■日時:2005年7月23日(土)13:00〜17:30
■場所:東京・千駄ヶ谷 日本経営協会セミナー室
■テーマ:「これって本当に禁句?」
−ファシリテーターの言葉はメンバーのどんな感情を呼び覚ますのか
■参加者数:55名
■担当:小方、井上、稗島
■概要:
「ファシリテーション」には感情のマネジメントの側面がある?という観点から、ファシリテーターの言葉が相手にどんな気持ちを与えるのか、特に『禁句』に注目してその言葉の影響を考えてみた。
■内容:
(話題提供)
『ファシリテーションの場は様々な感情の交差点』
特にファシリテーターが発した言葉−禁句に注目して、どんな気持ちを与えたのか?について考えてもらった。
グループワーク討議時のヒントとして、以下3点を提示。
・同じNGワードでも、言葉に付随するノンバーバールな部分によって違うのではないか。
・「ファシリテーターの禁句集」を作ってみる。
・実体験の中で、ファシリテーターの言葉に、感じた感情/もらったフィードバック/
場・個人に対する働き
(グループワーク)
「禁句」−言葉の検討ではなく、言葉と感情の関係を深める意味から、感情に影響を与えた言葉を中心として、態度や文脈その他の、コンテクストを含めた議論を行ってもらった。
グループ内では、KJ法でまとめるグループ、マインドマップでまとめるグループと様々な手法による討議が行われた。
(発表)
各チームから、討議結果について1チーム約10分の時間をかけて発表。個々の実体験を交えた討議が行われていて、各質疑応答も、活発に行われた。
・語尾の一つで悪魔/天使の発言に変化するから禁句は決め難い。
・「正しいけどヤダ」をうまないために言葉を選びファシリテーションを行う。
・場を見て、相手を見て、気持ちを込めれ(自分事として言うこと)ば、禁句はない。
・目指す姿は、可能な限り多くの人が満足できる合意を得ること。
・言葉には「禁句ゾーン(温度的に)」があって、たとえば「いい質問ですね」という誉め言葉も特定の人のみを誉める状況を作ると全員の温度が下がる場合もある。
・Fは合意形成を目指すことが目的であり、知識スキルではなく、実践力が重要。
・柔軟」に対処。会議のゴールの姿を共有するのもいい方法かも
・NG発言に対して、OK発言をだす。具体的には「やってみる、やれる方法・・・を促す」具体的な活動への言葉を提示することがリカバリー策である。
・Fが自信(過信は不可)を持てば、余裕とメンバーへの信頼を持つことが出来、NGワードを防ぐことが出来る。そのために、周到な準備、プロセスが大切。
・禁句には状況、相手、雰囲気によりいくつかのパターンがある。「内輪ウケ」「氷に塩」「普通ってなに?」「頭隠して尻隠さず」「熱くなって」など。
・つまり、禁句が禁句として存在するのではなく、場面+相手+雰囲気+「禁句」で存在する。
(グループ振り返り・フィードバック)
いずれのチームも「キーワード」のみに着目するのではなく、禁句=ネガティブな感情を起こす部分を中心に議論を進めていた。
禁句になる状況や、禁句にしない心構えテクニック。さらには、意図した「禁句ワード」の使い方にまで至ったチームもあり、つい出てしまう「その(悪魔の)一言」に苦労している参加の方々の苦労が感じられた。
そこで感じたのは、一律の「禁句」は無い。ファシリテーターは、場全体をどうしていくのか、相手を見ながら、理解しながら対応することが大切である、ということであった。
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メインファシリテーターの小方さん | 「禁句」ってどういうこと? |
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ファシリテーター(へ)の「愛」は通じるのか? |
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