2006年6月 東京支部定例会記録
■日時:2006年6月24日(土)13:05〜17:25
■場所:東京・千駄ヶ谷 日本経営協会 2Fセミナー室
■話題提供、F:堀さん
■担当:喜多さん、佐藤さん、久保田さん、古杉さん、大嶋さん、朝野さん
■テーマ:『生協の白石さんに学ぶファシリテーターの「思考力」と「対人力」』
■参加者数:86人
13:05〜 1.イントロダクション
(1)定例会回数について
(2)所属支部確認
(3)定例会について(資料1配付)
○FAJの出世コースの説明(スライド1)
?定例会に参加→?定例会でグループF→?定例会で全体F→?ボランティアとして運営→?委 員として支部・委員会→?役員(理事・監事)
・専門的:各PJ、セミナー講師
・重要:持ち場で実践、泡の会
○定例会の内容(スライド2)
・探求・実践←→勉強・学習、応用・実践←→スキル・技術の2軸で考えると4つ。
・明確に分けられない。相互に関連していることが多い。
・できるだけ幅広く学ぶ事が大切。
・今日は、白石さんの持っている技→どんなFを使っているか→Fとは何かを考える
○定例会での学び方(スライド3)
ファシリテーターと参加者との間の振り返り→学び、相互作用
○体験学習のサイクル(スライド4)
・WSは体験 体験→同定→分析→概念化
・自分で学びをつくることが重要。Fが作るものではない。
13:25〜 2.WS?
(1)Co−F紹介〔喜多、佐藤、久保田、古杉、大嶋、朝野〕
(2)本日のテーマについて
○生協の白石さんについて紹介
・農工大の生協スタッフ、学生からの一言カードの質問に注文に無理なく応える。
・ふなかわあつし(FAJ会員) アエラ1月号で取り上げていた。
(3)ML告知のお題の確認
・私の名前は○○です。
・人生で誉められて嬉しかったのは○○のときです。
・でも、誉められて悲しかったのは○○のときです。
苦しかった
腹が立った
泣きたかった
むなしかった
13:35〜
(4)グループ内で自己紹介、お題の回答を発表。(10分)
(5)生協の白石さんの回答から技を考える。(資料2配付)(45分)
・資料から技の分析(個人)→○○の技
・シェア、協議
・ポストイットカードにまとめる。(各グループ2,3枚、担当者名を書く)
【各グループのカード】
「指パッチン目ざめの技」「自分を見せて安心させるワザ」「草野球の新庄」「傷つけない技」
「誘導員の技!(違う道を示唆する技)」「言葉の渡し舟」「人生の茶店で愛情ダンゴで一服してもらう技」「ベースキャンプ戻し」「言葉ずらし」「言葉の松坂の技」「ふかふかふとんの術」
「低反発ウレタン枕の技」「やさしさにつつまれて、の技」「はげましの技・心づかいの技」
「想いを成仏させる(炊いての望むところへ・・・!?)技」「大人用パンパースの技」
「聴診器の技!(相手の『深さ』を読み取る技、相手の『心を聞く』技)」「どんな球でも受けと める技」「半身受け流しのワザ」「ソフランの技」「合気道受け流しの術(渡辺さんと高野さんの実技デモ有)」「腹話術の技(『主観』を『客観』にすりかえる技)」「マスターヨーダの諭し技!」
「愛でつつみこむ技」「愛で学生を育てる技」「しっかり拾うの技」「バカまじめなのだ!!の技」
「自分の庭にワープの技」「スケール飛ばしの技」「舞の海の飛び技」「ちゃっかり商人(あきんど)魂の技」「心の上に技がある」「人生を前向きに楽しもうという気持ち」「大喜利の技!(ユニークに切りかえす技)」「起承転結、四コママンガのような技」「映像化のワザ(マンガ化、視覚化)」
「楽屋オチのワザ(舞台裏、プロセスの公開)」「ファブリーズの技」「『生協の職員』という本来の役割を常に忘れていない」「白石さんと学生さんの間に信頼感ができあがっている」
「パッチワークのように話を繋げる(力)技」「愛とやさしさの術」「愛のプリズム返し!」
「ユニフォーム交換の技(学生、生協の白石さんという立場を超えて仲間になる技)」
