2007年1月 東京支部定例会記録
2007.1.27 13:00〜17:00
場所:NOMA2F
◆テーマ:「スパルタ道場東京開門:要約力を磨く!進化版」
◆ファシリテーター:加藤 彰さん(FAJ理事・関西支部長)
◆担当:佐藤 麻美子(東京支部運営委員)/記録:朝野 舜(東京支部)
◆参加者人数:78名(オブサーバー5名含む)
学習サイクルの基本
要約を体験して、やってみてどうだったかを分かち合い、そこから解釈してコツを引き出す。そして、そのコツを使って、少しずつ難しい要約に挑戦する!
全体の流れ
1.アイスブレイク:漢字書けるかな?
2.第1幕:読んで要約
3.第2幕:聴いて要約
4.討議タイム:どんな要約のコツを見つけたかな?
5.第3幕:聴いて⇒覚えて⇒要約
6.第4幕:総合演習
7.第5幕:実践してみよう!
8.気付きと全体討議
入門の心構え
?とことんとお稽古して、癖に気付く
?とことん書く(自分がファシリテーションしていると想定して)
?人の良さに学ぶ
?親密さと探究を同居させる
(皆でどうすればよくなるか考える)
?みんなで要約力向上のコツを探る
1.アイスブレイク:漢字書けるかな? (13:00〜13:15)
カタカナで書かれた「読み」を見て、漢字(同音意義語)を90秒でできるだけたくさん書く。書けた漢字の数(1〜3回戦の合計)を基にグループ分け。
−お題:1回戦:「コウ」/2回戦:「タイショウ」/3回戦「トウジ」
2.第1幕:読んで要約 (13:15〜13:40)
(1)「ファシリテーターに求められる要約の特徴(入試で求められる要約との違い)は?」を皆ではじめに確認。
・(発言者が)使っている言葉で/ビジュアル的に/適度に短く/すばやく/厳密な要約はしない(2分なら2分間で要約する)
(2)1回目
お互いに見せ合う。
(3)2回目
お互いに見せ合う。
−ここまでのところでの参加者の感想
・段落のきり方を参考にした。
・ある程度、文章を予測しながら読む事を意識した。
(4)3回目
お互いに見せ合う。
−ここまでのところでの参加者の感想
・棒読み的な感じで読むようになった。
・最初にテーマがわかれば纏め易い。
・キーワードを拾い、キーワード間のロジックを表現する。
・図解も効果的に使う。
3.第2幕:聴いて要約 (13:40〜14:25)
(1)1回目
グループで話し合い、下記のような意見の発表があった。
・人それぞれ書き方が違うが意味は合った。
・言い換えをした方がよいか?(ex.「やる気」→「モチベーション」)
⇒原則、そのままの言葉を使ったほうがよさそう。言い換えるなら、その言葉をそこに居るメンバー同士で確認しあうことが必要だ。
・議論をしているのであれば、みんながわかりやすい言葉、第三者にもわかる言葉がよい。
・構造化しようとしていると詳細を聴きもらしてしまう。
・「何を聞いたか」が重要だ。今のケースで言えば、評価制度が問題なのか、それとも本人がやる気が出ないのが問題なのか。発言者にとって本当はどちらが重要なのかを理解しないとダメ。その意味で「評価制度」とだけ要約して記録するのは相応しくないだろう。発言者がどういう視点でしゃべっているかがポイントであるが、実は本人も明確に認識していない場合がある。であれば、現段階では「評価制度」と「やる気がでない」の両方を平等に扱って記録しておくしかないだろう。
・ファシリテーターはテーマについて知っていた方がよい。
(2)2回目
(3)3回目
4.討議タイム:どんな要約のコツを見つけたかな? (14:25〜14:55)
要約のコツをグループ内で話し合う。模造紙、ポストイットを使ってまとめる。
−各グループが見つけた要約のコツ(一部)
・「ピン」ときたら書き留める。
・とに"書"く。量から質(いい要約)を見つける。
・「生の言葉」を使う。
・ずれた論点もとりあえず端に書いておく
・要約しているときは前のことを考えない。
・書き過ぎない(捨てる勇気)。
・名詞と動詞を拾う。副詞と形容詞はキャッシュメモリーへ(主軸でない言葉は保留にするが、関係性を導くヒントになる!)。
・話と同時進行で書く必要はないはず→上手くなると頭で要約してから書いている。
・よく聞く。書くことに集中しすぎない。言っている人の顔も見る。
・話の流れを「予測」する(スペースの使い方)。
・身構えても予想外のことが起こる。
・人は理路整然と話すわけではないことを肝に銘じておく。
・口から出ている言葉(「耳」)と、感じ取れる気持ち(「心」)を両方磨く。
休憩 (14:55〜15:10)
