2005年度08月定例会 2.質問力−ロジカルなだけではファシリテーションではない!東京支部

第20回東京地区定例会議事録 その2

■日時:2005年8月27日(土)13:00〜17:00
■場所:東京・千駄ヶ谷 日本経営協会2階セミナー室
■テーマ:基本スキルを学ぶシリーズ 第2弾
      「質問力−ロジカルなだけではファシリテーションではない!」
■参加人数:52名
■担当:尾村、大嶋
■概要:「質問力」を生み出す構成要素のうち、「背景を知ること」「人の信念・価値観を知ること」に着目。「理論の解説→ワークで参加者が体験」という流れで行いました。

◇当日の流れ
  ?相手との間に(心理的な)橋をかけること
  ?ロジカルさを求めるだけではないこと
  ?人のいろいろな意識レベルを知ること
  ?今回のテーマの前提情報の提供

◇オリエンテーション
・質問力とは何なのか、ロジックだけじゃないではないかという問題提起。
・当然ながら、TPOを考えて行わないといけない。
・そもそも質問を投げかえるのはなぜか...相手のことをもっと知るため...相手や集団の内面に迫るため...そしてその背景を知るためなど。

◇セッション1−橋をかける
人と人との間の「ラポール(精神的な橋渡し)」を築くための基本スキルとして3つのスキルを紹介(?ミラーリング、?ペーシング、?バックトラッキング)。

【ペアワーク−全員】(3分、スキルを使って傾聴する)の実施。
テーマ:なぜ本日のワークショップに参加したのか。
【まとめ】
・ラポールをとる前にも、お互いの立場から相手とのスタンスが決まる。
・人はそれぞれの人が地図(現実の認識)をもとにしてコミュニケーションを行っている。その認識差があるため、質問が必要になる。

◇セッション2−ロジカルなだけではない!
・「メタモデル」という考え方:コミュニケーションとは言語に現れたレベル(表層部)だけで成り立つものではない。むしろそれ以外の要素(深層部)に触れることが大事。

【グループワーク−全員】(3人グループ−話す人、質問をする人、観察をする人)
テーマ:最近腹が立ったことは何か?
目的:質問をすることで相手の思いを汲み取る、共感、ラポールをとる。

◇セッション3−人の意識レベルを知ろう!
・「ニューロロジカルレベル」(ロバート・ディルツ氏)−意識の6段階の解説。
  ?環境、?行動、?能力、?信念・価値観、?自己認識、?スピリチュアル
・これを意識することで、
  −相手(あるいは集団)が大事だとおもっているもの
  −相手(あるいは集団)のこだわっているもの
  −相手の考え方
  −自分にとっての意義・メリット
がよりわかる状態になる。

【グループワーク】グループ3人/グループ(質問する人、答える人、オブサーバー)
テーマ: 「地球にやさしくなるために」自分が行っていること、あるいは行っていきたいこと
【まとめ】
・質問の流れ(環境レベル→行動レベル→能力レベル→価値観レベル)を意識して、質
問をしていくことにより、より深いものを引き出していくことができます。

◇セッション4−基本情報の提供
「神経言語プログラミング(NLP)」(詳細は別途資料をご参照ください)
  NLPの基本前提より:
  −コミュニケーションとは、相手の意欲を引き出すこと。
  −コミュニケーションは(非言語メッセージも含めて)常に起きている。
  −すべての人の行動の裏側には、肯定的な意図がある。
  −あなたのコミュニケーションの意味は、相手の反応でわかる。
  −人は自分の地図(マップ)で現実に反応しているのであって、現実そのものに反応して   いるわけではない。地図は実際の地理ではない(The map is not the territory.)

◇最後の振り返り
 「質問力」という身近なテーマから始まり、言語の表面だけでなく、非言語でのことまで考えていくという広がりのあるものになりました。
 その広がりのある挑戦的なテーマを、ペアワーク、グループワークを通じて、参加者が熱く、はげしくぶつかりあいながらすごした半日でした。そのひろがりのためか、ワーク実施前には、質問や意見がはげしく出たりしましたが、それだからこそ、以下のような参加者のコメントが最後に出てきたと思います。

・とても参加意識が持てたこと
・積極的にかかわりをみんなが持っていたこと
・途中の展開で不安にはなったが、やはりみんなの協力で収まったこと。

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