2015年度4月定例会 1.「イキなファシリテーションの研究」 −『超訳・易経』の竹村亞希子さんから気づきを得よう−東京支部

       

事業内容 調査研究:東京支部 2015年4月度定例会
テーマ  テーマ1「イキなファシリテーションの研究」−『超訳・易経』の竹村亞希子さんから気づきを得よう−
開催日 2015年4月25日(土)
会 場 北とぴあ 第1研修室
話題提供者・
ファシリテーター
話題提供者:竹村亞希子、MF:小椋浩一(FAJ会員) 1名
企画運営担当
小椋浩一、安倍能行(以上FAJ会員)
1名
参加者数(会員) 51名
一般・見学者数 4名
テーマ詳細
プログラム内容
担当者振り返り
参加者コメント
など
【概要】
ファシリテーターにとって、時に「スキル」以上に大事だといわれる「マインド」。
「スキル」について学ぶ機会は多いけれど「マインド」は・・・あなたはどのように学んでいますか?
 
 ある本に、そのヒントを見つけました。 
 ■『超訳・易経 −自分らしく生きるためのヒント(竹村亞希子著)』
 
 中国最古の書と言われる『易経』には、難解なイメージがありますが、この本ではとてもわかりやすく語られています。
 
そこには、幸/不幸、上昇/下降など、さまざまな人生の場面場面において、どんな心構えをし、どのように対応していったらよいのか。。。その時々についての解決のヒントがたくさんありました。
 
 そして、人生の1ページにも例えられるようなさまざまな「場創り」に取り組み、いかなる場面でもうまい対応が要求されるファシリテーター。
『易経』の発想は、そんなあなたにとって大きな力になると思います。
 
ファシリテーションの「やり方」としてのスキルだけでなく、その「あり方」であるマインド・・・今回は『易経』を題材に一緒に考え、
自身の志も振り返りながら、大事な気づきを得るチャンスとしましょう。
 
今回は、中部支部とのコラボにより、名古屋から上記の竹村亞希子さんをお招きし、話題提供として『易経プチ講座※』をやっていただけることになりました。
「解説が分かりやすい」「あり方がイキであこがれちゃう」などなど、著書を含めて今、人気が高まっている方です。ラッキー♪
 
さあ、滅多に実現できないこのレア企画、志あるファシリテーターの方々はもちろん、
「たまには古典もまなばなきゃ」、「自分のマインドも見つめてみたいなあ」、など一瞬でも思われた方はぜひご参加ください。
 
(※ちなみにこれは占いの講座ではありません。『易経』の基本は「君子占わず」とのこと、深い!ですね。。。)
 
【プログラム】
1.オープニング
2.アイスブレイクを兼ねた導入「ファシリテーターに必要なマインドとは?」
3.ワークショップ1:「四季」  
四季にふさわしい「心構えと振る舞い」とは?
4.お昼休憩を有効に過ごすために
5.ワークショップ2:「変易・不易・易簡」
春・夏・秋・冬で変わらないものとは?
6.ワークショップ3:「陽の力・陰の力」
マインドの「陰の力」とは?
7.ワークショップ終了
8.アンケート&告知
9.プログラムフィードバック&クロージング
 
