2004年度10月定例会 結果につなげるファシリテーション東京支部

第12回東京地区研究会議事録

■日 時:2004年10月23日(土)13:00〜17:00
■場 所:東 代々木 日本経営協会 研修室
■参加者:30名程度
■講 師: 山下茂樹氏 (from関西研究会)
■テーマ: 「結果につなげるファシリテーション」
■ファシリテーター:チーフ森氏、アシスタント喜多、西田、菅野、伊東、高谷氏
■内容
1.オリエンテーション
2.山下氏の講義
  ?講義資料
  ・テーマ:手法の導入に見るExecution ?GE vs A社
  ・GEの変革に向けての段階的な取り組み
    ・ワークアウト、CAP等の概略
  ・A社での失敗事例
  ?内容
  ・executionは「実行する」であるが、「とことんやる」「やり遂げる」ことである。
  ・「分かる」から「できる」までのギャップがある。できないことが抑制要因となっている。
   「できる」の次のステップとして「成果を出す」ことが重要である。
   - GEは「できる」へ持っていく
- 一般の日系企業は、何時始まったか分からないうちに始まり、成果を挙げずに終わっている。
3.グループワークと発表(プレゼン、ポスターセッション)
  ・促進要因と抑制要因(フォースフィールド・アナリシス)を利用して検討する。
  ・テーマはビジネス事例でも人生での事例でもよい。経験を取り上げる。
4.振り返り
1)山下氏からの振り返り
?テーマ、前提がないなかでの討議は難しい。
?「時間がない」は理由にはならない。時間内で達成しなくてはいけないという
  意識を持ち、強いファシリテーションを行うことが必要である。
- 強い企業(例:GE)は時間内で達成する方法を工夫する。
    同じ強い企業であるトヨタは寝る時間を削って、夜に討議する。
- 議論の納得感か、時間重視か。時間重視では、進め方、合意しない場合の
  決め方を前もって調整する。
- 整理した議論を行う(賛成の意見、反対の意見等)
?事例の出し方が「やったこと」か「思ったこと」か、で異なる。「やったこと
  /やっていること」であり「決定権をもっている」と検討策がexecutionにつながる。

2)グループ別の振り返り
?グループ(F:高谷さん)
・プロセスが明確でなかった。プロセスとコンテンツを同時に求めるのは難しい
・何をしているか、居場所の確認、合意を取りながら進めることが必要。
?グループ(F:西田さん)
・プレゼンターを最初に設定したほうがよかった。
・アウトプットの作戦をせずに、自由に発言してもらった。
・結果の完成度の認識ができていなかった→意識の違いがあったのではないか。
   Q:プレゼンターを最初に決めるのはどうか。
   A:ケースにより違うのではないか。
?グループ(F:喜多さん)
(1)コンテンツや目の前の議論に集中しやすいので、時間管理が必要であった。
    アジェンダを作成し、グループ内で共有する必要があった。
(2)アジェンダは余裕をもたせて立てないと、議論の面白さが消える
    アジェンダは柔軟性、変更力があればよかった
(3)聞いたことを咀嚼する力が必要。
?グループ(F:菅野さん)
・ファシリテーターは中立の立場でいることが重要だが、自分の意見を強く出して
皆の意見をひっぱることにチャレンジした。→メンバーの意見は「中立であった」
とのこと。
・時間内に結果を出すことをグループ内で共有化した。
- プロセスの満足度は70%。徹底的に自分の意見を出すことができなかった。
- ポストイットに「1つだけ」意見を書くことにしたのが、阻害要因となった。
・阻害要因は促進要因の反対であることが、フォースフィールドアナリシスの
難しさだった。
・「時間」と「納得するまで議論する」のどちらを優先するかを、
  最初に明確にすることが重要であることに気づいた。
    ?グループ(F:伊藤さん)
     ・時間管理が十分できなかった。
     ・提言の質は満足だった。

5.まとめ
  ・「できる」ようにするためには、難易度を下げる提案にすること。
  ・executionは、コンテンツとプロセスの両面から行う必要がある。
  ・成果を前もって定義し共有化することで、「分かる」→「できる」
→「成果を出す」に進むことができる。

「成果を出すって、本当に難しいなあ・・・」 GE魂を伝えるために関西から駆けつけた山下氏
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