2019年2月定例会4『グループプロセス・コンサルテーション ~話し合いにどう介入する?チームを成長させるには?~』東京支部

調査研究:東京支部 2019年02月度定例会

テーマ

『テーマ4:グループプロセス・コンサルテーション ~話し合いにどう介入する?チームを成長させるには?~

開催日

2019年2月23日(土)

会 場

スクエア荏原 中会議室

講師・ファシリテーター

鳥羽秀人(FAJ会員)

企画運営担当

時久剛、加藤貴美子(以上、FAJ会員)

参加者数(会員)

17

テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメントなど

【企画概要】
ファシリテーションはグループ・ダイナミックス(集団力学)研究の中で産声を上げた後さまざまな発展を遂げていきました。
その一つが、組織開発の現場で行われている、グループプロセス・コンサルテーションです。
「ファシリテーターはプロセスに働きかける」と言われますが、ファシリテーターが関わるプロセスとは何でしょうか?
ファシリテーターは場の心理的安全性を確保しつつ、より良いアウトプットにつなげるために、いつ、どのような働きかけをしたらいいのでしょうか?

本テーマは「グループプロセス・コンサルテーション」の理論、方法をベースにした実践トレーニングを行います。
また、実践をじっくり振り返り、グループの成長を促すためにどういう働きかけをしたらよいか?について探究していきます。

参考図書『インターベンション・スキルズ』W.ブレンダン・レディ著

【プログラム内容】
Ⅰ.オープニング
  1.オープニング
  2.趣旨説明
  3.アイスブレイク
Ⅱ.グループプロセス・コンサルテーション(GPC)の紹介
  4.GPCとは?
    ・プロセスとは?タスクプロセスとメンテナンスプロセス
    ・GPCの定義、進め方
    ・タスクとメンテナンス 介入の例示
  5.GPCデモンストレーション
    ・参加者の協力を得て、ファシリテーションとの違いを実演
    ・GPCとファシリテーションの違い 話し合い
Ⅲ.グループセッション①
  6.セッション準備
    ・各セッション毎のGPC役を2名決める
     (1Gあたり2名×3ペア)
  7.グループセッション①
    ・テーマ提示
    ・準備5分+話し合い10分+ふりかえり10分
  8.全体ふりかえり
    ・どんな介入があったか
Ⅳ.全体セッション
  9.ミニレクチャー「介入の種類」
  10.全体セッション①
    ・準備5分+話し合い+観察25分+ふりかえり10分
Ⅴ.グループセッション②
  11.グループセッション②
    ・テーマ提示
    ・準備5分+話し合い10分+ふりかえり10分
  12.全体ふりかえり
    ・どんな介入があったが
Ⅵ.全体セッション②
  13.ミニレクチャー「介入の深さ」
  14.全体セッション②
    ・テーマ提示
    ・準備5分+話し合い10分+ふりかえり15分
Ⅶ.グループセッション③
  15.グループセッション③
    ・テーマ提示
    ・準備5分+話し合い15分+ふりかえり15分
Ⅷ.フィードバックタイム
  16.フィードバックタイムの目的、進め方
  17.COとっきーからMFとばっちにインタビュー
    ・企画のねらい
    ・東京開催時に工夫した点
    ・今、感じていること
  18.プログラムを時系列でふりかえる
  19.参加者からMFとばっちにインタビュー
  20.フィードバックタイム
    ・今日の感想
    ・とばっち/プログラムへのフィードバック

【とばっちにインタビューした内容】
◇グループプロセス・コンサルテーション(GPC)起案のきっかけ
15年以上前、南山大学のTグループと出会い、コンテントとプロセスを知る。
その後、ビジネスで活かすため、ファシリテーションを学んだ。
プロセスに働きかけることはマネージャーとして重要なスキルだと実感している。
FAJに入会しても、プロセス(人の気持ち、関係性)について学ぶことを続けている。

◇東京開催で工夫した点
今回の東京支部定例会ではプログラムの時間を5時間にした。
中部支部定例会(4.5時間)、関西支部定例会(4時間)、富山サロン定例会(3.5時間)
時間が短くて取り上げられなかったメンテナンスプロセスで重要な「介入の深さ」を取り上げた。

◇プログラムを終えて感じていること
ほっとしている。参加者の皆さんが協力的で関心をもってくれたので良かった。
GPCを通してファシリテーションに学ぶことができた。

◇参加者からとばっちに聞いてみたい
Q.3セッション目でGPCを他グループと替えたのは?
A.前からやっている。ベースにした南山大学のプログラムでもよく替える。
 コンテントに入り込まないように、2セッション目から変わる場合もある。

Q.職場の場面でやってよかったことは?
A.もともとは"コンテント"を意識していたが、プロセス(感情、非言語)に関わることで、
 部下のやる気が変わったし、マネージャーとしての成長につながった。
 最初に"気持ちを聞く"のは中長期計画を策定する場面で効果があった。

Q.ネガティブな気持ちが出ることもあると思うが?
A.あえて受け止めてあげるのが真摯なファシリテーターのあり方だと思う。

とばっち/プログラムへのフィードバック

1902_GPC Tokyo FB.pdf

【担当者ふりかえり】
「ファシリテーターの関わるプロセスとは何か?」このテーマについて関心があり、「グループプロセス・コンサルテーション」定例会を企画しました。
マニアックなテーマにも関わらず、こくちーずの申込数は殺到。なんと、1日でキャンセル待ちが出てしまうほどでした。FAJでも「インターベンション(介入)」や「グループプロセス」への関心が高まっていることが確認できました。またこのテーマに強い関心を持っていて、久しぶりに定例会に参加した方もいらっしゃいました。

当日は参加者が1人1回、グループプロセス・コンサルタントの体験、全体セッションのフィッシュボウルを通して、グループプロセス・コンサルテーションについて理解が深めることができました。ファシリテーターがグループで起きたことをしっかり拾って、みんなの学びにしていたのが、より深い理解につながったと思います。
フィードバックタイムでは1時間かけてインタビューを行い、企画のねらい、前回から改善した点についてじっくり語ってもらいました。企画者、参加者にとっても実りある時間でした。特にインタビュー形式での意図開きはプログラムづくりの参考になったとの声がありましたので、引き続きやっていきたいと思います。

次回は、とばっちの最後のレクチャーで出ていたプロセスコンサルテーションのORJIモデルを基にした、観察力、メタ認知の定例会にチャレンジしたいと考えています。

報告者

時久剛

報告日

2019/03/10