グループをシャッフルし、再開 (15:10〜15:20)
各テーブル、1人だけ残し、他の人がバラバラのテーブルに散る。散り方は指定せず参加者に任せたが、特に混乱もなくスムーズにグループ分け完了。
アイスブレイク:音速自己紹介を2分で。
5.第3幕:聴いて⇒覚えて⇒要約 (15:20〜16:15)
記憶にフォーカスしたお稽古。第2幕では、聴きながらメモをしたが、第3幕では聴いている間のメモは禁止。聴き終わってから「誰がどんなことを言っていたか」を書き出す。
(1)1回目:聴く(メモ禁止)⇒書き出す[3分]
「聴いてすぐ書く場合と覚えて書く場合、何か違いはあるか?」をグループで討議。
・聴きながら書くと細かいことにこだわってしまうが、覚えてから書くと全体像が見える。
(2)2回目:聴く(メモ禁止)⇒回想(メモ禁止)[1分]⇒書き出す[3分]
「1分間の回想を入れることで、1回目との違いはあったか?」をグループで討議。
・(回想では思い出せず)書いて初めて思い出すことができた。書いてから思い出した。
・1分間のせいで情報が抜け落ちることもあった。記憶力が減退したように感じた
・ストーリーを意識すると思い出しやすい。
・テーマごとに追っていくと整理しやすく、思い出しやすかった。
・発言者のバックグラウンドをきっかけに思い出せた。
「一般的に思い出すこと、想起することによって記憶が定着すると言われているので、回想の時間を入れてみた。」[佐藤]
(3)3回目:聴く(メモ禁止)⇒回想(メモ禁止)[1分]⇒書き出す[3分]
※回想の時間に書き出し始めてもよい。
「覚えて要約するとどんな効果があるか?効果が無いか?」「聴いている時、頭の中でどんなことをしているか?」をグループで討議。
・覚えたことを書き出した時点で、要約が終わっている。
・構造化はなんとなく行い、1分間で思い出す。
・覚えて要約すると枝葉が落ちるので、幹の部分がハッキリする。
⇔その一方で、時間を空けると話題やキーワードが抜け落ちる。重要な部分を落としてしまう可能性あり。
・論点が変わると、覚えるのが難しい。
・発言内容を深掘りすることがポイントである。
・皆が何を議論しているのか、テーマの流れに沿って整理するとわかりやすい。
・「抽出」と「要約」の違いは何?やっているうちにわからなくなってきた。
「メモを取らなくても、案外記憶は残っているのではないか?このお稽古をきっかけとして、ファシリテーターやグラフィッカー役を務める際にぜひ『記憶』を活用してみてほしい。」[佐藤]
6.第4幕:総合演習
「聴いて要約」を2題行う予定⇒時間が無いためスキップ
7.第5幕:実践してみよう! (16:15〜16:50)
20分発散討議
「今年度の東京支部のコンセプトは知的興奮ですが、皆さんにとっての知的興奮とは?」
ファシリテーター、グラフィッカー(=記録係・要約役)を決める。
今回のテーマは要約力。要約されているかグループのメンバー同士で振り返る。
8.気付きと全体討議(振り返り) (16:50〜17:00)
・「第5幕:実践」は、人が多すぎて同じグループの人の声が聞こえなかった。
・「要約って何?」という議論になった。
・構造化がファシリテーターの仕事。
・エッセンスを抜き出すのがファシリテーター、それを整理するのがグラフィッカーの役割なのではないか。
・アイスブレイクで漢字があまり書けないと、最後まで引きずってしまう人が出てくる可能性がある。 →グラフィッカーは耳で聞いた言葉を漢字で書かなければならないので、このワークを入れた。[佐藤]
・要約してはいけない。構造化してはいけない。描写せよ。
・ラベリングと流れを構造化するとわかりやすかった。
・「話して要約」のお稽古もあると良かった。
・要約をされたくない人もいる(抽出はしてほしいけれど要約は嫌)。
・目的によって要約のしかたが変わる(ex.人に見せるのか、備忘録なのか)。
・最終的には、場数を踏む。実際に現場で活かせないと意味が無い。
・要約と要約でないものの違いを感じることができた(ex.野球のスコアブックは要約ではないが、それを新聞記事にすると要約になる)。
・右脳でイメージし、文章を書いているときは左脳を使っているような気がする。
⇔右脳も左脳も同時に使っているのでは?(アクセルを踏みながら指示器を出すようなもの)
事務連絡(東京フォーラム/3月度定例会/次年度運営委員の募集)
振り返りシート記入
以上
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