■日時:2005年8月27日(土)13:00〜17:30
■場所:東京・千駄ヶ谷 日本経営協会3F
■テーマ:「型(かた)と実践・・・武道とファシリテーション」
■参加者数:約30名
■担当:高野、菅野
■概要:武道歴33年の高野さんは、ファシリテーションと武道の共通点に関して常日頃、思索を続けていました。その成果を「空手道20訓」を題材として話題提供。最後は参加者とともにファシリテータ5訓を作成しました。
<ファシリテータ五訓>
①「間の勝負」
②「五感で場に立つ」
③「ファシリテーションのSkillがWillとValueを生む」
④「型つくりから型を破る」
⑤「域を超えた自然体であれ」
■内容:
(話題提供)
○(型破りな)アイスブレーク
「天突き運動」
騎馬立ち(馬に乗るように肩幅より少し足を広げひざを少し曲げる)で構え、両手で天を押し上げるようなイメージで20〜30回、先導者の掛け声とリズムを合わせて全員で掛け声を上げて動作する。
・感想
簡単にスキルレスにできるが、同一動作をすることによる一体感の育成、広がる動作を繰り返すことによる前向きな意識の熟成などが体感できました。
○空手の歴史・型についての概略説明
「空手は、もともと唐手といい、中国から沖縄に伝わり、歴史的背景から発達した。大正10年に船越義珍先生が始めて日本に紹介した後、現在は100流派をかぞえ松濤館流、和道流、剛柔流が主だった流派である。約40の型があり、恵院・慈恩などの名称から中国伝来の由来がしのばれる」
質問:
「型」と「実力」は関係あるのか。
回答:
「約束組み手」として、相方に突かせてその捌き方を見るということがある。ファシリテーションでも一部の対応を見るとわかるということがあると思う。ファシリテーションの本を読んで知識を蓄えることは大切なことであるが、それだけでは実戦に出たときに立ち往生することが出てくる恐れがある。平行していろいろ経験することも大切だと思う。
○空手道20訓についてのディスカッション
(高野さんが20訓を一つずつ読み上げ、ファシリテーションとしたらどうなのか、 という視点でインタラクティブに会場と意見を交換した。)
1、空手道は礼に始り例に終わることを忘れるな
・技術だけではおわらない
・なんで礼が必要なのかを考えればいい
・相手があること。尊重すること。
・同じ空間に集まるので礼は最初と最後にやることで区切りの空間になる。場の設定
5、技術より心術
・型どおりに行かないため、柔軟性を持つ必要がある
・スキルよりマインドがなければファシリテーションは成立しない。
・ファシリテーションは愛である。
・嫌いだと思われたら、どんな論理は通用しない、
12、勝考えは持つな、負けぬ考えは必要
・将棋の大山が同じことをいっていた。
・ファシリテーションではうまくやろうと思っても行かないことが多い
・ヒクソンブレイシーの戦い方である。勝とうと思うと隙が出る。相手の隙が出るまで凌ぐ。
・最低の選択肢を事前に設けておけばいいのではないか。
17、構えは初心者に後は自然体
・初心者は愚直にツールを使えということ
・ツールはしっかりやらないとすぐに出て着ない。
○ワークショップ・各班発表(ファシリテータ5訓をつくる)
・各グループで分散して作業をはじめた。
ある班は時間をかけて自己紹介を順番に行うところ、分担を決めて走り出すところ、 役割を決めずに全員でスタートするところなど各グループそれぞれのやり方で作業を進めた。第3班を例にとると、ファシリテータ・タイムキーパはおかずに下記のプロセスで行うことを決めて、作業した。
-各人、ポストイットに5-10個のテーマをポストイットに書き出す
-順番に簡単に説明をしながらホワイトボードに書き出す
-全員でグルーピングして、ラベルをつける
-各人、3個ずつ選んで特点数でランキングする
・発表は各班順番で下記を説明した。
-どのようなプロセスで候補を作り、候補を整理、選出したのか
-候補の意味について
○投票(各班候補よりファシリテータ5訓を選ぶ)
各人3枚の星型ポストイットを持ち、各班の候補についてこれは、と思うものにラベリングした。
-結果
①「間の勝負」9票 梅谷さん
「空間の間、時間の間、心理的な間の3つの意味がある」
②「五感で場に立つ」9票 古杉さん
③「ファシリテーションのSkillがWillとValueを生む」8票 山口さん
Will 個人個人の目標ややる気
④「型つくりから型を破る」7票 こすぎさん
⑤「域を超えた自然体であれ」7票 青木+古岩井さん
茶道の達人は努力の末の自然体を得ている
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「武道の心を参加者に説く高野さん」 | 「こ、これは一体....(アイスブレイクです)」 |
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「ファシリテーターたるもの、この五訓を....」 |
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