2007年度05月定例会 巻き込み力が"一律"の壁を破る東京支部

■テーマ:巻き込み力が"一律"の壁を破る

■日 時:5月19日(土) 13:00〜17:00
               
■会 場:日本経営協会(NOMA) 2F
■参加者人数:65名(オブザーバー2名含む)
■企画運営チーム:宮川幸恵、高橋洋祐、鈴木まり子、飯島宗裕、古俣升雄、阿部正幸          
■テーマ:巻き込み力が"一律"の壁を破る
■ゲスト・話題提供:金山康博さん(朝霞市立朝霞第二小学校校長・前志木市立志木小学校校長)
著書「校長になろう!楽しい学校経営のススメ」日本標準ブックレットNo6 定価630円

■内 容:「誰でも教員採用試験官に?」「教室に壁がない?」「市民が出入り自由な学
校って?」全国的に注目された志木市の教育改革の仕掛け人である金山康博さんに、改革
のプロセスをご紹介いただきます。また、志木市で実際に行われている市民参加の市費教
員採用試験(模擬授業)の試験官体験など、ワ−クを通して「改革」「巻き込み力」とフ
ァシリテーションの関係について、みなさんと楽しく考えていきたいと思います。

1、 12:30 受付開始

参加者が国語、算数、理科、社会、体育、音楽、図工の7教科から1つ得意なカードを選ぶ


2、13:00 オリエンテーション

?、学校のチャイムがなり、本日の定例会の開始。
サポートスタッフの紹介とMFの高橋さん、宮川さんの簡単な挨拶。
まずは、参加者へ簡単な質問。
Q、参加者の持っている校長の先生のイメージとは?
・ 普段は関係ない。
・ お話をする方。真面目にしなければいなくなる怖い先生。
・ 学期初め、学期末に顔を出す。
・ ふだん運動しないのに運動会の時に顔を出す。
?ビデオによる紹介。
志木小学校‐「21世紀の教育を開拓する。」
・ 教室の壁はない、廊下から教室が見える。
・ 開放的で明るい小学校。図書館と公民館が密接しっている。
・ 25人学級を実現している。
・ 志木市ハタサクラプラン:市民の方々が協力して、教員を採用している。

?模擬授業のインストラクション‐橋本先生による模擬授業を体験していただく。
(1)橋本先生からの挨拶と簡単な質問
橋本先生「今日、朝ごはん食べてきた人いますか?先生は、納豆とお味噌汁を食べてきま
した。」
参加者の回答
「30%の値引きのかぼちゃクリームパンを食べてきました。」
「おすしを食べました。」
橋本先生「今日のお昼ご飯何を食べましょう?」「今日のお昼は何を食べたいですか?」
参加者「朝がパンなので、ご飯が食べたいです。」
橋本先生「先生はお昼を食べてきました。ピザを食べてきました。」
参加者「先生、ずるい」(笑い)

(2)橋本先生がピザのサンプルを見せる。
橋本先生「先生は兄弟で分けてミックスピザを食べてきました。」
?算数の問題をする。
"一枚のピザを3人で等分とすると一人分はどれだけになりますか?"
参加者がノートに式だけを書く。
先生が参加者に赤丸をつけに行く。
式だけを書けた方が発表。
1÷3=0.33
「すみませんいつまでたっても終わりませんですけど。」(笑)

?参加者が0.33のピザを2分間で描いていく。
橋本先生「喧嘩しないように皆が分けるにはどうしたらいいのでしょうか?」



?参加者が三つに分けたのをホワイトボードに描く。
一人分はどれだけになるだろう?何かわからない時には、分数で表す。
1÷3=1/3

・実際の模擬授業後には、参加している市民の方々に評価シートを渡し、書いていただく

評価シート例
評価
A B C
何かありましたら一言お書きください。




・ 模擬授業後は、市民の方々との質疑応答もある。
・ 市民が参加できるので、盛り上がりがある。
・ 公立小学校は、一クラス40人、25人程度学級、質の高いのを目指して。
・ 志木で教員を採用しよう。市民参加にしてもらおう。

(3)金山先生の15分プレゼン‐巻き込みが一律を破る。
・ 血液型がA型。几帳面なので、15分守ります。レジュメを用意します。
・ 橋本先生の採用した観点について。
?与えられた時間で起承転結に述べる事が大事。最後まで3分1を出す。集団と個の扱いが
上手である。言葉で遊べる。
?教材は液体である。分けにくい。等しく分け、当分する為、教材の研究と工夫する。
・前市長の下で、義務教育はまずいとわかっていながら食べないといけないレストラン。
・山の学校と海の学校は違う。郷土料理を中心としていく。
・今まで40人以下定数。国的に財政で40人となっている。
・市町村としては、初めての手法をとった。
・原則的には非公開である。公立の小学校は、元日常方と子供、地域の方がノックしたら
、オープンにする。校長が支店長である時代は終わった。地域の方と一緒に考える。
・一律の壁は、国とか教育委員会のイメージがあるのではない。
・教育行政は、学校行政とは違う。
?トップダウンとボトムアップ
?何がトップダウンで行くべきか、ボトムアップを行くべきかしっかり料理しなければい
けない。
・ 25人学級はトップダウンである。25人学級は、教育しやすい。
・ 市民を巻き込むのは程度がある。何を市民とともに考えるのか?

