2009年度01月定例会 3.いつでもどこでも誰とでも、自然(冬)の中でもファシリテーション東京支部

■テーマ3:『いつでもどこでも誰とでも、自然(冬)の中でもファシリテーション』

■日 時:2010(平成22)年1月23日(土)

■会 場:新宿御苑 & 日本経営協会(NOMA)2F

■参加者人数:25名(参加者13名、見学1名、運営スタッフ11名)

■企画運営担当(敬省略)

・話題提供者:本間さん、福田さん(日本自然保護協会)ほか、自然観察指導員の皆さん

・スタッフ:津野さん、平田さん、箱嶋さん、小藤さん、喜多(記録係)

■天候:晴れ

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■定例会フロー

【自然観察会】(屋外:新宿御苑にて)

11:50  受付開始

 

12:00 個人散策(各自で印象に残った事柄を記録する)

 

12:20 集合・挨拶・グループ分け

     どんぐりチーム(スタジイ/オバラさん)・・・(1)

     いもむしチーム(ヒマラヤスギ/フクダさん)・・・(2)

     あいだまチーム(ジャノヒゲ/アンドウさん)・・・(3)

     森のうにチーム(スズカケ/キクチさん)・・・(4)

     あかだまチーム(クロガネモチ/オグチさん)・・・(5)

 

12:30〜13:50

各グループで散策(自然観察会)

 ※各グループに1名ずつ自然観察指導員の方がついてくださる

 

13:50〜14:20 移動および休憩

 

【グループワーク】(屋内:NOMAにて)

14:20〜14:25

●グループワークの趣旨説明

各グループで自然観察会を通して感じたこと・発見などを振り返って共有し、各自が何か一つでも気づきを持って帰っていただきたいと思っています。

(各グループでファシリテーターを決め、それぞれのやり方で進めてくださってかまいません。)

 

14:25〜15:05 グループワーク1

●問いかけ? 観察会で何を感じましたか?

 

15:05〜15:15 休憩

 

15:15〜16:10 グループワーク2

●問いかけ? 自分自身で活かせることはありましたか?

 

16:10〜16:50 全体共有

(1)・・・どんぐりチーム

?冬なので緑が少ないので、音に集中するといろいろな鳥の声がした。ドングリを食べて、生はちょっと苦かった。新宿御苑は意外に人が多かった。銀杏の匂いなどを感じた。木の南側が茂って、一生懸命に太陽の光をもとめていた。木を抱いたら水の流れが聞こえるかなと期待したが、スピーカーの音がうるさく、聞こえなかった。道路脇に入ってみると、実生(みしょう)などの発見があった。繁殖の仕方を教えてもらうなどして、植物も一生懸命生きているのを実感。常に疑問をもちながら臨むことが大事。

?視点を変えることでいろいろな見方ができる。全体をみる。細かなところをみる。上から見る。下から見る。感覚、音、匂い、人によって注目するところが違って、発見がある。生き様や関係性を楽しむ。楽しいからこそ興味がでる。対象を好きになると知りたくなる。視点をもつことによって、疑問が湧く。不自由になることで、今までに使っていなかった感覚を使えるようになる。関係性とは、他人と自分、植物と虫などの関係性。生き様とは、種を遠くに飛ばす生き方や、ドングリのように種を近くに落とす生き方など。他の人と協力することによって生きていける=共生。正しい生き方、正しいファシリテーションがあるわけではない。

 

(2)・・・いもむしチームチーム

?自由に意見を言い合った。新宿御苑の全体的なイメージを共有した。どんな人がいるか。敷地が広い。冬なので葉っぱがなく、意外に明るいなど。自然観察指導員の方に、視点を提供してもらい、問いを出してもらった。一人で歩いた時は20分が長く感じたが、みんなだとあっという間。もっといろいろ見てみたかった。他の季節にも。

?今まで見過ごしていたことに、スポットがあたるようになった。それを深く観察していくことが大事、必要。そうすることによって、いい循環が生まれる。観察会の導入、つかみがよかった。足元のフンの観察から入った。ファシリテーションの準備も大切ということも実感した。ルーペや双眼鏡をいいタイミングで提供してもらった。話の流れのなかで生かせていた。自然観察会の体験はファシリテーションにだけでなく、生活にも活かせるのでは。おいしいドングリを体験できた!