 
【参加者の声】(アンケートより抜粋)
1) 易経の考え方とF(ファシリテーション)が持つ本質は近い。というよりそのものかも知れない。世の中で大事だと言われていることの本質は同じことなのかも。
2) 易を3年(短いですが)学んでいても新しい発見があり、それが実は当たりまえの事であること。易を知らない、知らなかった人たちからの大いなる学びがいつもあります。陰の力をわかっているつもりがわかっていない。実は何もわかっていないかもしれないということを自戒しながら成長したいです。ありがとうございました。
3) 竹村さんの分かり易い、共感するストーリングと小椋さんの心から笑わせてもらえる知的かつ本質的なファシリテーションのバランスが素敵でした!!! 1点あるとしたら、「陰」のマインドの重要性が分かったので、そのマインドを得るために「何が必要か?」を考え、各自のワークにつなげていくワーク(時間)があるとさらに良かったです。
4) 冬の熟成する時間の大切さ(ワインと同じ!?)。陰の力、人を育てる時、無理な目標ではなく、届く位置に設定する、と似ている気がしました。全て想定された進行なのかが気になりました(良かったと思います、どこでどう臨機応変に対応したかが知りたいです)
5) 小椋さんの話し方(テンポ:例)と竹村さんの話のバランスがとっても聞きやすくて楽しく学べた。竹村さんのわかり易いお話が小椋さんの話術でもっと易しく感じた。
6) ファシリテーションと各場面ごとのマインドについて気づきがあった。日々のファシリテーションだけでなく、ファシリテーションを通しての自分の人生に活かしていきたい。
7) ファシリテーターは人の前に立つので陽の力のほうがつよいと思われるかもしれないけど実は人のためにいるので陰の力のほうが必要とされます。四季の話は興味深くて、今は自分の人生とキャリアの中でどこにいるかを考たいと思います。
8) 易経のことをこんなワークのプログラムにするってすごいと思った。人の話ってどう聴くか、陰の力を仲間の力に添えられたら良いなあ。冒頭のスライド2枚程度は紙配布あるともっと易経とプログラムがつながったように思う。
9) 「北風と太陽」の話は、太陽のほうが「陰」の力が強いということ。今後、待つことを怖れないようにします。
10) 途中から参加したが、陰と陽の考え方が今までと変わりました。決して優劣をつける事でなく、場面によって使い分け場面によって陰と陽が逆転する事もあると思いました。とても楽しい進行ありがとうございます。マインドの話を笑いに変えると腹落ち感が増します。
11) ものごとの変化についてもっと考える。それを次の活動に活かしていけるとイイなと思います。面白くて、知的でもあり、あっという間に終わってしまった、という感じです。
12) 易経に関する本に何度か目を通した事がありましたが、理解できずにいました。自分で決断して行動を起こす前には、まず陰の力をためてから、行動する。もう一度、読み直します。2度目のオグラさんのMF、たくさん笑いました。また東京で開催して下さい。
13) 人生の冬を楽しく生きたい。とても良かった、話があっというまと思えた。
14) 易経を通じて自分のファシリテーションを振りかえすことができた。流れがとても良かったと思います。とても楽しめました。ありがとうございます。
15) MFの進行、竹村さんのお話がとてもステキでした。あんな風にしゃべれるようになりたい。笑いも沢山ありがとうございました。
16) 陽と陰の使い分けを意識してものごとに当たりたい。長時間のプログラムにもかかわらず始終飽きることなく参加できました。
17) 多分、日頃から無意識に行っていた思考や行動ですが、改めて納得できる構造化にできました(といっても、もっと深く勉強していく必要も感じています)。本当にすばらしい。又やってほしい。ありがとうございます。本を読んでからもう一度同じワークショップをしたいくらいです。
18) 今まで深く考えたことのない視点、易経の思想、自然と考えづけて考えること、陰の力・・・すべてが新鮮でした。先生もファシリテーションも抜群に素敵でした。現場の研修やコンサルティングではもちろん、日常生活においても、陰の力、冬のとらえ方が大きく変わった気がするので、活用できる場でどんどんいかしていきたいです。
19) 人間は変化していないんだと思った、古い教えがそのまま活用できるんだから。教え方を体系化するのに役立つので、今後も易経の考え方に入ってゆく。予習しないで易経をやるのはむずかしい。
 