金山先生の本の紹介あり。

3、14:00 アイスブレイク
A4の紙に書き、お隣同士で自己紹介をする。
・ 名前
・ 巻き込みたいと思っている事
・ 巻き込みなくて困っている事
・ 巻き込みの失敗談

4、14:10グループ分けを行なう。
? グループに同じ教科(受け付け配ったカード)の人が2人づつ入る。
? 校長先生=ファシリテーター。時間は3分。各学校の校長先生同士で秘密会議を行な
う。
? 先生同士で職員会議を行なう。時間は5分。
? 阿部教育委員長から校長先生へ辞令。
・ 金山先生を来校。来校のスケジュールは、校長先生に知らせている。
・ 校長先生の行きたい学校の希望は通らない。
・ 各校長は、赴任先をシャッフルする。
・ 自分学校じゃないところに赴任する。辞令を交換する。

5、14:40〜15:50 グループワーク
・ どんな形式でもOK。
・ 休憩は自由。
・ 場作りも「自由」!、まとめかたも「自由」!
・ プロセスの振り返りはワークに含めない
・ 15:50のまで話し合うテーマを決める。(5分)
・ 金山先生の来校時間の変更。
・ 金山先生が各学校に来校し、10分間質疑応答をする。

6、15:50〜16:00 グループ内での振り返り
・プロセスについて話す。どういう事がワークで起こったか?感じたか?グループの代表
が発表する。


7、16:00 グループの発表
? かもめ第三小学校
・ 外部を内部へ巻き込む。
・ インターフェイスが重要。
・ 内容の可視化。保護者を巻き込む
・ 抽象的でテーマ決めが難しかった。
・ アイスブレイクをした方が良かったかも。
? 表野小学校
・ 理解に時間がかかった。
・ アウトプットが不明確であった。
・ 座談会的になり、ファシリテーションが出来なかった。
? 月見台小学校
・ テーマが決まらなかった。
・ 金山先生への質問を考える。
・ 気持ちよく巻き込む料理法を考える。
・ 対立無く皆が納得した。
? 帝丹小学校
・ 金山先生をいかに活用するか?体験談を聞くか、ロールプレイ(金山先生のさば
き方。市民、学校、教頭役等をグループ内で決める。)
・ ロールプレイで金山先生が本質を捕まえた。
・ 視点の転換
・ 時間があれば、直面している壁の解決をしたかった。
? 入江小学校
・ 生き生きとをキーに。
・ 同僚への巻きこみ。合意形成の為。
・ 理解を深める。
・ 学校からノーマライゼーションする。
・ 全員が十分発散できていなかった。
・ 全体のプロセスの設計が出来ていない。
・ どこまで合意されていて、議論しているのか?


8、16:45 全体振り返り
?参加者のコメント
・ 入江小学校のメンバー、テーマは学校、真剣なテーマに巻き込まれていた。
・ とまどった。実際は、プロセスはどうであったところの点。
・ 校長は、ファシリテーターである。

?参加者から金山先生への質問
Q、組織改革の際には、上と下の人間は問題意識がなく、改革の秘訣とは。
A、キーワードは信頼。上司であれば、部下に任せれば信頼をしなければいけない。相互
信頼をし合う。知の管理と情の管理が必要。
Q、教員の格差があったのでしょうか?
A、企業も学校も同じ。校長がトップダウンではなく、ボトムダウンのポーズを見せる。
職員を褒めて、動かす。

?先生の感想
・ 今日は有難うございました。良い子供達(参加者)ばかりでやり易かった。地域の方
々が多いので、この機会があり地域に助けられている。
・ 70名を超える方が集まり、こういう事が行なわれている。

?金山先生の各グループに対してのコメント
サザエさんの学校:内部と外部の人間と見極める事。会社や工場も同じ。
奇天烈くんの学校:巻き込むことによりプラスになる事が大事。プラスになる見極めがな
いと巻き込めない。ターゲットを間違わない。クレーマをも巻きこむこと。
のびたくんの学校:気持ちよく巻き込む。学校は、鍋蓋方式。校長は辞表を胸に入れて仕
事をしている。
コナン君の学校:演技ではない。校長は判断を一発で決めなければいけない。やるといっ
た以上は実行する。校長室は、一人で考える為の部屋。校長は、責任重大である
ちびまる子ちゃんの学校:学校は、Inclution(包み込む)教育を訴えている。

?金山先生の全体へのコメント
・ 日本に日本人学校をつくっては行けない。
・ 校長は、犬を散歩している方から仲良くする。そういった配慮が、地域を巻き込
んでいく。

?メインFの感想
・ どうやってグループワークをしているのかな、見させていただく点勉強になった。
・ いつもの定例会と違う。少しインストラクションが足りなかったかなとも思った。  

 
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