 

(3)・・・あいだまチーム

?印象に残ったことを共有。「共生」がキーワードに。鳥と花の関係、風と植物の関係など。生存するために虫を使ったり、風を使ったり、鳥を使ったりしている。外来の木がたくさん植わっているが、大きな木がある。五感を使って体験した。匂いをかぐ、触るなど。

?「仕向ける」に至るには、「視点の当て方」を手伝ってもらった。自然観察指導員の方に導かれたことによって、共生している姿に至った。最初はある意味で人工的に指示をされて動きはじめたが、自然に(自発的に)視野が広がっていった。関係性(人と人、植物と動物など)に眼が向くようになる。最初は仕向けられたが、だんだん自発化。「自然(おのずからしかり)」の反対は、「勉強(つとめてしいる)」との意見も出た。勉強から自然にいたるとパワフル。何を観察しているかというと、関係性だった。

 

(4)・・・森のうにチームチーム

??出し合った意見をあえてまとめると、「興味を持つ」「想像する」ところからはじまった。何が起こるかというと、想像からいろいろなことを知りたくなる。物足りなくなってどんどん知りたくなる。どんどん興味がわいてくる。広がっていく。「何が興味を湧かせるのか?」もふくめ、興味をもつはファシリテーターにとって大事。情報をもっていることによって興味がわく。子供はなんでも口に入れるように、本能的なところから興味を持つ。興味の入口は違和感か? 興味が湧くときのポイントは、部分と全体や、感覚と理性のバランス。感じることから始まる。「次にまた知りたいというパワーの源は?」「興味がつきないのはなぜ?」については、結論出ず。この問いを持って帰りたい。

 

(5)・・・あかだまチーム

?自然観察会をやっていても、「ファシリテーションに生かせるには」を考えるようになっていた。観察会を時系列にそって振り返った。自然観察指導員のテクニックを分析したような形に。ドングリを囲んで座ることから始まる。いろんな種類、食べられるドングリ。それがアイスブレイクになった。狙いは、みんなが興味を持つインパクトのある素材。集中するところからはじめたかったとの解説があった。次は、大きなプラタナスの木に。「チーム分けに使った『森のうに』があるでしょ」と。葉っぱの付け根がおもしろいなどの発見があった。うっそうとした裏手で細かいものをみて、明るいところへ。場所によって足の裏の感覚が違う。視野を広げたり、集中させたり。耳でも足でも観察した。みかんを配り、その構造から葉っぱからの移ろいがわかるという解説などもあった。香りや味で記憶に定着する感じ。フィジカルを大事に。全体にシナリオがあって、勉強になった。

?「人に何かを伝える」ときのテクニックや力を中心に考えてみた。重要なのは個人の熱い思いや人生観。そこから「伝える必要性」が生まれる。伝えるときに、おもしろさや興味をもたせることも重要。インターネットで簡単に調べられるが、実際にみて感じることで興味をもたせるテクニックも大事。自然の背景をみて、空間の移動をとおした説明がおもしろい。話をしていく中で「みんながどう感じているか」を感じて、話し方をかえるテクニックがすごい。同じような感覚を共有している仲間の話を聞くことで、幅が広がっていく。共感を広げていくのも大事。

 

16:50〜16:55 振り返り(ポスターセッション)

 

16:55〜17:05 自然観察指導員のみなさんの感想

○オグチさん:伝えること難しさを感じた。新宿御苑で4月25日に自然観察会を13時からやります。5月22日にも、先着1000名で。

○オバラさん:勉強させていただきました。ありがとうございます。

○フクダさん:貴重な機会をありがとうございます。詳しくフィードバックしていただく機会なかったので、ステップアップの時間になった。

○アンドウさん:今回はいろいろ考えた。頭を使った。どういう風にストーリーをつくるか。いい刺激になった。

○キクチん:今日の経験をふまえて、「ここでこれをやったらいいのでは」というのを温めて、また次に。また誰かに伝えたい。

○ホンマさん:自然観察指導員は、自然のつながり、生き物のつながりを守りたいという思いをもっている。それを観察会で伝えて、一人でも気づいてもらいたいと。地球に生きる生き物のつながりを守っていこうというのが目的。自然保護協会、自然観察指導員の活動を応援してください。自然観察指導員になる講座もあるので、ぜひご参加ください。

 

17:05〜17:10 連絡事項

 

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