作り、
        世の中を明るくする

⇒(経験度合いの違いにより)作り上げるプロセスにどのような違いがあった か、についてもう少し深堀りしたらおもしろかったかもしれない。ツールや テクニックをお互いに確認しあうプログラムも用意はしていたが、時間が足りなかったために、実施せず。

今回出来上がったビジョン・ミッションの扱いについて、会長より、報告がなされる。「FAJ全体のミッション・ビジョンは、理事の間で継続検討する ことになっており、今回の成果に加えて、関西・九州等の考えも織り交 ぜて検討していきたい。東京地区限定のものについては、研究会の メ ンバーにおまかせしたい」ということで、継続検討とすることに。
 
最後に、後見役ということで、発言を控えられていた(?)高野理事より、ビジョン・ミッションの意義(本会ではじっくり触れることができなかったが、実は非常に重要なこと!)をお話され、研究会を締めて頂く。

次回の研究会は「組織変革ファシリテーション」の事例研究をすることに。メインファシリテーターは香取さんで、サポート役は八木さん


半袖で頑張る渡辺ファシリテーター プロフェッショナルチームの成果
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