「受けとめてズラす。そして返す。」「変化自在な視点」「他人事を自分事にする技」「すりかえの術」「やさしい否定の技」「ロナウジーニョのドリブル(かわす、そらす、ずらす、間をとる→世界一のドリブル)」「看護師さんや母親のようにやさしく看守る技」「全て受けとめ、相手の力を利用して返している合気道っぽい技」「あえて誤変換の技!(言葉の意味をすりかえる技)」
「かたすかしの技」「自分の土俵に引き落とし」「バッサリ!ギター侍技」「ロナウドの空振りの技(さりげないセールス、こびない、いやみのない対応)」「白刃の刃誉め返し」「太極拳のいなし技」
「断定せず、おまえのことはおまえで考えろと促す技」「ガップリ両差しから肩すかし」
14:30〜
(6)全体でのシェア(カードを貼り出す)
○どうしても質問したい回答(その間、Co−Fがグループ化)
・「ロナウドの空振りの技」さりげなく笑いを取り、そして、ちゃっかり2点取る。
・「ふかふかふとんの術」すべてを優しく受け止める。暖かな気持ち。一晩寝たらすっきりして悪 いことも良いことに変わっている。(会場どよめき)
・「ベースキャンプ戻し」本業に関わらない質問でも、本業に結びつける(あ〜)
・「指パッチン目ざめの技」質問が夢物語。返しは現実的。それを目覚まし時計のように瞬間的で はなく、心地よくもどす。催眠術師の指パッチンのように。(なるほど、の声)
・「合気道受け流しの技」相手の技をすっと受けて、相手に痛みを与えずに、満足させつつ返し、 攻撃を受けないという返し方。(実技あり)
・「ファブリーズの技」困ったちゃんに対して、空気を和らげ、見ている他の人にもいい感じを与 える。
・「大人用パンパースの技」やわらかい肌触り、空気を通すがおしっこ10回、もらさない。
・「草野球の新庄」広い外野でどんな球でも捕る。受け止めてくれる。サービス精神旺盛。
・「腹話術の技」答えを家族、職員など主観を客観に置き換えて、何かに話をさせている。(オ〜 の声)
○カードのグループ化の結果(Co−Fが担当してカード並べ替え)
切り返し ↓ 受容 ―――――――――――――― ハード ↓ やや深い ソフト ↓ まあまあ 気付き ↓ とても ↓ 超 good |
14:50〜15:00 休憩
15:00〜 3.WS?
(1)切り返す技について(思考力)
・受け止め(対人力)については扱わない。各自で高めてほしい。
・白石さんには、受け止め方、その奥の経験の深さ、ウィットがある。
・「リフレーミング」...違ったフレームから考えて、なるほど、そうだと持って行く(クレーム処 理だけでなく、日常的によくある)
・リフレーミングの説明...絵本「ZOOM(ズーム)」(ハンガリー)紹介
・合意形成にはいろいろな見方が必要。
・日常生活にも知らず知らずに使っている。
・日常生活におけるリフレーミング(ロールプレイ)
「お水の花道」〜こんな場面でどうする?〜
【こんな場面】 場所は...新宿club fajjy
登場人物...麻美子ママ
久保田課長
ボビー
15:25〜
(2)リフレーミングをやってみよう
(小学校でやるエンカウンターのエクササイズが出典)
・もう一つ、ボケとつっこみがある。
・会議、議論の場で結論が出ないとき→Fとして違った視点や角度から投げ返すと効果がある。
三つの思いこみ?問題に関して?対人関係に関して?自分に対して
(3)演習(個人で)(資料3配付)
メンバー→メンバー
メンバー→自分
メンバー→ファシリテーター
【資料3の課題】
?ウチの娘は頑固で、親の意見をちっとも聞こうとしない
?ウチの部長は決断するのが遅くて、ちっとも頼りにならないよ
?私は、すぐに感情的になってしまい、きちんと意見が述べられないんです
?悪いと分かっていながら、この性分はなかなか直せないんだよね
?どうせ本質的な解決にならないから、そんなことやるだけ無駄だよ
?そんなことをいわれても、とてもやっている時間がないよ
?いつも上司におこられてばかりで、もう会社を辞めてやる!
?所詮、あなたには私の気持ちなんかわからないんだよ
?ファシリテーターなんて、落とし所があってやっているんだろう?
?ファシリテーターになれば、堀さんのように女性にもてますか?