 
20) 「陰の力」という普段無意識で行っていることのメタ認知やファシリテーションを通じて普段使わない脳の部分を使った気じがします。春夏秋冬では、書き出した事が、仕事、スポーツ、勉強などとといったすべてての事にあてはまると思いました。写真にとったりメモをしたので、それを見てこれからの大学生活で自分のやりたい事、やるべき事があるときにうまくあてはめて、少しでも、少しずつ毎日を改善できたらと思います。
21) 春夏秋冬のファシリテーションの流れはマインドを伝える意味で分かりやすいので使ってみようと思います。ややMFのしゃべりが長かったように思います。その分参加者同士のやりとりは少なくなり、グループの中の人としか話せないのにGROUPのシャッフルはなかった。
22) 哲学を学ぶことは重要。易経はぜひ学んでみたい。その結果としてFのマインドセットとして役立てたい。MFの進行方法、質問、回答の受け方が絶妙で非常に勉強になった。
23) 陰を否定せず、活かし方を考える。おぐらさんの進行がスゴイ。ユーモアがあって時間が過ぎるのを忘れました。
24) 合意だけでなく納得感もゴールとするよう意識したい。 難解なテーマでしたが、最後までいきつくことができました。ありがとうございましたぁー!
25) 事前に著書を読んでからの参加でしたが、陰の使い方を(決してマイナスのイメージの陰ではなく)工夫することで陽が上手く引き立ってくる点がクリアになった。オフィスでの問題解決に活用したい。限られた時間の中での発表方法やその解説の差し込み方など参考になりました。小椋さんの発表内容に合わせた解説が絶妙でした。
26) 冬の時代に「志」を立てる。確かにその通りだと思った。絶妙な補足、解説+適度な(イキな)シャレ(+コメント)がよかった。
27) 易経のエッセンスを理解することができた(と思う)。易経をもっと学んで、より高い視座を持ちつつ陰の力をどう生活でいかしていくか考えていきたい。ファシリテートも少し学んでみたいと思った。
28) おぐらさんの陰の力に感動しました。
29) おもしろいプログラムでした。学習とワークを組み合わせながらの展開は、とても良かった。
30) 自然から学ぼう! 「どうやってつなげるのかな?」と思っていましたが、すごい自然につながっていました。
31) 切り口によって、陰になったり陽になったりする。どこかで聞いたりしていたようですが、今回すっきりしました。トレーナーなので研修に活かします。
32) 相手の力を引きだす陰の力=タモリさんの存在にとっても納得しました。ファシと易経をつなげると難しいけど楽しい。人の話を聴くスキルを学びたいと思う。
33) 陰の力はまさにファシリテーターの力であるということに深く納得しました。四季の冬の話から陰の力に結びつける流れは絶妙でした。おぐらさんのトークも相変わらず絶好調でした。
34) 思考や感受としての「軸」として、「自然に照らす」、「陰と陽」を加えて、フカンして行動につなげたい。
35) 易経はいろんなコトにつがっていておもしろい。スキル/マインドの陽と陰→明確には分けづらい。陰の力に目を向けてみる。
36) ファシリテーションスキルはマインドに裏打ちされて始めて意味がある。ファシリテーションマインドには陰の力が重要。ワークショップの合間で解説してもらえ理解が深まりました。
37) ファシリテーションにおける自分の成長がまだまだできることを実感。陰の力がファシリテーションや聴く聞くことであり、コミュニケーションの中心にあるのではないかと感じた。その点と陰と陽がとても印象に残った。
38) 易経を読み解く→いろんな事象にひもづいているところがあるんだなぁとあらためて思った。おもしろかったです。ファシリについてじっくり考えられた。そうか!「陰」マインドパワーにイキな要素はぎゅっとつまってますネ。
39) ”陰の力”:ファシリテーターとして、組織の中での役割として”陽”でいなければならないと無意識に思っていたのではないか、と気付きました。無理に頑張らないで、自然に”陰”の存在感(=空気感)が出せるようにしたい。とてもよかったと思います。オグラさんと竹村さんのコンビネーションで、よく理解できました。
40) 易経の分かりやすい伝え方があるんだ!!よくしゃべるファシリテーターも「あり」なんだな。自分も「しゃべり」のネタを増やそう!!易経のエッセンスを抽出し、分かりやすく、楽しく伝えてくれて、ありがとう。
41) 冬の時代の重要性さがわかった。人事異動を機に、もう一度冬からはじめて、春を待とう(満足感に浸からず)という気になった。勉強する。
MFもよかったし、竹村先生の話も非常によかった。「生きる力」の様なものが、少しわいてきた気がする。
42) ファシリテーターは決してスキルが完ぺきである必要はなく、むしろ、その場の力を信じて引出してあげられることが大切だと気付きました。今一度、自身の立ち位置を振り返りたい(今が冬なのか、春なのか?)
 
 
43) 陰の力のパワーを改めて感じることができました。来週からの〇〇〇の問題解決会議でぜひ陰の力のスキル・マインドを使って改善していきたいです。
44) 易経自身を知らなかったが、最後の「陽の力」と「陰の力」があり、特に「陰の力」の重要性について気づきがあった。「陰の力」をこつこつと少しずつ高めていきたい。でも易経は分からなかったです。ムズカシイ。勇気をつけたい。人の話す事への傾聴力を向上させたい。MFのしゃべり、バツグンでした。
45) ファシリテーションで「引き出す意識」が大切であることが、3つのワークを通じて改めて強く認識できた。仕事の実務で「聴きだす力、意識」でお客様に接しようと思う。
46) 自分が苦手としていることがかならずしも必要とすることはないという気づきがありました。易経とファシリテーションのつながりが判りやすく説明されたので今後の自分の仕事上で活かしていきたいと思いました。時間があれば全グループの発表をして欲しかったです。お昼があわただしかった。
47) ファシリテートする上で自身が大切にしている、共調・共同・共働・共感がはっきりした。仕事、職場でその時々の対応や心のもちように使いたい。心おだやかにいられそう。楽しかったです。助けられましたし、時間があっという間に過ぎて行きました。
48) 陰のスタンスを意識しながら、会議運営などすすめたい。MFの進行が(テンポも)とっても上手で楽しく、かつ有意義な話し合いの時間を持てました。
49) 易経に関心が高まりました。小椋さんの役割が見事ですね。陰の力の活用を考えたい。いい場づくりでした。
50) 「利他の心」を忘れないようにしたい。シンポジウムが楽しみです。
51) 陰のイメージや考え方が180°変わった。待ったり、沈黙することの大切さ。私生活、仕事について本日学んだことを取り入れてみて、準備が足りてない部分に時間を使いたい。
 
