2005年度10月定例会 2.ロボット企画室東京支部

第22回東京地区定例会議事録 その2

■日時:2005年10月22日(土)13:00〜17:00
■場所:東京・千駄ヶ谷 日本経営協会3F
■テーマ:「ロボット企画室」
■参加者数:35名
■担当:末広(MF)、井上(SF)
■概要:
●全体の流れの説明
  - オープニング
  - 1回目の仮想会議
  - 2回目の仮想会議
  - 発表(各グループからの発表および質疑応答)
  - クロージング

●仮想会議のプロセスの説明(各グループで時間配分を決め取り組む)
  - アイスブレイク
  - グランドルール設定(一般的なものを配布)
  - プロセス設計(発散・収束などプロセス設計してから議論)
  - 議論
  - ロボットを描く(メンバー全員で一気に5分間で描く)

●振り返りシートの使い方(発散・収束の視点から)
  - ここが良かった点、悪かった点など不満を書く。
    1回目を振り返り2回目はどう改善していくかを考える。

●今日のポイントの説明
  - 今日の目的は何か、FAJの定例会に何を期待しているのか。今日の目的を忘れないようにやってみる。コンテンツを掘り下げすぎないで、ファシリテーションの"プロセス"を意識し、後でその視点で振り返りを行う。

●グループワーク第1回(60分)
  - 導入:目をつぶってもらい、時計をイメージしてもらい200年後の設定へ。
       (黒板に2205年10月22日の文字)
  - 休憩15分:休憩時間を利用して各自、各グループの描いたロボットを見て回る。)

●グループワーク第2回(60分)
  - 第1回目の議論のプロセス振り返りを行い、2回目のプロセスについて考える。議論の設定を変更して2035年にする。
  (タイムマシーン法:未来について考えた後に近未来に近づける)
  - 各グループの様子
  ・ファシリテーター、タイムキーパー、プロセス・チェッカーの役割分担の取り決め
  ・マインドマップを使い、議論を促進
  ・付箋を使い、前提条件やロボットの機能を整理など実施

●各グループの発表(含む質疑応答)*文中、Fはファシリテーターの意味
 ①第1回目、プロセスのデザインをあまりきちんとしないで実施。2回目はプロセスデザインの重要性を確認。ポストイットを使い、発散、収束、各個人が役割を持って実施。2回デ ザインを実施したのが良かった。

Q 1回目と2回目でFは変えたか
A 変えていない。1回目と2回目の違いは各々の役割をきちんと意識した。役割として意見を出していた。Fとしてやりやすかった。

②1回目は役割分担をしなかった。最初は1人で多くの役割を担った。コンフリクトはなく成 果物は出来たが、掘り下げがなかった。2回目は環境のイメージが難しかったので、テー マを絞り深めた。役割分担を決めた。書記役が書いてくれることにより、皆の意識が集中できた。
Q 初参加の方からみた1回目と2回目の違いは
A 1回目は視点が多く出た。書記の書いた内容が共有されにくくかった。議論が空中戦に  なった。

③グランドルールのひとつとして、各自ファーストネームで呼ぼうと決めた。休憩時間に振り 返りをした。のりが良くできた分、ファシリテーションがしにくかった。役割を決めた。対立軸 の役割を作り、わざとコンフリクトをおこした。対立的な視点を持つことで議論が広がった。 引きこもりの役割をしたら、つまらなくなった。皆で意見を出し合ったときの方がよかった。
Q 引きこもったときにFのフォローはあったか
A 話さなかったから、気になったが、フォローはしなかった。全員が話せるようにFがアンテナを立てるべきだった。

④2回目の方がまとまった。プロセスデザインをしっかり実施。デザインに1回目15分、2回 目は10分かけた。1回目は、発散、収束の流れに従って組み立ててみたが時間がかかっ てしまった。特に手法も用いていないし、きちんと発散、収束がとれたわけでない。前提条 件の整理から本議論として、その中で発散と収束を行った。役割分担として1回目はFだ け、2回目はプロセス・チェッカーとマインドマッパーの役割を加えた。時間配分も合意をし た。ビジョアルを使うことにより意見が出やすくなった。時間を決めたことで、部分に深入り せずに進めた。1回目は手探りで何を発散させるのか分からなかった。2回目は軸がはっ きりしていた。Fがいても最初からフレームを決められるものではない。2回やったことでう まくいった。
学び:プロセスデザインをきっちりやることの重要性。2時間1回より、2時間で2回の方がいいのではないか。
Q 発散フェーズを切るタイミングは
A 切る印象はあったが、最初に出たアイディアの方を後の意見より優先した。プロセスを守ることにメンバーのモチベーションが出ていた。
A 発散させる領域を絞っていたので、それほど発散しなかったのではないか。

⑤どういう環境問題にとりくみか、どういうロボットにするかで考えた。1回目は役割分担をし たが好き勝手に描いた。楽しかったが、無難に逃げた感じ。2回目は皆で1つにまとめよう と思った。2回目は初参加の方がFを実施。不安で何をやっているか分からなかった。メン バーが言いたいことを言っていたので、Fが軌道修正のために提案などを投げかけるように した。同じロボットで、本体の機能など分担しながら描いた。よく分からなかったけど、結果 は良かったと思う。楽しいことが大事では。

⑥対処的にするか根本解決にするかを決めるのに時間がかかった。2回目のとき何につい て話しているのかがずれることがないようにグラフィッカーの役割を加えた。プロセス設計も 時間配分も厳しく行った。テーマが決まっていたので(砂漠の緑化)、現状、対処、解決について話していった。プロセスをあらかじめ描いて、ポストイットを使って話していった。全員が何を話しているかずれずに進んだ。Fがコントロールしたことで結論に向って導かれた。2 回目はプロセスをきちんと決めたので、十分発散できたいたかどうかが疑問。
Q アウトプットを皆で表現するのは特徴だが、どういう取り決めがあったか。
A 描くときに、描かないといけない要素を出し、誰がどこを描くというのを皆が理解している状態。異なるペンの色でスムーズに進んだ。

⑦初参加の人にFをやってもらったのがよかった。環境問題とは何かに時間をかけた。社会環境について議論、新しい切り口でおもしろかった。恋愛支援ロボット。30分くらいでコン セプトができ勢いで描いた。良かったことは、皆でわいわいやりながら発散。付箋など使わ なかった。30年後の技術レベルを意識するために30年前の技術について議論した。最初にテーマが飛べたのが成果。
Fから:とりあえず軌道修正をしながら進めた。対立軸はなくスムーズに進んだ。本来の役割としては意見を出してはいけないかもしれないが、意見を出してしまった。2回目は流れがつかめていたので、プロセス、時間を決めて進めた。

●クロージング
MFからコメント:
"いつもきれいに進んでしまう"こと、"1回目終わったあと、2回目がやりたいと感じる"こと、"やり方をしっかり決めてやる"ことなど、普段、不満に感じていることから新しいことを試してみた。各グループがそれぞれ自分たちで考えてくれたと思う。
協働のグループ・ファシリテーションが裏テーマだったが、最後の発表からそれが感じられた。各グループでの"試し"があったのがよかった。定例会は受身ではなく、持ってきて試す場、疑問があれば尋ねる、教わるようなことができると良いと思う。

以上

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