15:35〜
(4)周りで見比べる
15:45〜
(5)全体でシェア
・否定するのではなく、違うフレームで考えることで新しい考え方に気づかせる。
?について
・体力ならあるでしょ。(気づいていないリソースに気づかせる)
・時間があったらできるんですよね。じゃ、時間の作り方を考えましょう。
・とても忙しいんですね。いろんな方があなたを頼っているんですね。
・好きな女の子に会う時間だったら作れるよね。(優先順位の関係に転換する)
?について
・そこに落ちた試しはないんだけどね。
・落とし所がわかっていたら、ファシリテーターなんかやっていませんよ。
・落とし所はないですけど落とされ所はあります。
〃 落とし穴は用意してます。
15:55〜
(6)応用問題演習(グループで)→(資料4配付)(20分)
【資料4の課題】
?新入会の者なのですが、2時間でファシリテーションをマスターできませんか?ファシリテータ ーになればお金持ちになれますか?
?理事の数が10人というのは、多すぎるのではないでしょうか?もっと少ない人数で意志決定で きるのでは?
?堀さん、森さん、黒田さんなど、理事の方のファシリテーションを見て自分の目標にしたいです。 定例会で、そういう企画をしてもらえませんでしょうか?
?多様性を大切にするとかいって、いろんなテーマを扱うものだから、主流であるビジネス系の人 の役に立たない。それに、基礎的なスキルを勉強する定例会が多くて、ベテランの人にとってつ まらない。
?FAJでは、全般的に目標や役割分担(権限)が不明確であり、何をしてよいのか、どこまでし てよいのかが分からず、それがトラブルのもとになっている。もっと効率的なやり方があるはず だ。
16:15〜
(7)全体でシェア
・笑いをとることは本質ではない
?について
・いままでNPOで進んできたので確かに不明確な点はあります。でも、会社と違ってみんなで自 由に作っていっていいんですよ。作っていきましょう。
・より深い学びにするために、あえて効率的でないやり方にしているんですよ。よく気がつきまし たね。(FAJはファジーなんです)
?について
・私も理事をやっていますが、たいした人はいません。10人でも少ないくらいです。
・我が家の家族会議では全員の意見を聞かないともめます。会員数から考えるとこのくらいいても いいのではないでしょうか。
・多様性を考えるFAJですので全員が理事でもいいのですが、法律で定めるように決まっていま す。
?について
・健康になるためにはいろんなものを食べる必要があるように、多様性のためにはいろいろなこと を学んだ方がいいのです。
16:25〜 4.WS?
・その場で思いついて切り返せるか(チャレンジ)→(資料5配付)
(1)困っていること(短所や問題)を三つ(以内)挙げる。(個人でシート記入)
(2)ペアでリフレーミング演習(座り方は90°のポジションで)
・どちらが先にやるか決める。
・自信のない人は相手のシートを見せてもらう。(1分間)
・演習A:心配事→B:リフレーミング(10分)
・振り返り(5分)
・演習B:心配事→A:リフレーミング(10分)
・振り返り(5分)
17:00〜 (3)各グループでのシェア(10分)
17:13〜17:25 (4)全体振り返り
・リフレーミングを術としてやると違和感。その人を変えようとするのでなく、愛情ベースでやる とよい。
・やってみて、技術としては重要。複数を相手にやるファシリテーションでは、多数の人に分かる 言葉でリフレーミングしてやることが重要。自然な形でリフレーミングが使えるようになりたい。
・終わってみると、セッションの準備がよくできている。絵本が効果的だった。しかし、プロセス でそれを感じさせないのがすごい。WSで示された時間より実際が短いのは堀さんがせっかち? ←スピーディなんです(堀さん談)
Q:リフレーミングと笑いはどのくらい重なっているのか聞いてみたい。(関西の方に)
A:関西では笑いがすべての根底。サービス精神。リフレーミングで心がけているのは、嫌な状況 がある人に、別のいい状況があるのではないかと尋ね探り当て、提供することはある。関西人 はみんながせべさんではない。
笑いは関西だけのものではない。東京はオチでいく。(笑力研究会の「FAJの池田さん」談)
○まとめ
・リフレーミングはファシリテーターの本質的な機能。ファシリテーションを全然知らない人は本 質的なことをズバリ言う。→「Fってみんなでしゃべりたいことを我慢して一生懸命聞くこと?」 「Fって、家でやっていることと一緒。『悩み事に対してこういう考え方もできるんじゃな い?こういうふうにやってみたら?って言われている』(by堀さんのFを見た奥さんや娘さん)」
17:25〜 5.振り返り用紙記入
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