2006年度11月定例会 2.カードファシリテーション東京支部

テーマ:『カードファシリテーション』
〜アイディアや思考を親和図法的空間配置することにより合意形成を創造する〜
話題提供者:芳本賢治さん(FAJ 会員、関西支部)
運営チーム:朝野舜(FAJ 会員、東京支部)、山口一郎(FAJ 会員、東京支部)
参加者:24 名
いつもの定例会より1 時間早く始まりました。
1、主な内容(当初の予定)
? 課題に基づく対話と落書き
? ラベルの作成
? ことばとマインドによる親和図法的空間配置
? 因果関係など関係ラベルの挿入
? 島作りと表札作成
? シナリオ作成
2、進行概要
11:30 受付開始
駄菓子のうまい棒(チョコレート、とんかつソース、チーズ、たこやき、めんたい、なっと
う)でグループ分けを行なう。申し込んだ人数(28 名)は来られず、なっとうグループが2
名であったので、1 名をチョコレートグループへ、もう一名をとんかつソースグループへ
移動して頂きました。
?課題に基づく対話と落書き
各グループで模造紙に落書きし、俯瞰し合いながらテーマを決める。そして、決めたテー
マに基づき、各グループのメンバーが思い、アイディアを模造紙に落書きし合う。
たこ焼き:趣味と私。
めんたい:料理オリンピックで東京オリンピックを盛り上げよう。
チーズ:日本の本質に気づきながら、日本の良さを進化させる。
チョコレート:FAJ テーマパークを作ろう!!
とんかつソース:"不満""悩み"を共有できる家族とは?
芳本さんからコメント:
l 今すぐ結論を出そうとしないで欲しい。
l 思い、考えを出し、対話をすることに専念して欲しい。
l 関西ファーラムでおこなったワールドカフェ形式で、共通の模造紙に落書きしたほう
が、ラベルの質の向上につながることに気がついた。主張、意見が相互に可視化でき
るのがその理由だと思われる。
l 要は言葉のキャッチボールをお願いしたい。ドッチボールは避けて欲しい。
?ラベルの作成する。
ラベル作成の留意点
・ 体言止めは禁止。∵否定か肯定かがわからない。
また特にビジネス系の人は普段の仕事上の訓練から、油断すると体言止にしてしまう傾向
が見られる。
・ 抽象的も駄目。∵漠然としている。
・ 複文も禁止。
・ 参加していない人がすぐにわかる様な文章をかく。
・ 文章は黒字で書き、その右下の赤字で書いた方のイニシャルをつける。

ラベルは、50mm×50mm のポストイットを使用する。一般的に使われいるポストイット
(75mm×75mm)とは違うので、何故、50mm×50mm のポストイットを使用するのかと質問が出
ました。私(朝野)も定例会準備の時にその違和感を持ちました。
理由:面積の意図的な制約をしている。75mm×75mm にすると複文を書きたくなってしまう。そのため、当日は細字のサインペンを用意した。要は、筆記具の太さのサイズや書きたい
文字の大きさとラベルのサイズの関係を意識して欲しい。
一人5 枚〜8 枚のラベルを作成する。
ラベルの合計枚数
グループ名 テーマ 合計ラベル枚数
たこ焼き趣味と私28 枚
めんたい料理オリンピックで東京オリンピックを
盛り上げよう。
31 枚
チーズ日本の本質に気づきながら、日本の良さ
を進化させる。
20 枚
チョコレートFAJ テーマパークを作ろう!! 29 枚
とんかつソース"不満""悩み"を共有できる家族とは? 25 枚
?ことばとマインドによる親和図法的空間配置
(1)、芳本さんの作成した資料の問題(説明シート6-表札作り)を練習する。
・ 強制発想法で良い。思いを発想し、視点を変えてみる。
・ 複文にならない様にする。
・ 体言止めにしない。
(2)作成したラベルを類似している内容の同士、模造紙の上に配置する。
?因果関係など関係ラベルの挿入
・相互の関係を10×50 の細長いポストイットで表示する("因果関係"、"反対関係"、
"相関関係"、"等価"、"ほぼ等価"、"含有"などなど)→合意形成に繋がり易くな
る。
・上端140cm の高さに張り出して議論を行った。この高さは椅子に座って議論できる目の
高さの限界であり、参加者の身長に影響されずに行うためである。
?島作りから表札へ
・ 島作りの際に青、緑、赤のPP のひもを使う。
理由:セロハンテープ止め、後で容易にグループわけを変更できるようにするためである。
・何故島は、ペンで書かないのか?
理由:書いてしまうとその時点で、場が固定され、思考の視野が限定される。
島作りが出来ることは、表札作りも出来る。
・作成した島に対して表札をつくる。この際は、各々のラベルの中身から発想できる内容を文章で記載する。このときあまりに一般化したのにならないよう注意をする。
?シナリオ作成
・ここまでは時間の関係でたどり着く事が出来ませんでした。
・本来ならA4 の用紙に物語化する。(箇条書きは駄目である。)
・各グループ同士で作品鑑賞し合った。
振り返り
・ 途中で議論バトルがあったがラベリングがスムーズに出来た。
・ 中身が共有できた。各々のこだわりもあり、議論もあったが纏まった。いる
人は来る人の立場で考えよう。作る側との違和感もあったが、納得した。
・ 途中からゴールが見えた。
Q,KJ 法とはどう違うのか?(cf:コスモス法、山浦晴男氏)
A,KJ 法でもコスモス法でもグループでは出来ない。また、KJ 法をマスターしな
いもの同士で、KJ 法で実施しても意味がない。単なる分類法に終わるからであ
る。
Q,コンセプト(肯定系)と問題解決(否定形)ではどうか?
A,本日行ったのは、コンセプト作り系のワークが中心でしたが、問題解決系の
ワークでも充分活用できます。
Q,カードファシリテーションは使ってもよろしいですか?
A,(この場に参加された方は)未完成であることを承知の上でご自由にお使いください。
<後日、芳本の要望により次の語句を追記します。>
ただし、利用された方は、感じた課題や、問題点はfaj のML で発信して表明し
てください。
定例会はあくまでも研究の場ですから、よろしくお願いします。

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