【話題提供者振り返り】
とても刺激的で楽しいワークショップを体験出来ました。
皆さまから発表される内容のレベルが高くて驚きました。
グループごとに全く違う趣きがありながら、発表に使われることばに個性があり知的でした。ことばに力がありました。各ことばがぶつかり、交り合い、膨らみ、深まっていく。ファシリテーションはお互いを認め合い、新たに力を引き出す。易経の説く陰の力に通ずるものがあります。
講師の立場でありながら、ファシリテーションの学びをさせて頂く貴重な機会でした。ありがとうございました。
 
【MF振り返り】
難解で名高い『易経』を何とかお伝えしつつ、ファシリテーションのマインドを扱うワーク、というダブルの難しさを含んだレアな試みでした。が、意欲的かつノリの良い参加者方々のマインドに助けられ、とても楽しく、有意義な時を過ごすことができました。そのことにまず感謝です。
後で皆さんの温かくもうれしい感想文を拝見して、このワークを通じて伝えたかった、易経の「四季の意味」「変易・不易・易簡」「陽の力・陰の力」はファシリテーターのマインドそのものなのだ、ということをしっかりと受けとめていただけたフィードバックに感動しています。
MFの立場としては、やはりファシリテーションの経験量や易経知識量の点でバラつきの存在する中、全員参加の場をどう創るか、が難しさでした。が、終わってみれば、参加者の皆さんの、難しいワークも時間どおりにきっちりこなす仕事っぷり(コミットメント)や、吞み込みの速さ(傾聴)、絶妙な問いかけ(質問力)など、まさに「陰の力」を発揮頂けたおかげで、逆に思わずノセられてしまい、笑いの量と臨機応変さはなんとかかみ合ったものの、予定以上に話が長くなってしまいました。ご指摘いただいたとおり、反省です。ぜひ、またやりたいです。とりあえずは、この学びをシンポジウムでの研究発表『ファシリテーションにおけるイキの研究』にぶつけたいと思います。
最後になりましたが、「チャコ」さんはじめ明るく配慮深くいろいろと助けてくださった方々、わざわざご多用の中東京までお付き合いいただいた竹村亞希子先生、そして、「べし。」さんの全体運営面でのさまざまな「イキなはからい」、方々のマインドこそ、まさにファシリテーションにおける「陰の力」だなあ、としみじみ思い出しつつ、感謝感謝感謝です。
 
【担当者振り返り】
定例会に参加いただいた皆様、ありがとうございました。
本ワークショップは昨年度中部支部で開催された定例会がベースとなっております。その定例会報告書を拝見して、易経とファシリテーションを結びつけたことに驚きました。そしてぜひ東京支部でも実施したいと想い今回のワークショップ開催となりました。定例会開催に携わっていただいた皆さんに感謝いたします。

・竹村さんと小椋さんの絶妙なコンビネーション
・易経の分かりやすい解説と専門家であるからこその、腹落ちする言葉の数々
・「易経」という難解なテーマでかつファシリテーション・マインドを扱うというワークを全員参加の場とするプログラムデザイン
・そのプログラムデザインをすべてのワークショップで場を観て聴いて、臨機応変に変化させていたMFの進行
・見事なほど笑いの溢れた場
・熱気溢れる話し合いを展開されていた参加者の皆さん
・各ワークショップでのチームで厳選された言葉による発表会 等々

まさしく会場全員が「陰」の力と「陽」の力を発揮してこの定例会を創造していく過程はとても有意義な学びの場となりました。
そして参加者皆さんお一人おひとりがご自身のマインドについて、見つめ直すきっかけの定例会になったと思います。
最後になりますが、ご多用の中ご足労いただいた、竹村亞希子さんと小椋さん、感謝の念に堪えません。この場を借りて御礼の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

報告者 安倍能行
報告日

2015年5月9日

その他特記事項
 
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